コツは”スキップ”!?ウィンドスプリント走の練習法【マラソン記録更新】
SPIRITS RUNのみっちー(@sr_michirun)です!
今回は、スピードを上げたいランナーに向けてウインドスプリントのやり方を解説します。
1.ウインドスプリントってよく聞くけど、どうなの?
「ウインドスプリントってなんとなく早く走るのはわかるけど、なんなの?」
「どんな効果があるの?」
その気持ちはすごくわかります。SNSで「ウインドスプリントやりました!」という投稿をよく見かけます。
雑誌でも「スピード強化にはウインドスプリントがオススメです」とちらほら見かけます。
「よく聞くけど、どうやってやればいいのかわからない・・」「本気で走ればいいんですか?」
と感じている人も多いはず。
ウインドスプリントには、正しいコツとやり方が存在します。このやり方を知らずに間違えてしまうとただがむしゃらに走って筋肉に負荷をかけてしまいます。
筋肉もガチガチに固まってしまい変なフォームの意識がついてしまい力んでケガのリスクを高まります。
「ウインドスプリントってどうやればいいんですか?」
ウインドスプリントには、簡単なコツがあります。実はそんなに力まなくてもスピードを上げていくことは可能になります。そんなコツをお伝えしていきましょう!
2.そもそもウインドスプリントってなんですか?
ウインドスプリントとは、全力疾走の70~80%程度のスピードで100mの短距離を数本走るトレーニングのことです。
ウインドを日本語訳すると「風」なので、風に乗るイメージで、呼吸を止めずにフォームを意識しながら気持ちよく走る感覚です。
よく陸上競技では「流し」とも呼ばれたりします。
3.ウインドスプリントとインターバルトレーニングの違い
ウインドスプリントと似たスピード練習がインターバルトレーニングにあたります。
インターバルトレーニングとは、80〜90%のほぼ全力疾走のペースで走るのと、ゆっくりジョギングをして走るのを交互に走るスピード強化系の練習メニューです。
「ウインドスプリントとインターバル練習って何が違うんですか?」
3-1.インターバルは心肺機能と脚力強化、ウインドは刺激を入れる練習
よく2者の練習の違いを聞かれますが、インターバル走は、心肺機能と脚力を鍛える練習です。
ウインドスプリントは、自分の体力を追い込むものではなく、体に適度に刺激を入れるために行う練習です。
3-2.ウインドスプリントは疲労抜きとしても使われる
またウインドスプリントは、疲労を抜くための目的としてよく活用されます。ジョグやロングランなどの練習の後は遅筋が使われます。
走るスピードを変えることで違う筋肉(速筋)が使われるため、別の部位も刺激され疲労を抜きやすくなる効果があるからです。
ただし、長い距離を走った後は、足が疲れて足がつったり筋肉が炎症を起こしてしまうため怪我に繋がることが多いですので、注意が必要です。
3-3.ウインドスプリントをうまく取り入れるランナーほどタイムが伸びる
ウインドスプリントは特に、
「インターバルなどガンガン追い込みたいけどスピードがなくてできない」「ケガで全力疾走はできない・・」
というランナーに最適です。
適度に体へ刺激を入れながら、疲労ぬきをしていけるためスピードの強化と疲労回復を期待できます。
まだウインドスプリントをやったことがないという人はぜひ今後やってみてください。
4.ウインドスプリントの効果
次に、ウインドスプリントの練習で得られる具体的な効果を解説していきます。
4-1.心肺機能が向上する
1つ目のメリットが、「心肺機能が向上する」ということです。ダッシュすることで「ハッハッ」と心肺に負荷がかかります。
人間には、遅筋と速筋という2つの筋肉があります。
ゆっくりのペースで長距離を走ると鍛えられる筋肉が「遅筋」です。遅筋を鍛えることでスタミナや持久力がついていきます。
「速筋」とは速いペースで走ることで鍛えられる筋肉のことです。こちらは1kmあたりのペースを早めたりスピードを上げるために必要となります。
4-2.インターバルトレーニング代わりのスピード練習になる
「速いペースで走るのが苦手です・・」という人に関してはきっとダッシュでスピードを出して走ることも苦手なはずです。
スピード練習が苦手な人のインターバルトレーニング代わりになります。
「1000mで何本も走るのはできないだけど、100mならスピードを維持して走れます!」という感覚になります。
スピードを上げていきたいランナーに関しても100mダッシュやウインドスプリントだけで十分なスピード強化の効果を期待できます。
4-3.フォームが綺麗になる
3つ目の効果として、フォームが綺麗になるということです。後ほど話しますがウインドスプリントでは「フォームを意識しながら走る」ことが重要になります。
フォームを正しく意識しながら走ることで、大きい筋肉を自然と使うようになり少ないエネルギーで長く早くラクに走れるようになっていきます。
5.ウインドスプリントの走り方の3つのポイント
では、ここから具体的にウインドスプリントを実践するときのやり方、ポイントについて解説していきます。
5-1.スキップしてから走る
オススメのやり方を紹介すると、「スキップしてから走る」という方法です。
陸上選手や実業団のランナーも走る前にスキップを取り入れるほど効果的な方法です
スキップがなんでいいのかというと、ウインドスプリントをやるときだけでなく、マラソンでタイムを伸ばしてためには、なるべく大きい筋肉を使っていくことが重要です。
足を小さく体を動かしているとなかなか大きい筋肉を使うことができず脚で走ることになります。
脚に疲労が溜まってしまうと走れなくなってしまい、レースでも失速の原因になりかねません。
ですから、スキップをすることで大きな筋肉を使えるようになります。筋肉を使うためのイメージづけをしながら走って流しをしていくことができます。
やり方としては、大きなスキップを4歩してから走り始めるといいでしょう。これだけで体がすごく動かしやすくなります。
5-2.徐々にスピードを上げていく
100m程度の距離を確保したら70%〜80%の速さでダッシュしていきます。
スタートから全力疾走はNG!
