サブ4を達成するランナーの適正(理想)体重
「体重が軽ければサブ4は達成されるの?」そんな疑問が頭にあるランナーも多いのではないでしょうか?
マラソンでサブ4(サブフォー)を達成するランナーが、一体どれほどの体重なのか気になるところですよね!
サブ4を目指す中で、走るペースやストライドの長さ、どういったフォームで走っているか?などの数ある指標の中に含まれるのが、今回解説する『サブ4を達成するランナーの適正(理想)体重』です。
今回はサブ4を目指すランナーの適正(理想)体重を分かりやすく表でまとめたり、自分が目標とする体重に増量したり減量する方法まで解説していきます!
BMIから見る適正(理想)体重
よく体重と身長から算出した肥満度を表すものとして、BMI(Body Mass Index)が用いられます。これを元にしてランナーの適正(理想)体重を見ていきましょう!
BMIの計算は『体重(kg)÷身長(m)×身長(m)=BMI』で行うことが出来ます。このBMIの数値によって肥満かどうかを判断することが出来ます。
日本肥満学会の肥満度判定基準だと以下の通りです。
BMI値
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判定
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18.5未満
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低体重(痩せ型)
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18.5〜25未満
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普通体重
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25〜30未満
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肥満(1度)
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30〜35未満
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肥満(2度)
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35〜40未満
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肥満(3度)
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40以上
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肥満(4度)
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例えば、身長172cm、体重72kgの男性ランナーであれば『72(kg)÷1.72(m)×1.72(m)=24.3』となるので、上の表と比べてみると『18.5〜25未満』に入り、このランナーは普通体重ということになります。
また、日本ではなくWHO(世界保健機関)の判定基準だと以下の通りです。
BMI値
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判定
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16未満
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痩せすぎ
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16.00〜16.99以下
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痩せ
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17.00〜18.49以下
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痩せぎみ
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18.50〜24.99以下
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普通体重
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25.00〜29.99以下
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前肥満
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30.00〜34.99以下
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肥満(1度)
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35.00〜39.99以下
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肥満(2度)
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40.00以上
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肥満(3度)
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こちらも同様に『18.50〜24.99以下』に入るので普通体重になります。
サブ4を達成したランナーの話を聞いたり、他の方の体験談ブログを見ていても「達成した時は170cm、71kgでした!」と話しているランナーもいて、BMIで見ると普通体重に入っているランナーが多い印象です。
トップランナーのBMIも見てみましょう!今回は世界陸上2019の日本代表の方たちのBMIを参考にします。
男子
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選手名
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身長/体重
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BMI
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判定
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二岡康平
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175cm/60kg
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19.5
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普通体重
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川内優輝
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175cm/62kg
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20.2
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普通体重
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山岸宏貴
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170cm/54kg
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18.6
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普通体重
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女子
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選手名
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身長/体重
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BMI
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判定
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谷本観月
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153cm/42kg
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17.9
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低体重(痩せ型)
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池満綾乃
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162cm/50kg
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19.0
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普通体重
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中野円花
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156cm/42kg
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17.2
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低体重(痩せ型)
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男子選手の場合はぎりぎり標準体重で、女子選手の場合は低体重(痩せ型)の選手が多いという結果が出ました。
トップランナーの数値までいかなくも、サブ4を目指すマラソンランナーであればBMIは『20〜23』あたりには入っておきたいところですね!
体脂肪率から見る適正(理想)体重
体重と身長から導き出されるBMIですが、マラソンランナーにとって忘れてはいけないのが『体脂肪率』です。
体重と身長が同じランナーがいるとして、1人が体脂肪率10%に対し、もう1人が体脂肪率20%だった場合、どちらのランナーがサブ4を達成しやすいでしょうか?
言うまでもなく体脂肪率10%のランナーのほうが、体脂肪率20%のランナーよりサブ4を達成しやすいに決まっていますよね!
サブ4を達成するには、BMIだけではなく体脂肪率にも目を向けることが重要になってくるのが分かりました。
では、実際にマラソンランナーにとって適切な(理想の)体脂肪率はどれくらいなのでしょうか?
