マラソン練習でモチベーションを保ち続けるには?
みっちーです。僕が市民ランナーの指導をしている中でよく聞く声があり、それがマラソン練習に対する心の持ち方の問題です。
「なかなかモチベーションが上がらなくて取り組めません。」
「今日は走る気にならない。雨も降りそうだし休みにしようかな。」
というモチベーションの問題は、マラソンランナーであれば誰しもがぶつかったことのある壁なのではないでしょうか?
もちろん僕自身も同じような体験したことはあり、頭では「練習しないと」と思っていても、なかなか身体が動き出さずに1日を終えてしまうなんてこともありました。
最終的には「あれ、なんで走っているんだっけ?」「なんでこんなにもやる気が出ないんだろう」「そもそもモチベーションとか必要なのかな?」と考えるようになった時期もあります。
今回は「どのようにしたらモチベーションを保つことが出来るのか?」についてその原因や解決策を話していきます。
モチベーションを上手く保てるようになると、あの長いフルマラソンの後半に起こる失速でも活かせるようになるので、ぜひ最後まで読み進めてみてください!
マラソン練習で自分自身を追い込んでしまう
長く走りたいのに長く走れない状態に自分自身が追い込んでしまう人がいます。
生涯走りたくてもあと5年でマラソンを生活の一部に取り入れる生活は終わってしまい、ランニングとは程遠い生活を送るようになってしまうことになります。
そのせいで、ブクブクと太って 今まで着ていた服が入らなくなり、「○○さん、最近太った?」 と言われるようになりますし、自分で自分に自信が持てなくなってきます。
これは、僕が見てきた市民ランナーの方で 本当にこのようになっていった方がいます。本人が後悔していたので出来れば避けたい姿だと思います。
一方で、生涯走り続けている自分のことが好きで自分に自信があり、周りの同世代の人よりも体力もあって若々しいランナーもいます。
今回の記事では、マラソンタイムが速くなるランナーになるには絶対に必要なことをお伝えします。
今、サブスリーを目指している人も 意識しないとサブスリー目前で急に走ることへの意欲がなくなったりとかして 足踏みをしてしまうようになります。
マラソンとモチベーションの関係性
モチベーションの話をすると「なぜ走ることをスタートしたのか?」「どういうモチベーションでみんな走っているのか?」が気になってきます。
実際のデータ(ランナー世論調査2018)を見てみましょう。
「ランニングを始めたきっかけはなんですか?」(上位5つ)
健康のため(53%)
運動不足解消のため(49%)
ダイエットのため(36%)
レース出場のため(30%)
ストレス解消のため(22%)
「ランニングを続けるモチベーション、目的」(上位5つ)
大会出場のため(62%)
健康維持のため(48%)
記録を更新したいため(44%)
走ることが楽しいため(30%)
ストレス解消のため(29%)
走ることをスタートする理由は様々でも、走り続ける理由は「大会出場」であったり「自分の記録を更新したい」という走ることに対して前向きな理由が多かったです。
人によって走り続けるための理由は様々で、その理由が自分のモチベーションに繋がり、「マラソン練習をもう少し頑張ろう!」と実際のパフォーマンスに繋がることが分かりました。
マラソンとモチベーションは切っても切り離せないような関係にあることが分かったので、マラソン練習を頑張るためにはモチベーションから維持しないといけないですね!