走るときの注意点として、いきなり「よーいドン!」という感じでスタートから全力で走るのはNGです。
いきなりスタートから全力ダッシュすると何が起きるのかというと、体が力んでしまいがちです。
体が力んでしまうと筋肉が硬直してしまい、フォームに変なクセがついて体の歪みに繋がったりケガの原因になってしまいます。
なので、まずは、「徐々にスピードを上げていくこと」を意識してください。100mを走る中で最終的に全力にしていくということです。
最初にゆっくりとジョグをしながら距離を走るにつれて徐々にスピードを上げて最終的にダッシュに近いペースで駆け抜けます。
ゆっくりとペースを上げていってもOK
「速いペースで走るのが苦手です」という場合は、ジョギング程度のペースでフォームを意識しながらゆっくりとペースを上げていくので大丈夫です。
具体的にどんなイメージで走ればいいのか、すぐに知りたい人は下記の動画の4分10秒から視聴してください。
【レベル別】ウインドスプリントのスピードと距離の調節法
ウインドスプリントをするとき、あなたの走力のレベルに合わせてスピードと距離を調整する方法を
スピード上級者【1:9】10mまでゆっくり→90mを全力疾走
スピードを維持して走るのが得意な人は、最初はゆっくりと走り始めていって最後まで全力疾走をしてみてください。
スピード中級者【3:7】30mまでゆっくり→70mを全力疾走
少し走り慣れている人に関しては、30m程度までフォームを意識しながらジョグしていき、残りの70mで最後まで全力してみてください。
スピードビギナー【3:4:3】30mゆっくり→40m加速→30m減速
「スピードを維持して走るのが苦手です」という方は最初の30mを加速して、次の40mは全力の70~80%程度加速したスピードをそのまま維持します。
加速したまま一定の速度で走り、最後の30mは減速して走るという方法でも大丈夫です。
スピードを出すのが苦手な方でも、少しずつ加速する・少しずつ減速することで体への負荷を抑えることができます。
5-3.フォームを強く意識する
3つ目のポイントは走るときにはいいフォームで走るということを意識してください。「がむしゃらに走ろう!」ではなく、しっかりとフォームを意識しながら走るようにしてください。
一番NGなのはフォームを意識せずに、いきなりグッと力を入れて走ってしまうことです。最初から力んでしまうと練習の効果がなくなってしまいます。
しっかりとリラックスした状態からフォームを意識してスーッとペースをあげて疾走していくというやり方でやってみてください。
6.ウインドスプリントの実践方法
ウインドスプリントの走り方のポイントは理解できましたか?ここからは具体的な本数やペース設定の考え方を
6-1.練習場所は100mほどの距離を確保する
まず、ウインドスプリントをやろうと思ったら、100m程度の距離を確保してください。信号がない直線の道路であったり、まっすぐな道が好ましいです。
地面として、芝生等の生えた柔らかい地面、陸上トラックなどが理想的です。
走るような場所が近くになく、道路で行う場合は、電柱を利用して①の電柱から②の電柱まで走るのように設定すると走りやすいでしょう。
6-2.ウインドスプリントの距離はどれくらい?
ウインドスプリントの距離は、基本的には100mが多いですが、100〜300mあたりの距離で走っているランナーが多いです。
あなたがスピード系のトレーニングを普段からやっていて慣れているなら少し長めの距離(150m~300m)で走っていいです。
ちょっとスピードを出すのが苦手であれば、100mの距離で大丈夫です。短い距離でフォームを意識しながら走っていきましょう。
6-3.ウインドスプリントのペースはどれくらい?
コレは感覚になりますが、あなたが全力疾走するときの7割〜8割の力でダッシュするような内容のことを差します。
ウインドスプリントは、徐々にペースを上げていって最終的に全力疾走の70%〜80%の力でダッシュするように走っていきます。
100m〜150mの距離のうち、最初の3/1の距離では少しずつ加速していきます。
6-4.ウインドスプリントの本数はどれくらい?
ウインドスプリントの本数は、あなたの体力に合わせて4本〜6本くらい繰り返して走ります。
本数の調整方法としては走った後になかなか呼吸が戻らないのであれば、ペースが速い可能性があります。
そんなときには、走る本数を減らすか、ペースを落として調整するようにしてください。
普段からスピード練習をして慣れているという人は、60分のジョグの後にウインドスプリント走の練習を取り入れるのも効果的です。
心肺機能にも負荷をかけられますし、ジョグで走ったいいフォームを意識しながら走れるので次の練習をするときにも効率よく走りやすいのです。
良い姿勢のイメージを取りながら走っていくようにしてみてください。
6-5.ウインドスプリントを始める前は、ジョグで慣らそう
ウインドスプリントは、まずはジョギング等で体をランニングで慣らしてから行いましょう。
6-6.普段の練習後のクールダウンにウインドスプリントを取り入れる
トレーニング後にクールダウンを取り入れると、ジョギング等でのクールダウンとは違った深い疲労回復の効果があります。
マラソンタイムを伸ばすウインドスプリントのやり方まとめ
今回の動画では、ウインドスプリントのやり方を解説しました。具体的なやり方としては
①徐々にスピードを上げていくこと。
②フォームを強く意識しながら走ること。
③スキップをしてから走り始める。
この3つのポイントを意識しながらウインドスプリントを実践してみてください。今回の記事を動きも交えながら解説しているので動画もチェックしてみてください!
スピードを上げたいランナーにオススメなウィンドスプリントのやり方を動画で解説