フルマラソンにおける『サブ4』を完全網羅
今回は、フルマラソンにおける『サブ4』を難易度や達成するランナーの特徴、達成までのトレーニング方法まで完全に網羅して解説していきます。
マラソンを始めようとしている人も、既に趣味でランニングしているというランナーも、もしかしたらこの『サブ4』を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
「よく耳にするけどサブ4自体が分からない」「自分の実力でも達成できるの?」と気になっている人は、今回の記事でサブ4を完全に網羅することが出来ます。
マラソンの右も左も分からなかった僕が最初にサブ4の意味から調べたように、まず第一歩目として『サブ4が一体どういうものなのか?』を理解するようにしましょう!
この記事を見ればサブ4のすべてが理解出来るように解説していきますので、初心者ランナーでも分かりやすい内容になっています。
サブ4の意味とその難易度は?
サブ4は『フルマラソン42.195kmを4時間以内に走り切ること』を指し、サブ(〜より下)と4(フォー)の組み合わせで出来たものです。
一度もマラソンに挑戦したことがないランナーは「それって難しいの?簡単なの?」と判別もつかないかもしれません。
実際にサブ4がどれほど難しいかデータから見てみると、サブ4はマラソン完走者の上位22.3%のみが達成できるものになっています(東京マラソン2019調べ)
一見難しく見えますが22.3%ということは5人に1人がサブ4を達成できる確率なので、『誰もが達成出来る難しさではないけど、トレーニングを積み重ねたら達成できるもの』というイメージになりますね!
サブ4の難易度についてはこちらの記事でも解説しているので、合わせて見てみてください!
サブ4を目指すランナーはどれぐらいスピードで走るの?
『42.195kmを4時間以内に走る』と言われてもイメージしづらい部分があるので、マラソンでよく例えられる1kmのペースでお話ししていきます!
フルマラソンを1kmを5:41のペースで走り続けることが出来ると、3:59:48でゴールしサブ4を達成できるようになります。
ですから、最低限でも1km5:41ペースで走られる走力を身につけないといけません。
ただ、ここで注意しないといけないポイントは、そのペースを保ち続けながら4時間近くも走り続けるのは現実的ではないということです。
走っていれば後半に近づくほど疲れは出てきますし、フルマラソン当日の動き方やアクシデントも想定しないといけないからです。
そう考えると5:41ペースをギリギリで走れる走力ではなく、余裕を持って走れるような身体作りが必要になってきます。
実際にサブ4を達成するランナーも普段のトレーニングでは、1km5:00~5:30のスピードで走っている人も多いですね!
サブ4達成に必要なペースについて解説している記事もあるので、合わせて参考にしてみてください!
サブ4ってどのようなマラソンランナーが達成する?
サブ4の意味や難易度、そして必要なペースについて分かったところで、次に気になるのが『どのようなランナーがサブ4を達成しやすいの?』という部分になりますよね?
サブ4を達成したランナー、逆に達成できなかったランナーの体験談や、多くの市民ランナーをサポートしてきた経験を交えながら、サブ4を達成するマラソンランナーに共通するポイントを3つまとめました!
サブ4を目指すランナーの適正体重は〇〇kg
「マラソンランナーって軽い人のほうがタイムも速そう」
そう想像する人も多いのではないでしょうか?
確かにサブ4を達成できるかどうかの指標として適正体重は知っておきたいですよね!
世界陸上2019の日本代表の方たちのデータが公開されているので、体重と合わせてBMI、体脂肪率も合わせて見ていきましょう!
*1・・・WHOが定める肥満度分類より
*2・・・オムロンが定める体脂肪率判定より
男性ランナーは標準体型、女性ランナーは痩せ気味体型のランナーが多い印象ですね!体脂肪率については値がマイナスになったため測定不能になります。基本的に値がマイナスになることはないので、トップランナーの体脂肪率がいかに低いかが分かりますね。
決まった適正体重があるというより、身長と体重から見るBMIや体脂肪率に焦点を当てて、『サブ4達成しやすい体型なのか?』を考えていくことをオススメします!
サブ4の適正体重についてはこちらの記事でも解説しているので、合わせて見てみてください!
サブ4を達成したランナーの月間走行距離
サブ4を達成するランナーは月間にどれだけの距離を走っているのでしょうか?
トレーニングの質だけではなく最低限の距離を踏むのは必要ですから、初心者ランナーはある程度の目安として知っておくようにしましょう!
サブ4前後の実力のあるランナーの月間走行距離を表にしてみました!(ランナー世論調査2015より)
表を見るとサブ4を達成しているランナーが一番多いのは、男女ともに月間走行距離101~150km踏んでいるランナーということが分かりますね!
