サブ3.5というのはフルマラソンを3時間30分を切ること。
サブ4を達成したランナーが次に目指すべきタイムになりますね。
しかし、実際にサブ3.5を達成するためにはどんなペースで走ればいいのか、しっかりと理解しているランナーもそれほど多くはないでしょう。
実際どういうペース配分で走ったら達成しやすいの?
どんなペースで走る練習をすればいい?
そんな方に向けて、今回はサブ3.5を達成するためのペース配分やサブ3.5を達成するための練習まで紹介しています。
これからサブ3.5を目指すのであればぜひ最後まで読んでくださいね!
サブ3.5を達成するペースは3通り!
フルマラソンでサブ3.5達成する場合は平均で4分58秒/kmのペースで走る必要があります。
しかし、実際はフルマラソンで常に同じペースを維持し続けるのは現実ではありませんし、ポイントを押さえなければペースを保つことすら難しいでしょう。
サブ3.5を達成するためのペース配分は大きく分けて3つあります。
まずはどんなものがあるのか把握しましょう!
それぞれのラップタイムも紹介しているので、現在の自分のペースと比較してみてくださいね。
ずっと同じを目指すイーブンペース
マラソンでは一定のペースで走るペース配分を「イーブンペース」と呼びます。
実際のところ、このイーブンペースを完璧にこなすことが身体への負担も少なく、最も理想とされています。
ずっと同じペースを目指すといってもやはり後半は疲れてくるので、前半はやや早いペースで走りながら、ゆるやかにペースを落としていく走り方になります。
イーブンペースを用いてレースに臨む場合、以下のラップタイムが理想になります。
※最初の5kmはスタートロス2分をプラスしています。
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ラップ
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ペース
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通過タイム
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ロス
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02:00
|
|
00:02:00
|
5km
|
24:10
|
1km
4分50秒
|
00:26:10
|
10km
|
24:10
|
1km
4分50秒
|
00:50:20
|
15km
|
24:10
|
1km
4分50秒
|
01:14:30
|
20km
|
24:10
|
1km
4分50秒
|
01:38:40
|
ハーフ
|
|
|
01:58:00
|
25km
|
24:10
|
1km
4分50秒
|
02:02:50
|
30km
|
24:10
|
1km
4分50秒
|
02:27:00
|
35km
|
25:00
|
1km
5分00秒
|
02:52:00
|
40km
|
25:50
|
1km
5分10秒
|
03:17:50
|
ゴール
|
12:05
|
1km
5分30秒
|
03:29:55
|
最初からしっかりと余裕をもって同じペースで走っていき、徐々に体力の関係で勝手にタイムが落ちていくような形になります。
無理に飛ばすことはありませんし、無理にあとから追い上げる必要もありません。
しかし後半は当然つらくなりますから、必然的に後半の方が苦しくはなります。
前半型と言われるポジティブスプリット
前半型と言われるポジティブスプリットは、スピードタイプのランナーによく用いられる戦略です。
前半型と言われる通り、前半に早めに走りこんで貯金を作り、疲れてくる後半に体力を温存しようという作戦です。
しかし、慣れていないランナーにとっては最初のペース配分が非常に難しく、この作戦をしてかなり早い段階で足が動かなくなってしまう方も少なくありません。
もし自分のタイプがよくわかっていないなら、この作戦を選択するのはあまり賢いとは言えないでしょう。
しかし適しているランナーであれば非常に有効な作戦の一つです。
