マラソンランナーだけでなく
日本人は3人に1人が痔を抱えている事実
「実は痔をかかえていて...」「痔持ちでマラソンを走っても大丈夫ですか?」「痔が気になってランに集中できない」お尻に爆弾を抱えているような状態で悩んでいるランナーさんも多いのではないでしょうか?
実はランナーさんだけでなく、日本人は3人に1人が痔に悩まされている事実があります。
しかもそれは自覚症状がある人が対象で、実際には自覚症状がなく自分の痔に気づいていない人も沢山存在しています。
「恥ずかしくて相談しづらいです」とこっそりこの投稿を覗いているランナーさんのために、今回は痔を引き起こす原因や痔の改善方法、気になっている「痔持ちでもマラソンを続けていいのか?」についてお話ししていきます!
痔は恥ずかしくて避けてしまう部分がありますが、もしかしたら重病の可能性もあるのでしっかり向き合うことが大切になってきます。
マラソンランナーが痔になる理由
痔になる理由は人によって様々ですが、マラソンランナーが痔を抱える可能性である理由を4つ考えてみました!
痔は普段の生活からくるものが多く、自分が痔になる原因を作っていないか思い出しながら読み進めてみてください。
トレーニングの疲労、ストレスの積み重ね
マラソンのトレーニングの疲労や、日常からストレスの積み重ねが痔に繋がってくる場合があります。
便秘や下痢は痔を引き起こす原因にも繋がり、便秘や下痢を防ぐにはストレスを溜め込まないようにすることが大切になってきます。
また過度の疲労やストレスは、全身の血行を悪くしうっ血(血液の流れが悪くなりとどこおること)を起こし、その部分が痔を引き起こす原因にも繋がります。
疲労やストレスを抱えた状態のランは、痔を悪化させるのはもちろん怪我や故障を引き起こす原因にも繋がるので、トレーニングを休息したりすることも必要になります。
長時間にわたって同じ姿勢(立ちっぱ、座りっぱなし)
長時間の立ちっぱなしや座りっぱなしも痔を引き起こす原因となってきます。
肛門付近に負担を与えうっ血を起こしやすく、それが痔を引き起こす原因に繋がってきます。
普段のお仕事で、デスクワークなどの座りっぱなしの仕事や、立ち仕事のアパレルや美容の仕事をしている方に多く見られる傾向があります。
1時間に一度は立ち上がって身体を動かすようにしたり、座って落ち着くようにすると痔になるリスクを抑えられるようになります。
お酒、香辛料、冷たい物の食べ過ぎ
マラソントレーニングの後にお酒を飲んだり、暑い時期は冷たい物をかけこんだりすることが好きなランナーさんも多いのではないでしょうか?
実は、お酒や香辛料、冷たい物の摂りすぎが痔を悪化させることもあります。
お酒→アルコールの飲み過ぎが下痢を引き起こしたり、アルコールによる血管拡張によって血流量が増えうっ血を起こす
香辛料→消化されないため胃腸を経過し直接肛門の粘膜を刺激する
冷たい物→下痢を引き起こしたり、身体が冷えることで血行が悪化しうっ血を起こす
普段の生活やトレーニング後で、お酒や香辛料、冷たい物を摂りすぎている自覚がある人は、少しその摂取量を控えてみることをオススメします。
排便時に力みすぎは良くない
普段の排便時や便秘の時にお腹に力を入れて力む傾向がある人は、痔を引き起こす原因になったり痔を悪化させることに繋がるので注意が必要です。
肛門をしめているクッション部分の血管に負担がかかりうっ血を起こしたり、クッション部分が押し出されてそれが肛門の外に飛び出るようになります。
朝の時間や緊急時のトイレで力むことは増えるので、余裕をもった時間帯で行動することが痔に負担をかけないことにも繋がってきます。
まずは自分の痔のタイプを判断しよう
痔と言ってもそのタイプには大きく分けて3種類あり、『自分がどのタイプの痔なのか?』によって対策や治療法が変わってきます。
痔の症状と特徴をまとめたので、「痔かもしれない...」と不安なマラソンランナーは自分の症状と照らし合わせてみてください!
いぼ痔(痔核):痔の中でも最も多いと呼ばれる痔。肛門の内側に出来る内痔核(ないじかく)と外側に出来る外痔核(がいじかく)がある。内痔核の特徴は『痛みは少ない、排便時に出血する、肛門からいぼが出てくる』、外痔核の特徴は『出血は少ないが痛みがある、大きく腫れると激しく痛む』です。
きれ痔(裂肛):きれ痔の特徴は『排便時の強い痛み、出血量は少なめ』です。男性に比べて女性の比率が高く、きれ痔は便秘との関係性が高いからです。硬めの便や下痢気味の便を排出するときに肛門上皮が避け、きれ痔に繋がってきます。
痔ろう:痔ろうの特徴は『肛門の周囲があつくズキズキとした痛みがある、お尻から膿が出ている、発熱(38~39℃)がある』です。直腸と肛門にトンネルができる痔で、この痔ろうが発症した場合は薬物治療対象外で、すぐに医師の治療が必要となってきます。
自分の痔の症状と一致するものはありましたでしょうか?自分の痔の種類を理解して、普段のトレーニングや治療に励むようにしましょう!
痔持ちでマラソンを走っても大丈夫なのか?
「痔持ちだけど走っても大丈夫なの?」と不安を抱えるランナーさんも多いのではないでしょうか?