自分の体脂肪率は、各メーカーが出している体重計でも簡単に測ることが出来るし、「体脂肪率 = (実際の体重 − 標準体重) ÷ 標準体重 × 100」「標準体重 = 身長(m) × 身長(m) × 22」の計算でも測ることが出来ます。
男女別の体脂肪率による肥満の判定基準(参考:オムロンより)だと以下の通りです。
男性
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女性
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体脂肪率の判定
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〜10%未満
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〜20%未満
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低い
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10%以上〜20%未満
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20%以上〜30%未満
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標準
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20%以上〜25%未満
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30%以上〜35%未満
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やや高い
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25%以上
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35%以上
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高い
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BMIの部分でも挙げた身長172cm、体重72kgの男性ランナーを例に計算してみると、体脂肪率は10.6%となり『標準』の体型となりますね!
実際に自分の体脂肪率を計算してみることもオススメします!
タイム別によるマラソンランナーの体脂肪率の表からも見てみましょう!(タニタがランネット経由で行ったアンケート調査より)
タイム
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男性
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女性
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2時間30分~2時間59分(サブ3)
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10.6%
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13.5%
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3時間~3時間29分(サブ3.5)
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13.1%
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18.7%
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3時間30分~3時間59分(サブ4)
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14.4%
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19.4%
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4時間~4時間29分(サブ4.5)
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17.2%
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20.6%
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4時間30分~4時間59分(サブ5)
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17.2%
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21.8%
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5時間以上
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17.0%
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23.5%
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トップランナーのBMIの表とこの表から、BMIは『20~23』あたりに、体脂肪率は男性ランナーなら15%前後、女性ランナーなら19%前後に持っていくことがサブ4達成の鍵になりそうですね!
マラソンでは体重が軽いほうが有利?
「体重を1kg落とせば、フルマラソンのタイムが約3分縮まる」(福岡大学スポーツ科学部の故・田中宏暁教授による研究結果)と聞いたことがあるランナーも多いのではないでしょうか?
これまで話してきたように、確かにフルマラソンのタイムが速い人ほど、BMIや体脂肪率は低く、その数値から想定するように体重も軽いのではないかと考えられます。
逆に言うと、体重が軽い人ほどフルマラソンのタイムが縮まる傾向があると言えますよね!
ただ、これは傾向というだけで闇雲に「体重をとりあえず落とせばいいんだ!」となるのは間違いで、正しくこの話を理解することが必要になってきます。
サブ4を達成するために重要なのは『筋肉量は保ちつつ余分な脂肪を落として、体重を減らす』ということです。言い方を変えると『体重を落とすのではなく、体脂肪率を落とす』ことが大切になります。
体重を落とせばタイムが縮まるからといって、闇雲に体重を減らさないように注意しましょう!
適正(理想)体重を目指すには?
では、実際にサブ4を達成するための適正(理想)体重に近づけるには、どのようなことをしたらいいのでしょうか?
減量かもしれないし、増量する必要があるかもしれません。
今までの食生活はもちろん、普段の習慣や、トレーニングなどが今のあなたの体重に繋がってきます。適正(理想)体重になるために必要なポイントをいくつかまとめました!
食事制限で体重を減らさないこと
極論を言えば、摂取したカロリーに対し消費するカロリーが多ければ、もちろん体重は減っていきます。
よく体重を減らそうと普段の食事量を減らすランナーが見られますが、これは一時的なものでしかなく、精神的ストレスもかかれば栄養面でも身体によくありません。
身体に必要なエネルギーが足りなくなってくると、筋肉からエネルギーを持っていく身体の構造になっているため、せっかくトレーニングを積み重ねていても筋肉量が全く増えないのは辛いですよね。
食べ過ぎもよくないけど、食べなさ過ぎもよくないためバランスの良い食事を腹八分目に抑えつつ、トレーニングをこなして体重調整をするようにしましょう!