ポジティブスプリットを意識した場合のラップタイムはこちらです。
※最初の5kmはスタートロス2分をプラスしています。
|
ラップ
|
ペース
|
通過タイム
|
ロス
|
02:00
|
|
00:02:00
|
5km
|
23:45
|
1km
4分45秒
|
00:25:45
|
10km
|
23:45
|
1km
4分45秒
|
00:49:30
|
15km
|
23:45
|
1km
4分45秒
|
01:13:15
|
20km
|
23:45
|
1km
4分45秒
|
01:37:30
|
ハーフ
|
|
|
01:42:43
|
25km
|
24:10
|
1km
4分50秒
|
02:01:40
|
30km
|
24:35
|
1km
4分55秒
|
02:26:15
|
35km
|
25:25
|
1km
5分05秒
|
02:51:40
|
40km
|
26:15
|
1km
5分15秒
|
03:17:55
|
ゴール
|
11:42
|
1km
5分20秒
|
03:29:37
|
後半型と言われるネガティブスプリット
ネガティブスプリットはいわゆる体力温存型です。
最初はやや抑えめのペースで走り、後半にかけてペースを上げていくという走り方です。
特に30km以降には本当に苦しい中で速いペースを維持しなければいけないため、かなり厳しいレースになることが予想されます。
しかし最初にきちんとペースを決めて走っている分、体力を使い果たしてしまう心配も少ないです。
トップランナーはもちろんのこと、市民ランナーであってもネガティブスプリットを用いるランナーは多いです。
まだそれほどレース経験が豊富でなかったり、いつも序盤でペースを上げすぎてしまう方はこの走り方をオススメします。
ネガティブスプリットを意識した場合のラップタイムは以下の通りです。
※最初の5kmはスタートロス2分をプラスしています。
|
ラップ
|
ペース
|
通過タイム
|
ロス
|
02:00
|
|
00:02:00
|
5km
|
25:00
|
1km
5分00秒
|
00:27:00
|
10km
|
25:00
|
1km
5分00秒
|
00:52:00
|
15km
|
25:00
|
1km
5分00秒
|
01:17:00
|
20km
|
24:35
|
1km
4分55秒
|
01:41:35
|
ハーフ
|
|
|
01:47:00
|
25km
|
24:35
|
1km
4分55秒
|
02:06:10
|
30km
|
24:35
|
1km
4分55秒
|
02:30:20
|
35km
|
24:10
|
1km
4分50秒
|
02:54:30
|
40km
|
24:10
|
1km
4分50秒
|
03:18:40
|
ゴール
|
11:00
|
1km
5分00秒
|
03:29:40
|
慣れていなければネガティブスプリットがオススメ
後半できつくなるんだったら、前半に飛ばしておいて余裕を作った方がいいんじゃないの?
と思う方もいるかもしれんが僕はあまりオススメしません。
繰り返しますが、サブ3.5を達成するためには1kmあたり4分58秒で走ることが必要です。
しかし、それはイコールそのペースさえ維持できればいいのです。
慣れていない人がハイペースで前半を走ってしまうと、自分の限界が来るまで走ってしまいます。
気づいたときには足がガクッと来て、走るのがつらくなってしまうのです。
そうなってしまったら精神的にも辛いですよね。
場合によっては自己ベストからかけ離れたタイムをたたき出してしまう結果に終わってしまうこともあります。
むしろ後半までしっかりと体力を貯めておけば、あとは出し切るだけなのでゴールまでのモチベーション維持にもつながります!
そんなこんなで僕が多くのランナーにオススメするのはネガティブスプリットです。
いいペースでサブ3.5で走り切るための体作り
しっかりといいペースで走っていくには当然、それに合わせた練習をしていく必要があります。
今回は本番で決めたペースを守れるようにするポイントを紹介します。
ぜひここで知って、練習に組み込んでいきましょう!
