フォアフット走法は怪我のリスク増大!速くラクに走れる着地法とは?
ランニングコーチのみっちーです。
「フォアフット」
この言葉を聞いて、あなたは何を感じますか?
僕がフォーム指導をしていても、練習会の時にも、メールでも、“着地”に関しての質問はすごく多いです。
「着地はどこから着けばいいですか?」
「かかとからですか?つま先からですか?」
「やっぱりフォアフットのほうがいいですかね?」
など、多くの質問を受けます。
大迫選手も記録更新したフォアフット着地とは?
フォアフット着地とは、足の前側(指の付け根あたり)から着地する走法のことです。
近年、ケニアに代表されるアフリカ系のエリートランナーの走り方に影響され、この「フォアフット着地が長距離走には向いているのではないか?」という声をよく耳にします。
「フォアフットは日本人の骨格には合わない」というのは定説でしたが、日本人の大迫傑選手もフォアフット走法を取り入れ、日本記録を更新しています。
いろいろな情報が錯綜し、
と混乱している市民ランナーも多いはず!
このほかにも中足部で着地する「ミッドフッド」、かかとから着地する「ヒールストライク」という走法も含め、それぞれの特徴と、市民ランナー向けの着地の仕方も解説していきます!
フォアフット着地の特徴
- ヒールストライク(かかとからの着地)よりも、ひざへの負担が軽減されること
- アキレス腱がバネのように反発するため、筋肉への負担が減る
フォアフット着地にはこのような特徴があります。
アフリカ系のエリートランナーたちは、脚の長い骨格と幼少時代から裸足で過ごしているために、自然とフォアフット着地を自然と身に付けると言われています。
爪先での着地によって、アキレス腱の伸縮が起き、筋肉への負担が減りますが、爪先から着地したからといって簡単に習得できるわけではありません。
足首やふくらはぎの負担が増え、怪我をしてしまうランナーがほとんどです。
フォアフット着地を機能させるには、着地時の足首の角度や、アキレス腱が働くように足首を固定する筋力が必要になってきます。
ミッドフット着地の特徴
- 足の裏全体での衝撃吸収やひざの使い方により身体への負担が軽減されること
- 体幹が安定し、身体全体を使った走りがしやすくなること
- ランニング中の上下動が少なくなるので、エネルギーロスを少なくすることができること
足裏全体で着地するので、衝撃が緩和され負担が少ないのが最大の特徴です。
ですが、全ての着地を精度高く、ミッドフットで着地するのはかなりの難易度です。
サブ3以上を目指す中・上級ランナー向けの走法とも言えるでしょう。
ヒールストライク着地の特徴
- 接地した後、地面からの反発力を利用しながら、前への推進力を得て走ること
- 地面を正確に捉え常に安定した走りをしやすい
かかとから着地するヒールストライクは、初心者ランナーでも取り組みやすい着地法です。
着地のの衝撃をかかとで受け、着地の時間も長いので負担の大きい走法ですが、ランニングシューズのクッション性が補ってくれるため、一概に悪い走法とは言えません。
フォアフットは意識しないでください!
僕は今日あなたにお伝えしたいことは「今後一切フォアフットということを意識しないでください!」ということです。
もちろん、フォアフット着地にもメリットはありますが、もう一切、意識しないでください。
フォアフットで走る事で、あなたのマラソン人生を脅かすほどの怪我に悩まされるかもしれません。
そう故障に怯えながら、走ることが楽しくなくなってしまいます。
ケガで何ヶ月も走れず、筋肉やカラダがドンドン衰えて、久しぶりに大会に出たとしても
自己記録更新どころか途中リタイヤしたり、目標タイムを大幅に下回る事にすら、なりかねません。
フォアフットはアキレス腱・ふくらはぎを痛めやすい
そんな危険性を秘めているのが「フォアフット」です。
なぜみっちーさんはそこまで、フォアフットに反対するのですか?
と思うかもしれません。
フォアフットは、強靭な筋肉が必要であり、ただ単につま先で着地をすればよいというわけではありません。
見よう見まねでやろうとすると「アキレス腱」と「ふくらはぎ」を過剰に使った走りになりやすいです。
ふくらはぎは太ももやおしりに比べ、筋肉が小さいので、強靭な筋肉がない限り疲れやすく故障しやすいです。
トップランナーはフォアフットの人が多い?
でも、マラソンで日本記録を出した大迫君もフォアフットだし、やっぱりフォアフットにすべきなんじゃないか?
