マラソンでより速く走るためには、様々な能力が必要ですよね。あなたも何をしたら速くなるのか真剣に考えてみたことがあるのでは?
腹筋がマラソンのタイム向上にどんな影響があるのかという点も非常によくある質問の一つです。
特にマラソン始めてまだ間もない方や「最近ハマってきてもっと速く、気持ちよく走りたいな。」なんて考え始めた方。
長く走っていても、お腹が少しでていることが原因で中々速く走れないんじゃないか?そんな風に考える方もいらっしゃるかと思います。
腹筋を鍛えるにしても、通常の腹筋ではマラソンに使う筋肉を効果的に鍛えることは難しいですから、やり方をしっかりと知る必要があります。
今回はマラソンにおいて腹筋を鍛える事で得られるメリットや、ランナー向けの腹筋のやり方などについて、お話していきます。
マラソンタイムをあげるには腹筋がないとだめ?
マラソンで速く走ろうと思ったら腹筋が必要なのでしょうか?お腹が出ていても走ることは当然できるし、そんなに苦に感じないかたもいるかと思います。
実際、長年ずっと走っているマラソン愛好家の方でも、お腹ぽっこりの方はたくさんいらっしゃいます。
今回はタイムを上げる、より速く走るという観点で、果たしてマラソンに腹筋が必要なのかをお話していきます。
お腹が出てる人は中々タイムが伸びない
お腹が出ている人は出ていない人に比べてタイムが伸びません。これは紛れもない事実です。
少し物理的な話になるのですが、重いものを動かすのってそれだけ力が要りますよね。
当然、自分の身体を動かすのにも同じ原理が働きますから、身体は軽い方が簡単に動かせる分、少ない力で速く動かせるようになります。
車の荷物も少ない方が弱いアクセルで進みますよね。それと同じです。
「じゃあ重い分、筋肉をつければいいじゃん!」と思うかもしれませんが、これも車で考えてみるとよくわかります。
重い車を、馬力に物を言わせて走っていると当然、早い段階でガス欠が起きてしまいますよね。この走り方は短距離ランナー向きだからです。
その証拠に長距離ランナーは筋肉はありつつも細く軽い人が多く、トップの短距離ランナーは筋肉量が多くて体が重い方が非常に多いです。
マラソンで速く走ることを目指すのであれば、とにかくムキムキになるのではなく、ぽっこりお腹は引っ込めて、体重を落として最低限の筋肉をつけることが最善と言えます。
もちろん肥満なのもよくありませんし、逆に筋肉のつけすぎもよくありません。
では腹筋は速く走るために必要な筋肉なのでしょうか?
そんな疑問にお答えします。
長い時間しっかりと走り続けるために腹筋は必要
腹筋が大きな役割を果たしているのをより実感するのはレース後半だと言われています。
人によっては「腹筋で走る」と言ったり「腕で走る」と言ったりもするぐらいです。
普段走る時というのは足を上げる動作に意識をおくと思いますが、レース後半になると、どんなに速いランナーでも足を上げて走るのは苦しくなります。
そんな時に必要になってくるのが腹筋です。
腹筋が上手く使えて走れるようになると足を上げる感覚から、足で地面を押してあげるような感覚に変わっていきます。
この感覚で走ることで長い時間であっても、腹筋の力で力強く走り切ることができるようになります。
ランニングフォームの安定がする
腹筋は体幹の一部とされていますが、一般的にこの体幹を鍛えることでランニングフォームが安定すると言われています。
「体幹」というのは両肩と股関節を結んだ四角形のことで、胴体と言うとおおよそこの部分を指します。
この体幹は文字通り、「体の幹」として身体の根本の動作や姿勢の維持に大きく関わります。
走る動作の動き出しの力を生み出したり、マラソンの走る動作で起こる身体の揺れをとどめて姿勢を維持するのに必要なのがこの体幹というわけです。
つまり、体幹が弱いと姿勢を維持することが難しくなり、体幹が強いとしっかりと身体の揺れを抑えることができるようになるのです。
長時間走っていると、疲れてきて元気だった時の姿勢を維持して走ることが難しくなってきませんか?
腹筋を中心にした体幹にしっかりと筋肉がついていると、長いレースになったとしてもフォームを維持して走ることが容易になります。
マラソンは走る姿勢を維持し続けるスポーツですから、長時間同じ姿勢を維持し続けるために必要な腹筋は鍛えておいて損はありませんよね。
腰痛の予防や改善にいい
マラソンランナーの怪我でも特に多いのが腰痛です。あなたも腰への違和感や痛みを感じたことがあるのでは?
