「昨日のランの疲れが抜けない…」
と悩んだことはありませんか?日常生活でも疲労が溜まって仕事へ向かう駅の階段も億劫に感じてしまいます。
練習でいざ走ろうと思っても、重い腰を上げるまでに強靭な意志の力が必要です。
「もう二度とあの時のレースみたく悔しい思いはしたくない。」
レース後半の失速で自己記録更新を逃した前回のレースを思い出し、自分を奮い立たせますが、いざ、走り始めても足が重くスムーズに前に進めません。
そんな時にふと「もう年かなぁ」なんて思ったりすることもあるかと思います。
- 肩がこる
- 息が上がるのが早い
- 体のだるさが抜けない
これらに当てはまったら肉体疲労がたまっている可能が高いです!この記事を今すぐ読み進めて、疲労回復ストレッチのポイントを学んでください。
日々の練習でマラソンの自己記録更新を目指して、平日仕事終わりも休日も体に鞭打って頑張るランナーへ向けた「疲労回復ストレッチ」のポイントをご紹介していきます。
疲労の正体
そもそも、人間が感じる疲労の正体って何なのでしょうか?「言われてみれば、いったい何なんだろう」といった感じかと思います。
これからご説明していきます。疲労の正体を知って、対策を立てていきましょう。
疲労の正体① 疲労物質の蓄積
ランニング中に体内では糖質(グルコース)をエネルギー源に利用されます。
酸素と糖質が結びついてエネルギーが生み出されるのですが、運動が激しくなってくると酸素が足りなくなってきます。そのときに代わりに使われる「乳酸」という物質が生み出されます。
乳酸はエネルギーを生み出す手伝いをしていますが、運動後に筋肉を縮め働きをするので疲労感を感じます。
練習後のケアを怠って乳酸が除去できていないままだと、筋肉が硬くこわばってしまい、筋肉が血流を押し流すポンプの作用がスムーズに動かなくなります。
その結果、血液の循環が悪くなり、足や肩・肩甲骨周りに張りやむくみを感じるのです。
疲労の正体② 筋繊維の破壊
疲労の正体は乳酸だけではありません。筋肉の損傷も疲労の原因だと考えられています。
ランニングをすると着地の衝撃で、筋肉の繊維はプチプチと切れて損傷が起こります。損傷が起きた筋肉は動きが鈍くなりますし、損傷した部分が炎症を起こします。
疲労回復のためには血流を促進し筋肉の損傷を回復させるための栄養を届けていく必要があります。
練習後の疲労回復におすすめの静的ストレッチ
疲労を抜くために効果的なのが、静的ストレッチ(スタティックストレッチ)です。静的ストレッチをすることで固まった筋肉を緩めて伸ばし、しなやかに戻っていきます。
さらに、たまった血液や疲労物質も押し流され張りやむくみも解消され、しっかりと疲労が抜けた状態で次の日の練習で走れることができます。
毎日ちゃんと疲労が抜けて、仕事にも次の日の練習にも快適に取り組んでいければよりタイム向上にもつながっていきます!
静的ストレッチは練習後のケアにおススメするストレッチです。
★POINT
反動はつけず、伸ばしたい筋肉を意識してじっくりと伸ばしていく
一般的には部活動や体育の準備体操などで教わってきたストレッチと認識していいと思います。
疲労回復以外の意外な効果
練習後に疲労でこわばった筋肉を静的ストレッチして筋肉のこわばりをとることで筋肉のポンプ作用が促進され血液の循環をよくする効果があると認められています。
筋肉にたまった血液を流し、回復に必要な栄養素を運んでくれます。さらに、疲労物質を押し流してくれるので疲労回復につながっていきます。
さらに・・・
筋肉に柔軟性が出て、しなやかで伸びのある大きなストライドのフォームで走れるようにもなります!
実は、静的ストレッチの効果はこれだけではなく効率的なフォームを手に入れるための柔軟性の向上や、関節可動域の向上の効果も期待できます。ランナーなら取り入れない手はありません!