走るモチベーションを保つために考えるべき目的
では、何を考えたほうが良いのかというと 『走る目的』についてです。
つまりは「なぜ、自分は走っているのか?」 ということを考えてください。このとき、なぜ?の答えをすぐに達成できるものにはしないほうがいいです。
なぜなら、達成した瞬間に 走ることが終わってしまうからです。
マラソン界日本トップのエリートランナー恩師の言葉
こんな事を言うのも、今の僕のすべてを作ってくれた大学時代の恩師のコーチがいます。
今の走りも、指導の仕方も、理論もすべて、 基本となることはコーチから教わったことです。
そのコーチから教わったことですごく深かったことが「走る目的を考えたほうがいいよ」という言葉でした。
これはコーチの実際の体験談から聞いた話です。
そのコーチは、小学生の頃から大学卒業まで日本のトップを走り続けてきたスーパーエリートランナーだったので、途中で脱落していくランナーもどん底から這い上がっていくランナーも自分の目で見てきました。
自分自身もマラソンを経験して、そして十人十色のランナーを見てきたコーチが話す言葉の一つ一つは重たかったです。
当時何も知らなかった僕には「走る目的が大事だよ」と言われても、「へ〜そうなんだ」くらいにしか思っていませんでしたが、僕自身が多くの市民ランナーを指導していく中で改めてコーチの言っていたことが大事だと実感値で感じるようになってきました。
マラソンで結果を出すことを目標にしたランナーの末路とは?
大きな自己記録を出すことや箱根駅伝に出場することを「今、自分が走っている目的」にしてしまうと、達成した瞬間にモチベーションががた落ちして走れなくなってしまうということです。
「箱根駅伝」を最終ゴールにしてしまうと 箱根駅伝後、パタッとやる気も何もかもがなくなってしまって
「あれ、走るのって楽しくないな」 と感じるようになるランナーは非常に多かったです。
どれだけ一流の選手でも 走る目的が大会とか記録だった場合には達成した瞬間が終わりになってしまいます。
この症状には名前が付けられており、正式名称は「燃え尽き症候群(バーンアウト)」と呼ばれています。
目標としていたものを達成してしまったり期待していた物の真実を目にした時に、急に熱意や意欲がなくなり言葉の通り無気力、無感動、やる気が感じられなくなる症状です。
トップアスリートでも起こるモチベーションの低下
この燃え尽き症候群(バーンアウト)は初心者でもトップアスリートも起こり得る症状で、実際に北京五輪(2008)で前人未到の8冠を成し遂げた水の怪物マイケル・フェルプス選手もその一人です。
毎朝6時にはプールに向かい1日8時間以上も水の中で過ごし、過酷なトレーニングに耐え迎えた北京五輪では個人5種目とリレー3種目に参加し、全ての種目で金メダルを獲得しました。
金メダルを取り世界の頂点に君臨した彼は、世界一を取ったがゆえに目標を見失い、帰国後は抜け殻のような毎日を過ごしました。
モチベーションが低下(バーンアウト)した僕の大学時代
実は、僕は大学時代に一度、燃え尽き症候群(バーンアウト)を起こしています。
どういうことかと言うと、僕は高校時代の厳しい部活や寮からの縛りから開放され、大学生活を謳歌しあまり陸上に身が入っていない状態でした。
これは僕の高校時代からの反動で燃え尽き症候群とは違いただの怠惰でした。走っては怪我して、治ったらまた走って...みたいな走っているのか走っていないのかよく分からない状態で陸上を続けていました。
「本気でやらないと」と思ったきっかけは、実家から届いた仕送りと一緒に入っていたある1通の手紙です。
手紙の内容は「かずき頑張っとんか?あんたが箱根で走る姿を楽しみにしてるで」というおばあちゃんからの言葉でした。
僕の実家は兵庫にあり、家族は僕が東京の大学で陸上を頑張っていると思っている中、僕は真剣にトレーニングもせず「家族を裏切っているのではないか?」「本当に箱根を俺は目指しているのか?」「この姿を親が見たらどう思うんだろう」というとても恥ずかしい気持ちになりました。
このおばあちゃんからの手紙を気に、僕は陸上一色の生活に変化しました。
実際に箱根駅伝を目指すために必要なタイムを逆算したり、炭酸、お菓子、お酒も抑え食事制限などもしました。
「とりあえず距離を踏めばいい」と考えていた僕は、月間走行距離1000kmオーバーを走り、平均の走行距離(半年)は850〜900kmをキープしていました。
コーチや先輩のアドバイスも無視し過度なトレーニングを続けた結果、とてつもないストレスが溜まり、「とにかく休みたい」「遊びたい」という気持ちがいっぱいでそこでポキっと気持ちが折れてしまいました。
実際に陸上のタイムは縮んだのですがそれをピークに僕は燃え尽きてしまいます。
結果をゴールにしてしまうと、何か結果を出した後に 「その先」がなかったからということで努力するモチベーションを見失い停滞し消えていってしまうという人が多くいるのです。
マラソンも同じように、何か結果をゴールにしてしまうとそのゴールが達成された後に燃え尽きてしまって、トレーニングをしていても「なんか楽しくない」「違う気がする」「なんでやっているんだろう」と負のループに陥ってしまう場合があります。
僕の中学の陸上からこのSPIRITS RUNを通して市民ランナーをサポートするまでの軌跡を話している動画もあるので、そちらも見てみてください!