こんな話も聞いたことがあります。
ただ、彼自身も、幼少期から山を走って過ごしていました。
その後、長野県の強豪・佐久長聖高校でクロカンコースをずっと走り、自然と身につけていました。
さらに、アメリカのナイキ・オレゴン・プロジェクトで強靭な筋肉、体力、メンタルを手にしているからこそ、出来ます。
「ケニアやエチオピアの選手は、フォアフットじゃないですか?彼らも走りも効率良く速いですよね」
これもよく言われますが、これは危険な勘違いです。
彼らは幼少期から昔から裸足で、10km以上も走って学校に行くような生活の中で自然とフォアフットを身につけています。
それを、僕らのように幼少期から日常的にバスや車を使って、そもそもそんなに走らなかった日本人が真似するのは危険です。
だから、フォアフットを付け焼き刃で真似しして、ただの見よう見まねでやってもうまくいくはずがありません。
フォアフットでは足の負荷・ケガのリスクが増大
どれだけ、フォアフットのほうがブレーキが少なくスイスイと軽やかな走りができるからといっても、
無理くりフォアフットにしたら、ただ足への負担に耐えられず怪我をするだけです。
僕は、市民ランナー界で、フォアフットという言葉が消えたほうが良いとすら思っています。
なぜなら、この言葉によって、記録を伸ばしたランナーよりも怪我をするランナーの方が増えている現状を知っているからです。
そして、こんなことを言っている僕も
「日本記録を更新したり海外ランナーは、みんなフォアフットで着地しているんだな。俺も真似してやってみよう」
と、高校時代にフォアフットにしようとしました。
そして、見事に全治4ヶ月のアキレス腱を怪我した経験を持っています。
その期間にロクに走る事も出来ず、完治してからも着地時の痛みに悩まされ、常にけがの恐怖が付きまといました。
「また怪我するんじゃないか?」
その考えも抜けずに、完全に復帰するのに半年以上はかかりました。
その期間でどれほど他のチームメイトにタイムを離され、追いつけず、大会でも結果が出ず、
「フォアフットに変えなかったら…」と悔しさのあまり練習終わり涙を流した事もあります。
あなたには僕と同じような後悔や失敗はして欲しくないです。
とにかく僕が言いたいのは「フォアフットはやろうと思ってできることではない」ということ。
無理してフォアフットになんて、絶対にしないでください!
重心の真下で着地する意識を持つ
それよりも、かかとからでも、足裏全体からでも、
「重心の真下で着地」
コレの方が遥かに大事だと、僕は言い続けます。
重心の真下で着地する事で、体の重心の前で着地するのに比べ、地面の接地時間が短いので足への負担も少なくなります。
練習やレースで長い距離を走ってもケガや故障しにくい走りになります。
それに、ブレーキがかからないので、疲労を最小限に抑えながら、前へ前へとラクに走れるので、タイムを縮めることができます。
でも、そうは言っても
着地は重心の真下でする・・・頭ではわかるんだけど・・・なかなか感覚が掴めない・・
って思いますよね。
メールや指導をしている中で、着地がうまく出来ていなかったり頭では分かっていても上手くできない、やり方を間違えているランナーが非常に多いことを肌で実感しました。
そこで、SPIRITS RUNでは、毎月、着地も含む「効率のいいフォームを手に入れること」に特化した練習会(エコノミーフォーム実践会)を定例で行うようにしています。
重心の真下への着地は、エコノミーフォーム実践会でも毎回実施していますが、多くの方が「スイスイと軽やかに速く走れる感覚」を手にしていただいています。
かかと着地でも、フラット着地(足の外側全体で着地)でも、フォアフット気味でも、重心の真下の着地できれば、何も問題ありません。
これだけで楽に速く走ることは可能です。
疑いがある方は、ぜひ、エコノミーフォーム実践会にご参加ください。ものの数分で楽に走れる感覚が手に入ります。
そのすべては「重心の真下に着地」できるかどうか、ここだけです。
この言葉を必ず胸に刻んでください。
速くラクに走る着地のポイントを動画で解説!
効率の良いフォームのポイントが着地の仕方です。3つのうちで、着地が最も多くのランナーが「難しいな…」と感じるポイントの1つです。
「重心の真下への着地をしなさい」と雑誌やネットなどで書かれていますが、真下への着地ができているのか1人では確認しづらい部分です。
過去の指導してきて小学生のマラソンから80歳以上の市民ランナーまで多くの指導をしてきました。
指導した全員が運動神経に関係なく、重心の真下への着地を手に入れてラクに走れる感覚を身につけてもらってきました。
重心の真下の着地ができると何が良いのかというと、着地した瞬間に地面からパワーがもらえるようになります。
「あれ?なんかポンポン跳ねます!」というように地面から勝手にエネルギーを得て跳ねるような走りになります。
人によっては「体が止まりません」とあまりにも体が前に進みすぎてペースが上がりすぎてストップがかけられないくらいラクに走れるようになります。
一言でいうと、「重心の真下で着地してください!」という言葉で終わります。
しかし、「じゃあどうすれば重心の真下で着地できるんですか?」と気になるでしょう。
どうすれば着地時にパワーをもらって体が勝手に前に進むのか、そのラクに走る着地のポイントを具体的にかつステップバイステップでわかりやすく教えていきます。
詳しくは下記のページからチェックしてみてください。
30km以降も失速しないフォームの秘密
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