マラソンを始め、激しいトレーニングや運動は、肛門に負荷をかけ痔を悪化させる場合があります。
「マラソントレーニングを一時やめるようにしましょう」と言われても、「距離を踏んでおかないと不安です」という熱心なランナーさんもいます。
そんなランナーさんのために伝えることは「走っても大丈夫だけど痔を直すように努力もしよう」ということです。
「痔」と聞くと「すぐ病院に行って手術しないと」と連想する人も多いですが、実際は日常生活から改善できるものも多いです。
痔を悪化しないよう日常から改善していく
実際に痔を悪化させないためにも普段の生活から改善していくことが、マラソン生活を充実させることにも繋がってきます。
「もうこれ以上悪化させたくない」「マラソンの時に気になるから早く治したい」というランナーは、日常生活から改善していきましょう!
2,3日〜1週間ほど休養をとる
トレーニングの積み重ねや普段の生活からの疲労、ストレスから痔に繋がってくるため、2,3日〜1週間ほど休養をとるようにしましょう!
トレーニングをお休みするのはもちろん、自分が好きなことをしてストレスを解消したりして休養をとることが大切になってきます。
身体を休めるようなマッサージ、ストレッチなどは肉体的にも精神的にもリラックス出来るのでオススメです!
下記の記事でもお風呂上がりに出来る疲労回復のためのストレッチについて解説しているので、そちらも参考にしながら休養をとってみてください。
https://spirits-club.co.jp/column/top/index.php?s=marathon-after-care&c=32
負荷がかかるトレーニングは避ける
自分の身体に負荷のかかるような厳しいトレーニングは極力避けるようにしましょう。
疲労が重なれば痔を悪化させやすいのはもちろん、肛門に負荷のかかる激しいトレーニングは痔に良いものではありません。
「それでも少しはトレーニングしたい!」そういうランナーはあまり負荷がかからないようなペースで走ったりして、距離を踏むように工夫することが大切になってきます。
1時間に1回歩いて血流を良くする
普段のお仕事で、デスクワークなどの座りっぱなしの仕事や、立ち仕事のアパレルや美容の仕事をしている方は、1時間に1回身体を動かして血行をよくすることでうっ血を防ぐようにしましょう!
オススメはストレッチや体操がオススメで、痔の予防をすると共にマラソンで必要な柔軟性も一緒に伸ばすことが出来ます。
お酒、香辛料、冷たい物は避ける
お酒や香辛料、冷たい物の過剰な摂取は避けるようにしましょう。
ただ、仕事の付き合いやそれを食べないとストレスが溜まるという人は、適度に摂取し過剰に食べすぎないようにすることが大切です。
「少し食べ過ぎかな」と感じる人はその摂取量を抑えることが、痔の改善に繋がってきます!
排便時に強く力まないこと
便秘のランナーは特に注意が必要で、排便時に強く力みすぎてしまう人は肛門に負荷をかけ痔を悪化させてしまいます。
力む原因は「朝の時間がないタイミング」や「我慢してやっと入ったトイレ」に起こりやすく、それを防ぐためには時間に余裕を持った行動が必要になってきます。
また排便時に力まないのはもちろん、肛門を綺麗に保つことも痔を防ぐことに繋がるので、排便後は紙で拭き取るだけではなく温水洗浄機能(ウォシュレット)で綺麗にしましょう!
高繊維食を食べ大腸の動きを活発にする
便秘や下痢が痔を悪化させることに繋がるということは、便秘や下痢を引き起こさないようにすることが大切です。
特に便秘になると便が硬くなりそのために強く力んだり肛門が切れやすくなってしまうので、便秘を防ぐためにも高繊維食を摂取し便秘を改善するようにしましょう!
高繊維食の食べ物は大腸の動きを活発にしたり、便が腸に止まる時間を短くするので大腸癌の予防にもなります。
高繊維食の食べ物を積極的に摂取するようにしましょう!いくつかオススメの高繊維食をまとめてみました!
【穀類】
玄米、麦めし、とうもろこし
【豆類】
煮豆(大豆、うずら豆、あずき)、納豆、おから
【芋類】
さつまいも、里いも、こんにゃく
【野菜】
ごぼう、キャベツ、白菜
【果物】
柑橘類(みかん、グレープフルーツなど)、バナナ
【きのこ類】
しいたけ、しめじ、えのき
【海藻類】
わかめ、寒天
生野菜はそのまま食べるより煮たり炒めたりすることで、食物繊維は多く摂れるようになります。
痔は普段の食事からも改善ができるので、ぜひ上記の食べ物を参考に普段の食生活を見直してみてください!
どうしても痔が気になる人はすぐに病院へ
「どうしても痔が気になる!」「症状が深刻で早く治したい!」という人はすぐに医師に相談しましょう!
ここでよくあるのが「先生に見せるのが恥ずかしい」「痔=手術をしないといけないの?」という気持ちが先行し、病院を先送りにする傾向があります。
怪我や病気も軽症のうちに受診したほうが治りやすく金銭面などの負担も少なくなるように、痔も取り返しのつかなくならない内に医師に診てもらうことが大切になってきます。
また、「痔の出血だと思っていたものが実は大腸癌だった」というケースも存在し、肛門からの出血は他の病気も抱えている可能性もあります。
痔で悩まされているランナーは今回を機に、一度医師に相談してみることも検討してみてください。
マラソンレースには痔の不安0で気持ちよく走ろう
怪我や病気と違って、痔は恥ずかしくて言いづらいという特徴から、1人で悩みを抱え込んでいるランナーさんも多いです。
「痔持ちだけどマラソン走っていいのかな?」なんて不安を抱えながら走るのではなく、「どうやったらタイムが伸びるかな?」「次のレースまでどんな作戦でいこう」と前向きな考えでレースもぜひ臨んでいただきたいです!
やっぱり気持ちよくトレーニングしたいし、記録更新したり、好きなランを走り続けるためにも、痔としっかり向き合い一歩づつ治していきましょう!