膝の曲げ伸ばしが痛い、引っかかるような痛みがあるときは『半月板損傷』の疑い

膝の曲げ伸ばしが痛い、引っかかるような痛みがあるときは『半月板損傷』の疑い

『半月板損傷』は手術が必要になるかもしれない怪我です。

半月板は、筋肉や腱、骨などの組織と違って、自然に回復してくれない軟骨組織です。

半月板を損傷すると「膝の曲げ伸ばしが痛い」「引っかかるような痛みがある」「膝を伸ばすときにカクカク引っかかる感じがある」というような症状を引き起こします。

半月板を損傷したが場合の選択肢は2つです。

手術によって損傷した部分を『切除』or『縫合』するか、膝周りの筋肉を鍛えたり柔軟性を高めることで膝への負担を減らしていくかです。

ひどくなると、膝がある角度で動かなくなり曲げ伸ばしができなくなってしまうことがあります。

このような症状に当てはまる場合は早めに受診しましょう。

この記事では、膝周りの筋肉の調整を行い手術以外の復帰法、手術後からの再発防止、未然に防ぐための予防法をお伝えしていきます。

半月板損傷ってどんな怪我?

膝とは、太ももの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨と腓骨)を繋ぐ関節のことです。

大腿骨と脛骨のつなぎ目部分にクッションのように挟まっている軟骨が『半月板』です。

膝の骨のポジションがズレた状態で走ったり、強い衝撃が加わることで、大腿骨と脛骨に半月板が挟まれ損傷を起こすことがあります。

一瞬引っかかるような痛みが起こったり、カクカクと曲げ伸ばしがスムーズに行えなくなるのが半月板損傷の特徴です。

半月板は自然に回復する組織ではないので、放っておくと痛みは引いていきますがカクカクする現象は続き、痛みが再発する場合があります。

放っておくと『変形性膝関節症』を併発し、痛みが強くなることがあるので、違和感を感じたらすぐに対処していきましょう。

半月板損傷の原因は骨格の歪み。

ランナー特有の半月板損傷を引き起こしてしまう原因があります。

半月板損傷の起こらない体や走り方を身に付けていくことが、痛みの改善にもつながっていきます。

軽快に走り続けるためにも、原因を潰していきましょう!

半月板は大腿骨を支えるお皿のような形をしています。

真上から半月板全体に体重がかかれば圧力は分散されますが、骨格の歪みによってピンポイントで圧力がかかってしまうことがあります。

そうなると、半月板が損傷が引き起こされてしまうのです。

膝の骨のポジションがズレている

太ももの骨とスネの骨の位置がずれると、間にある半月板を挟み込んでしまいます。

その状態で着地の衝撃が加わると、挟み込まれた半月板は押し潰されて損傷してしまいます。

特に、足を揃えて立った時に両膝の間に隙間ができるO脚は半月板損傷が起こりやすいので注意が必要です。

膝が真っ直ぐであれば、半月板全体で衝撃を受けるのですが、O脚だと膝の内側に圧力が集中してしまいます。

脚を真っ直ぐに整えていくことが、膝の故障をせずに快適に走る上で大事になってきます。

着地の瞬間膝が内側に入る(ニーイン)

 

ニーインの状態というのは、大腿骨と脛骨が逆方向にねじれた状態です。

ねじれることによって、大腿骨が半月板を削るように負荷がかかります。

O脚と同様に脚を真っ直ぐに揃えていく必要があります。

膝が伸びきった状態での着地

 

膝が伸びきった状態での着地は、半月板の前側へのダメージが大きくなってしまいます。

『反張膝』と言って、膝が通常よりも伸び過ぎてしまう体の歪みがあります。

骨盤が前に傾き、反り腰になると、バランスを取るために『反張膝』が併発します。

体の歪みを全体的に整えて、膝が真っ直ぐになり、半月板全体に均等に圧がかかる状態を作っていかなければいけません。

骨格の歪みを整えるには?

上記で説明した通り、膝の骨のポジションを整えていくことが、半月板損傷の予防・改善につながっていきます。

まずは膝の骨格を歪める固まった筋肉を解していくことが大事です。

しかし、それだけでは足りません。

足首や骨盤など、周りの関節の歪みが膝にも影響しているので、この二つも調整していきましょう!