効果を高める静的ストレッチの正しいやり方
静的ストレッチには様々な種目があります。どんな種目にも当てはまる共通のポイントをご紹介します。ポイントを押さえ効果的に疲労回復をしていきましょう。
POINT1
深呼吸して息を吐きながら脱力した状態でじっくり伸ばす
反動はつけずに、ゆっくりじわぁ~っと伸ばしていきましょう。
「ストレッチは痛い!キライ!!」そんな風に嫌悪感を抱く方もいるかもしれませんが、そこまで無理やりやってしまうと逆効果です。
無理やり引っ張り伸ばすと、筋肉はこれ以上伸びて筋肉が切れたりしないように逆に筋肉を縮めてしまう「伸張反射」という現象が起こってしまいます。
静的ストレッチは筋肉を伸ばすために行います。ゆっくりでいいのでリラックスして伸ばしていきましょう。
POINT2
各部位15~30秒を1~3セット
静的ストレッチは筋肉を伸ばした状態で15~30秒ストップします。筋肉が伸びている状態でキープすることによって柔軟性を高めていきます。
セットを分けて、一度力を抜いてから再度ストレッチをすることでより効果が高まります。
POINT3
伸ばしたいターゲット筋を意識しながら伸ばす
伸ばしたい筋肉がちゃんと伸びているか意識してやりましょう。静的ストレッチの目的はそのポーズをとることではありません。
対象の筋肉を伸ばすことが目的です。
ちょっとした姿勢の違いや、関節の角度の違いで目的の筋肉が伸びないこともあります。必ず対象の筋肉を意識しながら行いましょう。
POINT4
痛みは痛気持ちいい程度で伸ばす
早く体を柔らかくしたからって、無理やり引っ張り伸ばすのは禁物です。静的ストレッチ筋肉の伸び感が気持ちよく感じられる範囲で行いましょう。
無理やり伸ばすと、「伸張反射」が起こり筋肉は逆に縮もうとしてしまいます。
さらに、無理やり引っ張り伸ばしたら筋肉の繊維がプツプツと切れはじめ、肉離れを引きおこす可能性もあります。
静的ストレッチをすべきタイミングとNGタイミング
静的ストレッチはどんなタイミングで行えばいいんでしょうか?効果を最大限高めるタイミングと、ランのタイムを悪化させる意外な逆効果のタイミングをごご説明していきます。
効果的なタイミング
その1 練習後
静的ストレッチは走り終わって息が整ってから行いましょう。ランニング中に固まった筋肉をほぐし、筋肉のこわばりを予防します。
ランニング後に急に運動をやめてしまうと、エネルギー源として使われていた乳酸が筋肉に残り疲労感を生み出してしまいます。ストレッチによって乳酸を除去していきましょう。
その2 風呂上り
お風呂上りは筋肉にたまった疲労物質の除去、柔軟性upにもってこいのタイミングです。身体が温まり、筋肉も伸びやすくなっているので、最大限ストレッチをすることが可能です。
お風呂から上がったら、体をふき、髪の毛を乾かして、湯冷めしないうちにストレッチをしましょう!
その3 就寝前
就寝前は、疲労回復の効果が非常に高いタイミングです。質のいい睡眠は心身ともに疲れを癒してくれます。
ストレッチには副交感神経を働かせリラックス効果があるので睡眠の質を高めてくれます。さらに、人は体温が下がるタイミングで眠気を感じます。
ストレッチによって血流が良くなり、睡眠前に一度体温を上げることによって、疲労を抜くより深い眠りに就くことができるのです。
NGなタイミング
走る前
静的ストレッチを「やってはいけないタイミング」も存在します。ケガのリスクが大きくなったり、タイムを落とす可能性もあります。
それは「走る前」です。「走る前にストレッチしちゃいけないの!?」と驚きの声が聞こえてきそうです。準備運動のイメージがあるかもしれませんが、運動前に静的ストレッチは向きません。
日本ストレッチング協会の研究でも、運動前の30秒以上の静的ストレッチは筋肉の持久力低下は証明されています。
30秒以上の静的ストレッチはランニング前は控えるようにしましょう。
静的ストレッチはランナーにとっての必須のケア!
疲れを溜めずに、日々の練習に全力で打ち込むことが自己記録更新にとっては必要なことです。
より全力を出すために、より快適に長く走り続けるためには、練習と同じくらい日々のケアが必要です。ポイントを押さえた静的ストレッチで快適なランニングライフを楽しんで下さい!