サブ4を目指すなら筋トレもする
体脂肪率の部分やトップランナーの状態からも分かる通り、サブ4を達成する人はただ体重が軽いだけじゃなく筋肉量も最低限備えていることが分かっています。
減量がメインの人は普段のラントレーニングに筋トレをプラスすることで、筋肉量が増え消費カロリーも増えるので、自然と体重も減るようになります。
増量がメインの人は筋トレで筋肉量を増やすことで体重増加に繋がってきます。筋肉は見た目によらず重たいので、見た目はひょろっとしているのに筋肉量がすごく体重が重たいって人もいますよね!
適正(理想)体重を目指しつつサブ4を狙うのであれば、筋トレは必須と言っても過言ではありません。
実際の筋トレのやり方はこちらの記事でも紹介しているので、「筋トレは何をしたらいいか分からない」というランナーはぜひ参考にしてみてください!
適正(理想)体重を目指す注意点
自分の適正(理想)体重を目指していく中で、「体重が減った!やったー!」となっているのも束の間、「あれ、全然いいペースで走れない」「体重が減ったのになんでタイムが縮まないの?」となるランナーも生まれてきます。
今回のマラソンランナーの目的はサブ4を達成することで、自分の適正(理想)体重になることがゴールではありません。
自分の適正(理想)体重になったとしても、タイムが縮まらないようであれば本末転倒になりますよね?
適正(理想)体重を目指す中で、よく勘違いしてしまうポイントや、間違った増量、減量をしてしまうマラソンランナーのために3つ注意点をまとめました!
体重ではなく体脂肪率で見ること
適正(理想)体重を目指す場合は、体重だけを見るのではなく必ず体脂肪率も見るようにすることが大切になってきます。
例えば、体重が減ったとしても体脂肪率が変わっていないという場合は、ただ筋肉量が落ちてその分の重さが減っただけなので、「体重も減ったしタイムが縮まる!」と勘違いしないようにしましょう!
体重を一つの指標として見るのもいいですが、自分の体脂肪率も管理出来るようになると、サブ4達成が目の前に近づいてきているというのが実感出来るようになりますよ!
体重を調整するのはマラソンレース1ヶ月前まで
マラソンレース1ヶ月前は基本的にどのランナーも調整期間に入る時期です。
怪我や故障を起こさないようにトレーニングに気を遣ったり、マラソンレース本番で目標としているタイムを叩き出すために最終調整に入るため、このマラソンレース1ヶ月前の期間では体重の増量、減量などは出来るだけ行わないようにしましょう!
無理に体重を調整して、走っているペースを乱してしまったり、それこそ怪我や故障を起こしたり、トレーニングの疲れが残っている状態でマラソンレース本番を迎えても、最高のパフォーマンスが出来るとは思えません。
マラソンレース1ヶ月前までに適正(理想)体重にしておくようにしましょう!
フルマラソン1週間前の調整はどのように過ごせばいいかを動画で解説しているので、そちらも合わせて見てみてください!
規則正しい食事で体重管理
食事制限で体重を落とさないようにするのはもちろん、糖質制限などで体重を減らすような動きも極力控えるようにしましょう。
身体のエネルギーとなる糖質はもちろん、筋肉の材料となるタンパク質やビタミン、ミネラルといったバランスの良い食事で適正(理想)体重を目指すようにしてください。
偏った食生活をするのではなく、食事の量を少し減らしたり、腹八分目に抑えるようにすることで体重は調整することが可能です。
「何を実際に食べたらいいか分からない」というランナーのために、マラソンレース1週間前〜当日、そして普段の食事は何を摂取すればいいかまとめた記事もあるので合わせて見てみてください!
適正(理想)体重でサブ4を達成しよう!
今回はサブ4を達成するランナーの適正(理想)体重について、BMIや体脂肪率の表を参考に、実際どのように適正(理想)体重に持っていくのか?まで解説しました!
マラソンタイムを縮めるには沢山のトレーニングと継続が必要なのと同様に、体重も日々の食生活やトレーニングが必要になってきます。
すぐに変化が現れるものでもないので、根気強く気長に付き合っていく必要がありますね!
今回はサブ4を達成するランナーの適正(理想)体重について解説してきましたが、こちらの記事ではサブ3を達成するランナーの適正(理想)体重について解説しています。
サブ4を達成したらサブ3を目指したくなるランナーも多いですし、今のうちに合わせて読んでみてください!