ペース走で身体に染み込ませよう
レースの現場は普段走りなれている練習コースとは雰囲気も状況も全然違います。
人もおおく、自分とは違うペースで走っている人達もたくさん。
そんな中でペースを維持して走るのに頼るのは自分の感覚です。
ここでしくじってしまうと後半に体力が残せなくなったり、ペース配分を間違えて目標タイムを達成できなくなってしまうこともあります。
だからこそ、自分の体に理想のペースをしみこませる必要があります。
ペース走とは、一定のペースで一定の距離を走るトレーニングです。
身体にとにかく自分の理想ペースを叩き込む練習として、レースが近づいてきたランナーが実践すべき練習です。
例えばイーブンペースで走ることを想定していくのであれば、10kmを4分50秒/kmペースで走る練習を行うことで体にペースをしみこませます。
続けていけば、時間を図らずともペースを守って走れるようになっていくでしょう。
ペースをきちんと維持したいのであれば積極的に取り入れたい練習になります。
スピード練習を入れてより速く
もちろん、速く走るためにはペース走だけではいけません。
より速く、より楽に走れるようになるにはスピード練習を取り入れて速筋と呼ばれる瞬発的な筋肉に負荷をかけることが有効です。
スピード練習としてランナーに用いられるのはインターバル走やウインドスプリントといったような練習があります。
インターバル走については以前の記事で紹介しているので合わせてご覧ください。
また、スピードを強化するうえで重要なポイントを動画で紹介しています。
もしあなたが「スピード自信ないな…」と思うのであれば見ることをオススメします。
フォーム作りが一番の近道
いいペースを維持するにはフォームをよくすることが一番の近道です。
特に、あまりフォームについてきちんと意識したことがない方にとっては「フォームをよくするだけで自己ベストを更新した!」なんてことはよくある話です。
走るフォームはレース本番においても、練習そのものの質を上げるためにも、はたまた怪我をしないためにも大事になってきます。
あなたが自分のフォームはもう完璧!といえる人でなければフォームからもう一度考えてみる価値は十分にあります。
そんな方はぜひこちらの記事を読んでみてください。
楽に速く走るための重要なポイントが書かれています。
30km以降も失速しないフォームの秘密
仕事やプライベートで忙しい中、自己記録更新を目指す市民ランナーへ
サブ3.5達成のための練習メニューは?
実際にサブ3.5を目指すランナーがどんなメニューをこなすのか、気になりますよね。
今回はサブ3.5のランナーが実践しているメニューを紹介します。
サブ3.5を目指すランナーの練習目的は、1km5分というペースを体に染み込ませることと、1km5分のペースを楽に感じるようなスピード強化を行うことです。
4分50秒で少し楽に走れるくらいの状態を作ることを目指していけばサブ3.5は見えてきます。
今回紹介するのはそれを想定したランナーのとある1週間のメニューです。
ただ、人によって生活スタイルや使える時間にも差はあるので完全コピーすることはオススメしません。
あくまで、これくらい走るんだな、という目安として知っておいておくことをオススメしますよ!
レース8週間前のメニュー例
月 |
休養 |
火 |
40分ジョグ
(1km5分30~20秒)
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水 |
12km ペース走(1km4分50~40秒)+ウインドスプリント4本
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木 |
休養 |
金 |
40分ジョグ(1km5分半) |
土 |
60分ジョグ(1km5分半)
+200m3本
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日 |
40分ジョグ(1km6分~5分半)
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これは一例であり、練習内容は時期によっても変化してくるのであくまで練習メニューを組むときの目安にしてくださいね!
いいフォームを手に入れてサブ3.5ペースで走り切ろう!
いかがでしたか?
今回はサブ3.5を目指すランナーに向けて、レースを攻略するためのペース配分や練習メニューについて紹介しました。
レースを想定したペース配分はサブ4を目指す場合やサブ3を目指す時でも変わりません。
しかし基準になるペースが変わるわけですからどうしても能力の向上は求められますね!
特にフォームをよくすることはすぐに効果が出やすく、練習の効果も上がっていきます。
なので具体的にどうしようか困っているという場合はまずはフォームを調整していくことがオススメですよ!
さて何をしよう。と思ったら一度下の記事を読んでみてくださいね!
わずか1週間でサブ3を達成するための腰高フォームを手にすることができた秘密が書かれています。
本番でいいペースを守って走れるように、練習がんばっていきましょうね!
わずか7日間で腰高フォームを手にした方法
必死に練習してるのに結果が出ない…。そんな時に気をつける2つのチェック項目とは?