SPIRITS RUNのみっちーです!
フルマラソンでサブ4をするために、どのようなペース配分で走ったら良いのでしょうか?
「サブ4を目指して練習をしていきたい!でもサブ4を達成するにはどんなペースで走ればいいの?」
「サブ4ってどれくらいのペースで走ればいいの?最初飛ばした方が達成しやすいのかな?」
きっとこの記事を読んでいるあなたはそんな風に思っていますよね。
たしかに、きちんとペース配分を知って練習に取り組んだりレースに臨まないとサブ4を達成できる能力があるのに達成できなかったり、レース後半でバテて後悔することになりかねません。
ポジティブスプリットやネガティブスプリットという言葉を聞いたことはありますか?
今回はサブ4を目指すランナーのために、サブ4を達成するために必要なペースや、実際にランナーがレースに使っているペース配分について紹介していきます。
サブ4を達成するためにはどんなペースで走ればいい?
マラソンでサブ4を達成するためにはどんなペースで走ればいいのか?
それはズバリ、1kmあたり5分40秒です。
毎km5分40秒というペースが守り切れれば、サブ4は達成できます。
これは100m辺り34秒という計算なので、普段の走るペースと比べると、どれくらいペースを
上げた方がいいのかよくわかりますね!
しかしフルマラソンというのは長期戦です。
サブ4と言っている時点で4時間弱は走る計算なのです。
4時間も走り続けてペースを維持するのってかなりきつくない?って感じですよね。
なので今回は続けて実際にランナーが実践しているペース配分も紹介していきます。
サブ4達成のための3つのペース配分を使ったレース戦略
マラソンにはペース配分の大枠として3つの考え方があります。
まずは何があるのか紹介していきますね。
まずはこの3つの配分を理解して、自分にあったペース配分を知っていきましょう!
一般的にマラソンで使うペース配分は以下の通りです。
- イーブンペース(一定のペース)
- ポジティブスプリット(速→遅)
- ネガティブスプリット(遅→速)
今回はこの3つを使ったレース戦略について紹介していきます。それぞれのペース配分のコツや注意点もお話していくので、しっかりと目を通してくださいね!
①イーブンペースで30kmまで淡々と走る戦略
マラソンにおいて、一定のペースで走ることを「イーブンペース」と言います。
このイーブンペースこそが体への負担が少なく、最も理想とされています。
サブ4を達成するために、最も一般的なレース展開が一定のペースを維持して走りきる「イーブンペース」です。
「イーブンペース」と言っても、前半少しだけ早いペースで走ります。
早いペースで走って少しずつ貯金を作りながら、レース終盤でゆるやかにペースダウンすることを想定したレース戦略です。
イーブンで走るときにメインとなるペースは1kmあたり5分30秒です。スタートから30kmまでは1km5分30秒をキープして走り切りましょう。
参考のラップタイムは以下のようになります。
※最初の5kmはスタートロス2分をプラスしています。
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ラップ
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ペース
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通過タイム
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ロス
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02:00
|
|
00:02:00
|
5km
|
27:30
|
1km
5分30秒
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00:29:30
|
10km
|
27:30
|
1km
5分30秒
|
00:57:00
|
15km
|
27:30
|
1km
5分30秒
|
01:24:40
|
20km
|
27:30
|
1km
5分30秒
|
01:52:00
|
ハーフ
|
|
|
01:58:00
|
25km
|
27:30
|
1km
5分30秒
|
02:19:30
|
30km
|
27:30
|
1km
5分30秒
|
02:47:00
|
35km
|
28:20
|
1km
5分40秒
|
03:15:20
|
40km
|
29:10
|
1km
5分50秒
|
03:44:30
|
ゴール
|
13:10
|
1km
6分00秒
|
03:57:40
|
30kmまでは淡々と、1km5分30秒を維持するようにしてください。
無理してペースを上げてしまうと、ペースが乱れてゴールまで身体・体力が持たなくなってしまうからです。
「まだまだいける!」「余裕だ!」と思って30kmよりも早い段階でペースアップすると、急に身体が動かなくなってしまう可能性があります。
とにかく我慢、我慢、我慢。1km5分30秒のペースを死守しましょう。
30km以降は、少しずつペースを落としても大丈夫ですが、可能な限りペースを維持する気持ちで走りましょう。
もし、1km5分30秒で30kmまでペースを維持できないのであれば、イーブンペースで走るのは難しいでしょう。
②ネガティブスプリットで後半に追い上げる戦略
ネガティブスプリットとは、前半よりも後半のペースが早いことを言います。
フルマラソンを走るランナーの多くが前半のうちに貯金を作って、後半失速するタイプになります。
目標タイムに届かないどころか、人によっては大失速を招くことがあります。
なので、レースの前半でペースを維持、体力を温存し、後半でペースを上げる走り方です。
ネガティブスプリットにすることで、スタート直後の渋滞を気にする必要がなくなります。
無理に追い抜きをしなくて済むので、無駄に体力を消耗しなくてもいいというメリットがあります。
名前を聞くと一見「ネガティブなんで悪いものなんですか?」と思うかもしれませんが、レースの展開としては自己記録を狙いやすいポジティブな戦略です。
確実にタイムを狙うのであれば、精神的にも楽に走られるネガティブスプリットをおすすめします。
ネガティブスプリットでの注意点は、前半おさえても、距離や、走行時間により蓄積した疲労で、ラスト5kmくらいはやはり脚にくるということです。
