サブ4達成に必要なペースを知る(ペース表まとめ)
フルマラソンでサブ4を達成するために必要なものってなんでしょうか?
トレーニングや食事管理、身体のケアの方法を知るのはもちろんですが、マラソンレース本番で『どのようにしたらサブ4を達成できるか?』も考えておくことが必要になってきます。
毎日のトレーニングをコツコツと積み重ねることも重要ですが、今回は少し頭を使ってサブ4達成のための戦略を考えましょう!
・サブ4を達成するためには、どのようなペースで走るべきなのか
・そのペースで走れるようになるには、どのようなトレーニングが必要なのか
今回はサブ4を達成するために必要なペースやトレーニング方法を、動画なども挟みながら解説していきます!
まだマラソンをスタートしたばかりの初心者ランナーも、なかなかサブ4を達成できないランナーも「自分はどうやったらサブ4が達成できそうかな?」と考えながら読み進めてみてください。
最も理想的なイーブンペースで完走まで走り切る
マラソンでスタートからゴールまで同じペースで走り切るペースを”イーブンペース”と呼び、サブ4達成のた目に最も理想的なペースと言われます。
イーブンペースでサブ4を達成しようとするなら、1kmを5分41秒のペースで走る必要があります。
フルマラソンを想定した距離とタイムをまとめたペース表は以下の通りです。
※最初の5kmはスタートロス2分をプラスしています。
4時間近くも同じペースで走り切るというのはかなり難しく、マラソン中は疲労が蓄積してペースが落ちたりする場面も出てくるので、イーブンペースはあまり現実的ではないと考えます。
あくまでイーブンペースのペース表は目安として使ってみてください!
『1km5分41秒で走るイメージ』でトレーニングをしたり、「ペースが5分30秒超えて乱れてきたから、後半のために少しペースを落とそう」と走りながら考えるのも一つの方法です。
上記のペース表は、自分の身体の調子や自分のペースに合った使い方をしてみてください!
ネガティブスプリットでマラソン後半に勝負
“ネガティブスプリット”は、マラソン前半にゆっくり体力を温存しながら走り、後半から徐々にスピードを上げ、サブ4達成を目指すペースです。
名前だけ見ると一見「ネガティブ」ですが、レースの展開としてはタイム更新を狙いやすい「ポジティブ」な戦略になります。
少しややこしいですが、サブ4を達成するために徐々にペースを上げるネガティブスプリットはオススメの戦略になっています!
フルマラソンを想定したネガティブスプリットのペース表は以下の通りです。
※最初の5kmはスタートロス2分をプラスしています。
ネガティブスプリットはスタート直後の渋滞を気にしなくて済むし、無理に追い抜きする必要もないので、無駄に体力を消耗しなくてもいいのが一番の魅力です。
なにより精神的に落ち着いてレース展開を進められるのがいいですよね!
ネガティブスプリットにして気をつけないといけない点は、いくら前半で体力を抑えたとしてもフルマラソンの距離による疲労で、ラスト5kmほどは脚にくるというところです。
ラスト5kmはペースが落ちることを考慮して、辛くなってくる25~35km地点をいかに早く走り抜けるかを考えてみると、サブ4達成も視野に入ってくるのではないでしょうか?
ポジティブスプリットで計画的にタイム更新を狙う
“ポジティブスプリット”はネガティブスプリットとそのまま反対の意味で、『マラソン前半のペースより、後半のペースが遅い』マラソン展開のことを指します。
ほとんどのマラソンランナーが経験したことのある『マラソン後半に訪れる失速』と似ていますが、ポジティブスプリットとの大きな違いは『計画的にペースを落としているかどうか?』ということです。
実際にフルマラソンを想定したポジティブスプリットのペース表は以下の通りです。
※最初の5kmはスタートロス2分をプラスしています。
名前だけ見ると良さそうな『ポジティブスプリット』は、実は失敗レースになりやすいという特徴があります。
いわゆる『マラソン後半に訪れる大失速(ペースダウン)』で、ここで苦い思いをしたランナーも多いのではないでしょうか?
前半に距離を貯金しておいて後半にゆっくりペースで走るポジティブスプリットも、一歩間違えれば脚が動かなくなり、サブ4達成を逃すことになります。
自分の走力を理解した上で”計画的に”ペースを落とすことが出来れば、サブ4達成できること間違いなしでしょう!