モチベーションを保つには『走る目的』を明確にする
ここから何が言えるかというと、サブスリーを目標に走る!という大きな目標がある人は良いと思いますが、
「サブスリーのために、サブスリー達成が走る目的だ!」
となってしまっては、サブスリー達成が走る意味になるため、達成した瞬間に走ることを終えてしまいます。
実際に指導してきた中で 僕も見てきたことなので 間違いではないかと思います。
その時はわからなくて 何もできなかったことが後悔でもあります。だからこそいえることが「走る目的」を考えることです。
目的と言われても、深くて、答えなんてないので見つけるのは難しいものです。
ですが、
・頑張れる自分に出会いたいから
・限界に挑戦する自分を見たいから
・走ることが好きだから
という目的で走っているランナーさんは僕から見ていても走ることが長続きしているし、自然と記録が伸びている人も多いです。
あくまで結果は後からついてくるというイメージです。
モチベーションは作ろうとするのではなくもらう
「走る目的は?」「モチベーションは?」と問われても、すぐに答えることが出来ない人がほとんどです。
そこでオススメすることは他人の目的やモチベーションで、自分に合うものを一旦もらってみるということです。
「〇〇さんみたいになってみたいな」「〇〇さんのマラソンに対する考え方好きだな」というがいつしか「俺も〇〇さんみたいになりたい」になり、「〇〇が目的で走っています」と繋がってくるようになります。
実際のマラソンレースで仲良くなったランナーさんや、テレビやSNSでマラソンに関して発信しているランナーや指導者に触れて、自分の好きな考え方をしている人の目的やモチベーションを一旦もらうようにしましょう!
そうすると自分の走る目的が見つかりやすくなります。
SPIRITS RUNでも私満武をはじめとして、柳田コーチ、赤嶺コーチなどと共にコラムやYouTube、SNSの発信やエコノミーフォーム実践会などを通して、多くのランナーさんの力になれるようサポートをし続けています。
走る目的が見つからなかったり、モチベーションが下がってしまう人はそれが見つかるまで一緒に頑張らせていただきます。
下記にSPIRITS RUNのYouTubeやSNSも貼っておくので、わからないことがあればすぐに相談してください!
SPIRITS RUNのYouTube
満武コーチ(ランニングフォーム、練習メニュー)のInstagramを見る
柳田コーチ(怪我、トレーニング)のInstagramを見る
赤嶺コーチ(マッサージ、ストレッチ)のInstagramを見る
日々のマラソン練習がモチベーションを維持に繋がる
あなたが、サブスリーを達成したいとか長く走りたい、その中で記録を伸ばしたい!というのであれば、長い間、走るモチベーションを保てないといけません。
そのためには、「なぜ、あなたは走るのですか?」という走る目的について考えてみてください。
すぐに答えが出ないようであれば目的やモチベーションは、自分が尊敬するランナーなどからもらうようにすることが大切になってきます。
目標記録だけでなく、自分が走る目的をしっかりと決めることで、長期的に頑張るモチベーションに繋がっていきますし、結果が出ない時も自分を支えてくれる存在になります。
目的を決めるのは難しいですが、ぜひ一度考えてみてマラソンのモチベーション維持に役立ててみてください!