走り始めや走った翌日に膝が痛む場合は『変形性膝関節症』の可能性アリ

走り始めや走った翌日に膝が痛む場合は『変形性膝関節症』の可能性アリ

中高年ランナーは特に注意して下さい。

走り始め、立ち上がった時、走った翌日に膝が痛む場合『変形性膝関節症』の疑いがあります。

膝の内側が痛み、走り始めると痛みが引いていくのが変形性膝関節症の特徴です。

「もしかしたら自分のことかも…」

と少しでも思ったら、今日の記事で膝のケアにについて学んでいきましょう!

変形性膝関節症ってどんな怪我?


太ももの大腿骨とスネの脛骨のつなぎ目には軟骨があります。加齢や怪我の影響のこの軟骨部分が硬くなってくると、どんどんすり減っていきます。

骨同士がぶつからないようなクッションとして働いている軟骨がなくなると、骨同士が削り合い、刺ができてしまいます。

これが変形性膝関節症です。

放っておくと危険な膝の痛み

初期症状は、立ち上がるときに膝がこわばる程度で、長距離は走った翌日に痛むのが特徴です。

日常生活に支障が出るほどではないので、軽視しがちですが、放っておくとさらなる怪我に繋がる可能性があります。

炎症がひどくなると、膝の中に水が溜まり、歩けなくなるほど強烈な痛みに変わっていきます。

膝の曲げ伸ばしが困難になるので、日常生活も大変…。

半月板の損傷と合併する可能性もあるので、痛みが続くなら、走るのを中断し医師の診断を受けましょう。

変形性膝関節症の原因と対策

では、変形性膝関節症はどのようにケアをしていけばいいのでしょうか?

原因と対策法をご紹介していきます。

肥満・過去の怪我・O脚の人は要注意

肥満の人は変形性膝関節症になりやすいです。当たり前ですが体重が重い分、着地の際にかかる膝への負担は大きくなります。

症状を悪化させないためにも、走る前に食事にも気を使って体重を落としていかなくてはいけません。

また、過去に膝の怪我をしたことがある場合は、膝の骨のポジションがズレて膝とスネの骨がぶつかりやすくなっています。

走り始める前に膝の調整エクササイズを行う必要があります。

変形性膝関節症に直結する膝の歪みがO脚です。

O脚の状態だと、膝の骨の内側とスネの骨が近づきぶつかりやすくなってしまいます。

これからご紹介する膝の骨のポジションを調整する方法を行って下さい。

膝の痛みが出たらとにかくコレ!

「今までずっと悩んでいた膝の痛みが一瞬でなくなってしまった!?」

こんなこと本当に起こると思いますか?

実はあるんです。膝の痛みはご紹介したように、膝の周りの筋肉が固まり、骨との付着部を引っ張って炎症を起こしていることが多いです。

その筋肉のこわばりを解除し、骨を正しいポジションに戻すことでスーッと痛みが消えていくことはよくあります。

実際、僕の指導経験上も何人もの方がこの効果に驚いています。

動画を参考に行ってみてください。

90秒で膝の痛みを取り除く奇跡の手法

練習前の調整の効果もあるので、ぜひアップに取り入れてください。

ハムストリングのストレッチ

裏ももの筋肉(ハムストリング)の柔軟性が低下し硬くなると、骨盤が後ろに傾き、膝が曲がったランニングフォームになりがちです。

このままだと着地のタイミングで膝周りの筋肉が過剰に働いてしまうので、膝の怪我につながりやすいです。

ハムストリングのストレッチを寝る前に1分間、行なっていきましょう!

半腱様筋(ハムストリング)のストレッチ

①立て膝になり、前の足の両脇に手をつきます。
②そのままお尻を後ろに引いていきましょう。
③裏ももに伸び感を感じた状態で15秒以上伸ばしましょう。

①足を腰幅に開きます。
②スネと地面が垂直の状態を保てるよう、膝を動かさずにお尻を引き股関節を曲げます。
③裏ももに伸び感を感じた状態で15秒以上キープしましょう。

大腿四頭筋ストレッチ

前ももの筋肉を大腿四頭筋と言います。この筋肉は膝のお皿にくっついていて、着地の瞬間に衝撃を吸収するために働きます。

ここの筋肉に疲労が溜まって固まってしまうと、着地の瞬間に衝撃を吸収できずに膝がぐらついてしまいます。

しっかりと疲労を抜いて力を発揮できるようにキープするためにも、走ったあとは1分間かけて大腿四頭筋をストレッチしてあげましょう。

①横寝になります。
②天井側の足の足首を持って背中側に引き膝を曲げます。
③前ももに伸び感を感じた状態で1分以上キープしましょう。

中臀筋トレーニング

お尻の中臀筋という筋肉が弱くなると、着地の際に膝が内側に入ってしまいます。

膝とスネの骨がゴツンとぶつかりやすい状態なので、変形性膝関節症の原因になってしまいます。

走る前に、中臀筋活性化のトレーニングをしておくだけで、膝が内側に入ってしまう「ニーイン走行」は改善されます。

走る前の活性化で、中臀筋を使った走りができれば、走っている間にも中臀筋がトレーニングできるようになるので必ず行いましょう!

①両膝を曲げて横向きに寝ます。横腹の下に丸めたタオルを入れましょう。
②骨盤を床と垂直にキープするため天井側の手を腰に添えます。
③息を吐きながら天井側の膝を上げていきます。

10回を目安に行いましょう!

①立った状態で片脚を伸ばしたまま真横より少し背中側に向かって持ち上げます。
②お尻の横の筋肉が働いていることを意識しましょう。
③左右各10回行います。

大腿四頭筋トレーニング

前もも大腿四頭筋は柔軟性も大事ですが、着地の衝撃に耐え得る筋力を確保することも大事です。

中臀筋と同様に、走る前には活性化のエクササイズを行ってから走るようにしましょう。

内転筋のトレーニング

膝の骨を膝の骨を真っ直ぐに向ける筋肉として、内ももの筋肉(内転筋)があります。

足首の歪みが連鎖して膝に来ることも…

ちょっと意外かもしれませんが、O脚の原因となるのが、膝ではなく『足首』です。

全身の骨格が乗り込んだ関節が足首の足関節です。

スネの骨も足首に乗っかっています。足が傾けば、その上に積木のように乗っているスネの骨も傾きます。

スネが外側に開けば、両膝の距離が離れO脚になってしまうのです。

O脚改善のために、足首調整は優先的に行っていきましょう!

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着地の瞬間、全体重が足首にかかります。足首のケアを怠ると、足首だけでなく膝痛、腰痛にもつながっていってしまうのです。足首を構成している28個の骨の位置が少しずれるだけで、その上にあるスネの骨が傾き、膝、股関節、腰と連動して歪んでいきます。

膝に水が溜まる前に…

「この前、膝に水が溜まって、手術で水を抜いたんです。」

こんな報告を受けることがしばしばあります。

「それからなかなか調子が出なくて、手術した方だけ固まってるんです」

こんな風に、手術がランニングに悪影響が出ることは多いです。

術前後は練習ができなくなりますし、固定する期間が長いと筋力も落ち、使われない筋肉は萎縮して固まってしまいます。

費用もかさみますし、家族からは「そんな走ってばっかいるから…」と呆れられてしまうかもしれません。

手遅れになる前に、早めの対処が必要です。

体を大切に、ご家族からの賛同を得つつ長くランニングを続けるためには、体のケア能力も高めていきましょう!