90秒でできる膝関節の調整方法

膝周りの筋肉を緩める簡単な方法があります。

膝が痛い時、走る前の調整に行ってください。

『骨格』の『基盤』=『骨盤』を整える

骨盤は書いて字の通り、骨格の基盤です。

骨盤を調整することで、膝に過度な負担のかからない走りができるようになります。

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全骨格が乗り込み土台『足首』

足首が傾けば、そこに乗り込んでいるスネも連動して傾きます。

スネが傾けばO脚になったりニーイン状態になったり膝の関節も歪んでいくのです。

意外かもしれませんが、膝が痛かったら足首を調整しましょう。

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着地の瞬間、全体重が足首にかかります。足首のケアを怠ると、足首だけでなく膝痛、腰痛にもつながっていってしまうのです。足首を構成している28個の骨の位置が少しずれるだけで、その上にあるスネの骨が傾き、膝、股関節、腰と連動して歪んでいきます。  

ハムストリングの柔軟性up

膝に付着している裏ももの筋肉、ハムストリングをストレッチすることも大事です。

ハムストリングの一部は半月板につながっているので、しっかり柔軟性を高めておきましょう。

①立て膝になって、片脚を大きく前に出します。
②前に出した足の両脇に手をつき、お尻を後ろに引きながら膝を伸ばします。
③15秒以上キープしましょう。

①脚を腰幅に開きます。
②膝が動かないようにお尻を引きながら上体を倒します。
③スネと床が垂直な状態で30秒キープします。

 

大腿四頭筋の筋力up

前ももの筋肉、大腿四頭筋は着地の衝撃を吸収するために働きます。

半月板はクッションの役割ですが、大腿四頭筋を鍛えて、半月板へのダメージを軽減することもできます。

走る前に大腿四頭筋を活性化するエクササイズを行いましょう!

①片脚を伸ばし爪先を外側に倒します。
②息を吐きながら脚を持ち上げます。
③片脚10回ずつ繰り返しましょう。

中臀筋の筋力up

ニーインを防ぐには、お尻の中臀筋という筋肉を強化することが大事です。

太ももの骨を外側にひねる働きがある筋肉なので、着地の際に膝が内側に入るのを防いでくれます。

①両膝を曲げて横向きに寝ます。横腹の下に丸めたタオルを入れましょう。
②骨盤を床と垂直にキープするため天井側の手を腰に添えます。
③息を吐きながら天井側の膝を上げていきます。

10回を目安に行いましょう!

 

①立った状態で片脚を伸ばしたまま真横より少し背中側に向かって持ち上げます。
②お尻の横の筋肉が働いていることを意識しましょう。
③左右各10回行います。

半月板損傷を防ぐ走り方

 

半月板損傷を起こしやすいのが、アップダウンの多いコースです。

特に下り坂を走る時に、注意しないといけないポイントがあります。

どうしても下り坂はスピードが出てしまうために、体を後ろに傾けて走りがちです。

そうなると、膝が伸びきった状態で着地することになります。

さらに、下り坂はスピードが出て衝撃も平地よりも大きくなるので、膝への負担も大きくなってしまいます。

下り坂でダメージを減らす3つのポイント

実は、下り坂は平地の2〜3倍の負荷がかかると言われています。

ダメージを最小限に抑える走り方があるのですが、それが出来ていないとレース後半の失速にもつながってしまいます。

1つ目は『姿勢』

下り坂はどうしてもスピードが出てしまうので、それを抑えようと思って体が無意識に後傾してしまいます。

すると、ブレーキの役割である前ももに大きな負担がかかるため、後半の失速や、膝のガクガクにつながってしまいます。

姿勢は前傾した方がいいのですが、それではスピードに追いつけずに余計に負荷がかかってしまします。

これに対する対処が、次のポイントです。

2つ目は『腕振り』

ポイントは腕振りをコンパクトにすること。

そうすることで、自然とピッチが上がります。

脚の回転数が上がることで、スピードが出ても大股になって着地のダメージが大きくなることはありません。

肘をいつもよりほんの少し曲げて、コンパクトにしましょう。

3つ目は『着地』

下り坂でダメージが大きくなるのは、大股になってしまうからです。

平地でも大事な意識ですが、とにかく「真下着地」を意識することが大事です。

「足を重心の真下につく」

この意識を持つだけでいいです。

頭の中で念じれば、自然とそれに近い動きができるようになってきます。

動画で見た方がイメージしやすいと思うので、是非動画を今すぐご覧ください。

【関連動画】
マラソン『下り坂』攻略!ダメージを受けない走り方

手術が必要になる前に…

半月板は放っておいても回復する組織ではありません。損傷がひどくなれば、手術によって治さなければいけません。

手術となると、費用もかかるし、練習ができずに大きなブランクが空いてしまいます。

一度手術をすると、リハビリにも時間がかかり、切開によってできた傷は完全には修復しません。

万全の状態でレースに挑み、いつまでもマラソンを楽しみ続けたいなら、セルフケアの方法を学んで、体をいたわってあげましょう!

いつまでも楽しくマラソンを続けるためのこの記事を活用してくださいね!