サブ4と月間走行距離の関係性について、こちらの記事でも詳しく解説しているので合わせて見てみてください!
サブ4達成に筋トレは必要なのか?
「サブ4達成のために筋トレって必要なの?」「筋肉量が増えてタイムに影響が出るんじゃないの?」と疑問を抱いているランナーも多いでしょう。
もちろん無闇に筋トレして、ランナーに必要のない筋肉を鍛えると走る時の重りになってしまうので、返って逆効果になってしまいます。
どういうランナーが筋トレを必要としているのでしょうか?
SPIRITS RUNが考えるランナーの筋トレについては、『初心者ランナーは筋トレではなくラントレーニング重視、後半に失速してサブ4が達成出来なかったランナーは筋トレを週に2,3回やる』ことです。
なぜかと言うと、初心者ランナーは走り込みをしていく中で心肺機能とともに自然とついていく筋肉で十分だからです。
逆にサブ4が達成できなかったランナーは、普段のトレーニングである程度の距離を踏んでいるはずですから、プラスαで自分に必要な筋トレをしていくことが必要です。
具体的な筋トレ方法については下記の動画や記事で解説しているので、より詳しく知りたい人は参考にしてください!
サブ4達成にオススメなトレーニング
実際にいくつかのトレーニングを紹介していきます!
初心者ランナーであればこのトレーニングを参考にしていただきたいですし、既にマラソン経験者の人は自分が今出来ているかどうか確認して、必要であれば自分のトレーニングに組み込むことを考えてみてください!
マラソン初心者は自分の走力を知ろう(LSD)
マラソンをスタートして1~6ヶ月の人や、今はランニング程度だけど今後マラソンに挑戦しようと考えているランナーは、まず自分の走力を知るところから始めましょう!
自分の走力を知ることにも繋がるし、走力を伸ばすことに繋がるのがLSD(ロングスローディスタンス)トレーニングというものです。
ゆっくりランニング程度のスピードでいいので、自分で決めた時間(初心者なら40~60分、上級者120~150分)を走るトレーニングになっています。
マラソン本番は上級者ランナーでも2~3時間はずっと走っている状態です。まずは自分がゆっくりどれだけ走れるのかをLSDで知るようにしましょう!
初心者ランナーであれば40分止まらずに走り切ることが出来たら、十分と考えてもいいでしょう!
LSDトレーニングについては下記の動画や記事でも紹介しているので、合わせて見てみてください!
サブ4ペースで走れる身体作りをする(速いペース走)
冒頭でも話した通りサブ4を達成するには、最低限でも5:41/kmを余裕を持って走れるようにならないといけません。
初心者ランナーや運動を全くしてこなかった人だと「6:00/kmで走るのもキツい」というランナーもいるのではないでしょうか?
自分のランのスピードを速めて1kmを速いペースで走れるようになるには、ペース走トレーニングがオススメです!
走る距離と走るペースを自分で設定して行うトレーニングで、初心者ランナーだと5km(ペース6:00~7:00/km)で最初は挑戦してみてください!
慣れてきたランナーであれば、距離を10kmに伸ばしてみたり、ペースを速めてみたりして、自分がキツいなと感じるようなペースで行うようにしましょう!
週に1,2回を目安にペース走を取り組んでみてください!
ペース走についてはこちらの動画でも紹介しているので、合わせて見てみてください!
マラソン後半でも失速しない腰高フォームを手に入れる
サブ4を目指すランナーを指導していく中で「あれ、月間走行距離は踏んでいるはずなのになんでサブ4達成出来ないんだろう」というランナーは、ランニングのフォームが乱れている可能性があります。
乱れたランニングフォームは地面の負荷を上手く吸収できないことがマラソン後半の疲労や失速に繋がったり、最悪の場合だと怪我や故障を起こす可能性もあります。
マラソン後半でも失速せずラクに走るようになるには、『腰高フォーム』で走ることをオススメしています!
腰高フォームで身体を一本の軸のようにすることで地面からの反発ももらいやすくし、マラソン後半でも脚の余裕を残しラクに走れるようになります。
「自分は腰高フォームで走れている」と思うランナーは、一度動画を撮ったり他人に見てもらってみてください!
もしかしたら腰が下がっているフォームで走り続けている可能性もありますし、こういうのは自分が出来ていると思っていても他人目線で見ると「え、こんな腰が下がったフォームで走ってたの?」と気づくことがあります。
一度時間に余裕がある時は自分のランニングフォームを見直すようにしましょう!腰高フォームで意識するポイントについては下記の動画で紹介しているので、一緒に見ながら自分のフォームを修正してみてください!