今回の『イーブンペース』『ネガティブスプリット』『ポジティブスプリット』について詳しくまとめた記事もあるので、そちらも合わせて参考にしてみてください!
サブ4達成のために必要な期間
「実際にどれだけの期間トレーニングをしたらサブ4を達成できるの?」と言うと、最低でもマラソンレースの6ヶ月前から走り始めたいところです。
フルマラソンを完走するだけならジョギングペースでゴールすることは出来ますが、サブ4達成となると計画的にトレーニングを積み重ねるのが必要そうですよね!
実際に6ヶ月もあれば初心者ランナーでも十分にサブ4を達成できる期間です。
最初の1,2ヶ月目は走ることに慣れて、3~5ヶ月目は強みを伸ばしたり弱みを修正する期間、6ヶ月目はマラソンレースに向けて調整する期間のイメージになります。
サブ4達成するためにも十分なトレーニング期間を設けるようにしましょう!
サブ4のトレーニング方法を解説!
サブ4達成のために必要なペースと期間が分かれば、あとはマラソンレース本番に向けて実際にトレーニングを積み重ねていくことが重要になってきます。
無闇に走ってトレーニングするのではなく、計画的にトレーニングするようにしましょう!
多くの市民ランナーを指導してきて「ここが出来ていない人はサブ4達成出来ていないな」「逆にサブ4達成者には共通点があった」というものがあります。
それを踏まえた上でサブ4達成のために必要なトレーニングをまとめました!
初心者ランナーは自分の走力を知る
「まだマラソンを走り始めたばかり」という初心者ランナーは、自分がどれだけ走れるのかを知ることからスタートしましょう!
当たり前の話になりますが、サブ4を達成するための大前提として「フルマラソン42.195km走りきれるような身体作り」が重要になってきます。
例えすごく速いペースで走れたとしても、マラソンを走り切る体力がなかったら意味がありませんよね?
走力を知るためには『40分〜60分間走る』というのをやってみてください!
ジョギング程度のスピードで十分ですので一度走りきってみてください。途中で歩くことなく走りきれたら初心者ランナーとしては十分でしょう。
フルマラソンでは上級者ランナーでも2,3時間はずっと走っている状態なので、自分の走力を知るためには『決めた時間を止まらずに走りきれるかどうか』を知ることが大切になってきます。
・前半は余裕だったけど後半はきつかった
・走っていると腰が下がってくる癖がある
・途中で膝が痛くなってきて完走することが出来なかった
長時間の走りを通して自分の身体の状態や走る時の強み、弱みを知ることも出来ます。
サブ4達成に必要なトレーニングは人によって変わってくるので、まずは自分がどれだけ走れるのかを確かめてみましょう!
LSDトレーニングでフルマラソンを擬似体験
マラソンランナーにサブ4を達成できなかった理由を聞くと、多くの人が「思っていた力を出せなかった」「思っていたより前半に飛ばしすぎた」と口を揃えて言います。
つまり『レース本番では想定していなかった出来事が起きた』ということです。
なぜそういうことが起きるかというと、多くのランナーがぶっつけ本番で42,195kmを走ろうとするからです。
普段のトレーニングで42.195kmを走ることなんて無いですし、かなり負荷をかけたとしてもMAX10km前後でしょう。
MAX10kmしか走ったことないランナーがいきなり本番で42,195km走れるのはかなり困難です。普段の4倍の負荷がかかるものですから、それは想定外のことも起きます。
とはいえ、「じゃあトレーニングで42,195km走ろう」ともならないので、そこでオススメなのがLSD(ロングスローディスタンス)トレーニングです!
LSDトレーニングは決めた時間(一般的には40~60分、上級者ランナーだと120~150分)をゆっくりでもいいから走り切るというものです。ポイントはスピードを上げないこと。
最初はジョギングペースでいいので1,2時間走ってみて、フルマラソンの擬似体験をしてみることをオススメします!
慣れてきてある程度走れるようになったら時間を3時間にしてみたり、20km走や30km走に挑戦してみるのもいいですね!
LSDトレーニングについてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、合わせて見てみてください!
サブ4ペースで走るスピードを手に入れる
今までの話とは逆に『ずっと走れるスタミナはあるけどサブ4達成のためにはスピードが足りない』というランナーはスピードを強化するようにしましょう!