前項にも繋がってきますが、腹筋を鍛えることは腰痛予防にもなります。
腰痛の原因は「悪い姿勢を維持していること」というのが多いのですが、この悪い姿勢を作らないために腹筋はとても大切です。
腹筋の力が弱いと背中が反っていきがちなので、結果として腰に負担がかかってしまいます。腰に負担がかからない、良い姿勢でいられるように腹筋は鍛えておくべきだと言えます。
マラソンに適した腹筋の方法
いくら腹筋がマラソンに必要と言えども、とにかく腹筋をやればいいというものでもありません。マラソンに適した腹筋というものはあります。
腹筋の中でも特にマラソンに使う部位、鍛え方にもマラソンに適したやり方があるのでしっかりと確認して、無駄な筋肉をつけないようにしましょう。
マラソンに使うのは腹直筋ではなく腹斜筋
短距離を速く走る動作ではお尻や太ももに力を入れて走る方が多いと思いますが、長距離ランナーにおいてはエネルギーを抑えながら効率良走るやり方が非常に重要視されます。
そのキーポイントになるのが腹斜筋です。
そもそも腹筋という筋肉はなく、みなさんが言っているいわゆる腹筋というのは腹直筋と呼ばれている、お腹の正面にある筋肉です。
もちろんこの筋肉も大事なのですが、走る動作においてはこの筋肉ではなく、その両脇についている腹斜筋と呼ばれる筋肉が非常に重要になります。
走る動作は身体を捻る動作です。その時、この腹斜筋が働いて上半身と下半身が連動することで、身体を上手く動かすことができ、気持ちよく速く走ることができるようになります。
なので腹筋を鍛える時は一般的によくやるお腹を真っすぐ曲げる腹筋だけではなく、捻る動作を加えるなどして、腹斜筋も効果的に鍛えることでマラソンでのタイム向上が狙えるでしょう。
マラソンで使う腹筋はムキムキの筋肉ではない
マラソンランナーには筋肉が無いと思いますか?そんなことはないですよね。実力があるランナーには細くてしなやかな筋肉がついています。
当然、ムキムキなボディービルダーのような大きな筋肉はマラソンランナーにとっては邪魔でしかありません。
極端な例で説明しましたが、ランナーにとって大事なことは「無駄な筋肉はつけない」ということです。
筋肉は脂肪の3倍重いと言われていますから、無駄に大きな筋肉をつけることはただ走る効率を下げることになりかねません。
大きい負荷で少ない回数をするトレーニングは、筋肉の肥大を促し、少ない負荷で多い回数をするトレーニングは筋肉の持久力の強化を促します。
どちらも筋力を強化できることに違いはありませんが、マラソンランナーとしてタイムを伸ばしたいのであれば、後者を意識してトレーニングすることがよいでしょう。
マラソンランナーがすべき腹筋メニュー
腹斜筋を効果的に鍛えられるトレ―ニングとしてオススメなのが「クロスオーバークランチ」です。
少し難易度が高いトレーニングではありますが、非常に効果が高いトレーニングです。
まず、仰向けになって手と足を広げます。
そして順番に対角線上の手足を引き寄せます。
これを10回連続で繰り返します。
ポイントは腰や背中が床から浮かないように、お腹に力を入れることと手足を上げた時に、反対の手足が床から離れないようにすることです。
このポイントを抑えずに行ってしまうとトレーニング効果が薄れてしまうので、ポイントをしっかり抑えてやるようにしてください。
目安は10回×2セットです。
家の中でできるトレーニングなので雨の日や、あまり時間が取れなくて走りにいけない時なんかはぜひ取り入れてみてくださいね!
身体を上手く使って効率的に走れるようになろう!
マラソンはただ走るだけのようにみえて実はとても奥が深いスポーツです。
走る動作には足が非常に重要かと思えば実は腹斜筋や腹横筋といった体幹部分を鍛える方がタイムが上がることに繋がったりすることも多いです。
特に体幹部分は狙って鍛えないと中々強くすることはできないですから、これから速く走れる身体を作りたいのであれば今回紹介した腹斜筋を始めとして、体幹周りをトレーニングしていくことは必須になるでしょう。
全身の連動を上手く使って効率よく走ることが結果として速く走ることに繋がりますから、あなたも自分の身体を上手く使ってより速く、スマートな走りを身につけるようにしていきましょう!
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