フルマラソン3ヶ月前から考えるトレーニング表
一般的にフルマラソンでサブ4を達成するには半年前からトレーニングを開始したいとよく言われます。
レース本番の6~4ヶ月前は十分に走れるような身体作りを行い、レース3ヶ月前からは本格的にサブ4に向けてトレーニングを積み重ねていくイメージです。
実際にSPIRITS RUNが考えるフルマラソン本番3ヶ月前からのトレーニング内容をまとめてみました!
「ある程度走れるようになったけどどのようなトレーニングを組んだらいいか分からない」というランナーは、是非参考にしてみてください!
サブ4達成までに意識すると良いポイント3つ
フルマラソンは単純な走力のみではなく、本番の天気や環境、身体の調子、レース戦略なども考えないといけません。
思い出ランで「フルマラソン完走できればいいや」というランナーとは違い、「サブ4を達成したい!」と思うランナーは、トレーニングだけではない部分も考えるようにしましょう!
サブ4達成を目指しているランナーが更にタイムが伸びやすくなるために、意識すると良いポイントを3つまとめました!
フルマラソンとハーフは全くの別物
サブ4を目指すようなランナーになると、普段のトレーニングの成果を試すために10kmのレースやハーフマラソンに参加する人もいるのではないでしょうか?
ハーフに参加するランナーに覚えておいてほしいことは『ハーフで理想タイムを達成できたからといって、必ずサブ4が達成できるとは限らない』ということです。
「ハーフは距離が半分だから、タイムも半分切ればサブ4も達成できるよね」という考えは忘れるようにしましょう!フルマラソンとハーフは全くの別物です。
なぜかと言うと『フルマラソン後半の大失速』が起こり、多くのランナーはこの大失速が原因でサブ4を達成出来なくなります。
それほどハーフとフルマラソンはイメージとの違いが起こるので、サブ4達成を目指していてハーフに挑戦するランナーは気をつけるようにしましょう!
「じゃあ実際にハーフではどういうタイムを切ればサブ4も達成できるの?」という疑問に関してはこちらの記事で触れているので、ハーフに挑戦しようとしているランナーは下記の記事を参考にしてみてください!
サブ4を目指すなら走力だけに頼らないこと
完走者の上位22.3%の人しか達成出来ないというサブ4は、単純なトレーニングの積み重ねはもちろん、普段の食事や生活も気にすることが大切になってきます。
「サブ4に必要なトレーニングはしているから!」と言って、バクバクご飯を食べ、お酒を飲んで、不規則な生活を送っていては意味がありませんよね?
自分の身体にも気を配って食事を考えてみたり、トレーニング時のウォームアップやアフターケアは気を抜かないようにしましょう!
ランナーが身体を壊してしまっては元も子もありません。しっかり自分の身体を労って、フルマラソンを最高な状態で迎えられるようにしましょう!
下記の動画や記事で普段の過ごし方や食事について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
一人でサブ4を目指さずに周りの環境を活用しまくる
これまでサブ4のトレーニング方法などを解説してきましたが、頭では分かっていても自分が実際に取り組んでみると、「あれ、これってなんのためだっけ?」と分からなくなってくる場面が出てきます。
そうならないためにも一人でトレーニングを積み重ねるのではなく、自分にしっくりくるコーチを見つけたり、参考になるランナーの真似をしたり、近くにあるランニングコミュニティに参加するようにしてみてください!
マラソン自体は一人で最後まで走り切る競技ですが、本番までのトレーニングなどは多くの人の協力や環境を上手く活用するようにしましょう!
指導してくれるコーチに間違いを指摘してもらうのもいいですし、多くのマラソン仲間と楽しく頑張るのも一つの方法です。
なかなかサブ4を達成できないランナーは一人で頑張っている傾向が強いので、もっと周りの環境を活用しまくるのがオススメです。
SPIRITS RUNはサブ4を目指しているランナーはもちろん、よりレベルの高いサブ3を目指しているランナーも指導しています。
YouTube動画で解説したり、各SNSでも発信し続けていますので、自分が決めた目標を達成するためにも上手く活用してみてください!
サブ4はどんなランナーでも必ず達成できるもの
ここまでサブ4の意味や難易度から、そのトレーニング方法や、意識すると良いポイントまで全て網羅して解説してきました!
「サブ4って一体なんだろう?」となっていた人も、自分の頭の中でイメージ出来るくらい理解したのではないでしょうか?
サブ4は”一人前のランナーの象徴・勲章”とされるほどの価値があり、達成した時の圧倒的達成感や喜びは最高の経験や思い出となるので、「少しやってみたいな」と思うランナーは今回を機にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね!
30km以降も失速しないフォームの秘密
仕事やプライベートで忙しい中、自己記録更新を目指す市民ランナーへ