イーブンペース、ネガティブスプリット、ポジティブスプリット、どのペースであっても、1km5’20~6’00で走れるようにならないとサブ4達成は困難になります。
そこでスピード強化のためにSPIRITS RUNがオススメしているのがダッシュです。
ダッシュをすることで、筋肉がそのスピードに慣れたり、ペースの間隔を掴むことが出来るのがメリットです。
週に1~2回でいいので100mダッシュを4~6本トレーニングに取り組んでみてください!
このダッシュトレーニングを2~3週間続けるだけでも「あれ、このペースでもついていける?!」と実感することが出来ます。
スピードを上げるためのトレーニングは動画や記事でも紹介しているので、ぜひ見てみてください!
腰高フォームでマラソン後半でも疲れない走り
マラソン後半でも疲れず、力強い走りをするには『腰高フォームを身につける』ようにしましょう!
腰高フォームは下半身への負担を減らしてくれたり、地面からの反発をもらいやすくなる走りなので、レースをスムーズに運んでくれるようになります。
腰高フォームを手に入れるには以下のことを意識します。
①頭の上から上に引っ張られる意識を持つ
②腰に意識は置かず頭が引っ張られるイメージ
③「視線が上がった」という感覚があればOK
以上のことを意識してトレーニングを行うようにすることが大切になってきます。
動画でも詳しく解説しているので、動画を見ながらトレーニングしてみてください!
またサブ4を目指すランナーに必要なトレーニングのみに焦点を当てた記事もあるので、こちらも合わせて参考にしてみてください!
マラソンレース当日までに気をつける点
マラソンレース当日が近づいてくると「ちゃんと走れるかな」「トレーニングの成果は出るかな」「目標としていたサブ4は達成できるかな」と不安になってくるでしょう。
トレーニングやケアの方法などではなく、マラソンレース本番までに「これも追加でやっておくといい!」という点をまとめました!
サブ4達成のペース表を元に戦略を練る
この記事の冒頭で書いたサブ4達成のペース表を元に戦略を練るようにしましょう!
とはいえ、レース本番の何ヶ月か前からトレーニングしているはずなので、自分のペースをもう一度紙に書き出して確認したり、レースの事前情報を元に「〇〇km地点で給水を必ずしよう」などを考えるのも大切になってきます。
いくつもの事象が重なり合ったものがマラソンなので、いくらトレーニングを完璧に仕上げてきても予想外のハプニングで自分のペースが乱れてしまうこともあります。
せっかく練習を頑張ってきたにもったいないです。マラソンレース1ヶ月前くらいからでもいいので再度戦略を練ったり、調整したりしてハプニングなどのリスクは最低限避けるようにしましょう!
マラソンレース前日は体調を整える
「ついに明日本番を迎える...」と、期待と不安の気持ちでいっぱいのランナーも沢山いるでしょう。
そんな時にオススメなのが『明日のレースの準備』『リラックス』『イメージトレーニング』をするようにしてみてください!簡単にまとめました!
・準備→明日起きたら「もうあとは走るだけ」という状態を前日に作ります。ウェアは持ったか?ゼッケンは忘れていないか?補給食はバックに入れたか?など、レース当日の朝やレース前に焦らないようにして、気持ちに余裕を持つようにしましょう!
・リラックス→本を読んだり、音楽を聴いたり、ストレッチをして自分がストレスを感じない状況を作るようにしましょう!落ち着いた状態でレース本番を迎えられると最高のパフォーマンスが引き出されます。
・イメージトレーニング→必ずコースの下見をして自分がどのような姿で走るかをイメージしましょう!そうすることでマラソンレース本番中に上り坂が出てきたとしても、落ち着いて走ることが出来ます。お風呂に浸かりながらやストレッチしながら考えるのもいいですね!
マラソンレース前日にすることを解説した動画もあるので、合わせて見てみてください!
ペースを意識してサブ4達成を目指そう
サブ4は一見、達成するのが難しそうに見えますがしっかりトレーニングを積み重ね、いつも通りの走りをすることが出来たら必ず達成できるものです。
レースの途中で焦ったりすることなく、自分の決めたペースを守ってみてください。
マラソンレースの前から試行錯誤して、トレーニングを重ね、サブ4という勲章を手にした時には最高の感覚を得られると思いますよ!
わずか7日間で腰高フォームを手にした方法
必死に練習してるのに結果が出ない…。そんな時に気をつける2つのチェック項目とは?