前半おさえて余力を作ったとしても、後半が、自分の10kmのベストタイムのようなペース設定をしてしまうと、到底走られません。
ラスト5kmは、少しペースが落ちることを前提に、25km〜35kmをいかに早く走り抜けるかの設定が理想です。
|
ラップ
|
ペース
|
通過タイム
|
ロス
|
02'00
|
|
02'00
|
5km
|
28'45
|
5'45/km
|
30'45
|
10km
|
28'45
|
5'45/km
|
59'30
|
15km
|
27'55
|
5'35/km
|
1'27'25
|
20km
|
27'55
|
5'35/km
|
1'55'20
|
ハーフ
|
|
|
2'01'30
|
25km
|
27'55
|
5'35/km
|
2'23'15
|
30km
|
27'55
|
5'35/km
|
2'51'10
|
35km
|
27'30
|
5'30/km
|
3'18'40
|
40km
|
28'20
|
5'40/km
|
3'47'00
|
ゴール
|
12'50
|
5'50/km
|
3'59'50
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③ポジティブスプリットはややリスクが高い戦略
ポジティブスプリットは前半よりも後半のペースを上げて走ることを指す呼び方です。
理解して欲しいのですがポジティブスプリットとは、前半にペースを上げて計画的にペースを落としていく走り方になるので、単なる後半の失速ではありません。
後半になればなるほど足に疲労がたまるので、走りにくくなっていきます。
そこで前半で貯金を貯めておいて、後半では意図的にスピードを落としていくことで大幅な失速を防ぎます。
ただし、ポジティブスプリットは失敗レースになりやすいというのが特徴でもあります。
これがいわゆる「失速(ペースダウン)」に当たります。
市民ランナー、実業団などのトップランナーを含めて、ほとんどのランナーが、後半にペースが落ちます。
自分なりにペース配分をしたつもりが、思ったよりも走れずに狙った以上にスピードが落ちて失速。これがよくあるパターンです。
このせいでポジティブスプリットはイメージが悪いのですが、本来のポジティブスプリットは計画的にスピードを落とすのですから、精神的な余裕を持って走ることができます。
例えば、フルマラソンをキロ5分30秒で走れるランナーが、ポジティブスプリットで前半を5分程度に走り、後半をキロ6分で走るのは簡単そうに見えるかもしれません。
例として、下記のようなラップタイムが考えられます。
しかし、フルマラソンの30km以降では、前半でペースを上げれば上げるほど、後半必ず足が動かなくなります。
特に脚が動かなくなった際のペースはコントロールが難しく、普段キロ4分台で走られるランナーでも、キロ6分以上にも落ちることがあります。
ポジティブスプリットは、後半の落ち込み具合が読めないことと、後半疲れた時の苦しみが相当なものになることを覚悟した、いわば賭けのようなレースになると思います。
うまくはまれば記録更新につながりますが、自分の走力を見間違うと、後半地獄のような苦しみを味合う可能性があります。
基本的には後半型の方がリスクは少ない
「後半で失速することを考えると、前半で余裕を作っておいたほうがいいのでは?」と思うかもしれません。
「遅いペースで走っても、どうせ30kmも走れば疲れる」「元気なうちに貯金を作る!」という意見もありますが、僕はあまりオススメしません。
サブ4を達成するためには、1kmあたり5分40秒で走る必要があります。逆に言えばそのペースで維持できればいいのです。
前半で1km5分〜5分20秒のようなハイペースで走ってしまうと、自分の限界が来るまでペースダウンせずに走り続けてしまいます。
気付いた時には身体がガクッと動きにくくなって、疲労がドッと押し寄せてきます。
「まだ20km以上もあるのに、足が重い…」なんて状態になってしまったら、ゴールまでの距離への絶望感で精神的にもキツくなってしまいます。
しまいには、心が折れて終盤1km6分以上のペースになってしまったり、歩いたり立ち止まってしまう。
過去の自己ベストからかけ離れたタイムを叩き出す、という最悪のレース結果になってしまいます。
むしろ30km以降の終盤にタイムの貯金と体力と走りきる精神力があれば、ゴールまでのモチベーションを維持して自己ベスト更新できる可能性が上がります。
自分に合ったペース配分がサブ4達成への最短ルート
実際にネガティブスプリットで結果を出しているランナーも少なくありません。だからといって、全てのランナーがネガティブスプリットに向いているわけではありません。
ネガティブスプリットをしようと思っていても、後半にスピードに乗れずに力を出しきれずに終わってしまうランナーもたくさんいます。
大事なのは自分がネガティブスプリットとポジティブスプリットどちらを狙って走っているのかを明確にすることです。
何も考えずにスタートして、雰囲気に合わせてネガティブスプリットかポジティブスプリットを選ぶというのでは、失敗レースになる可能性が高くなります。
ネガティブスプリットにしてもポジティブスプリットにしても、それに合わせた練習をする必要があります。
例えば20km走や2時間走をするときに、どちらの走り方をするか意識して練習し、それを実践するのがレースになります。
あえてどちらがいいかと聞かれると、参加者が多い大会ではネガティブスプリットがおすすめです。
特にサブ4くらいを狙うランナーの場合は、スタート直後の渋滞によって、ポジティブスプリットにしようと思うと気持ちばかり焦ります。
最初はゆっくりでいいと自分に言い聞かすことができるネガティブスプリットのほうが、精神的に楽に走ることができます。
ただし、目標タイムに届かせるためには5kmごとの平均タイムくらいはしっかり計算しておきましょう。
感覚でスピードを上げてしまうと、それも失速につながります。
効果的なペース配分でサブ4達成を目指す!
前半型、イーブン型、後半型、3つの代表的なレースプラン・ラップについて考えてみました。
スピードタイプのランナーほど、前半型・イーブン型が馴染みやすく、スタミナタイプのランナーほど後半型がやりやすいと思います。
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