マラソンのペース配分の核となるコツとは?
マラソンで自己ベストを更新するために重要なポイントなるのが、ペース配分です。
マラソンのペース配分で重要となるコツとはなんでしょうか?
それは、オーバーペースにならないようにする、ということです。
「後半30km以降でいつも失速してしまう」…という悩みを抱えたランナーは非常に多いですが、その原因の大部分は、前半でのオーバーペースにあります。
では、オーバーペースで走らずに、ペースを維持するためにはどうすればいいのでしょうか?
今回の記事では、オーバーペースで走ってしまう失敗パターンに触れながら、具体的にどのようにペース配分・ペース維持をしていけばいいのか?
どうすれば後半の失速を抑えてフルマラソンで結果を出すことができるのか?ペース配分・ペース維持のコツを伝授していきます。
オーバーペースで走ってしまうパターンと解決法
オーバーペースになってしまうときには明確な失敗パターンがあります。まず、オーバーペースで走ってしまうランナーの特徴・パターンを紹介していきます。
①スタートの混雑の影響で一定のペースで走れなくなる
参加者が数千、数万人規模となる大きなマラソン大会では、スタート待ち集団の後ろになればなるほど渋滞します。スタート地点はまるで通勤ラッシュの満員電車のようなすし詰め状態です。
この状態で進んでいくと、ペースが掴みづらくなるだけでなく、「早く前に行きたいのに進めない…」と精神的にイライラして心のペースが乱れることもあります。
スタートの集団を早く抜けようと無理やりペースを上げて、ランナーを抜かしていく人もいます。
しかし、それは体力も無駄に消費してしまいますし、体がぶつかったり足が引っかかったりしてトラブルの原因になるので、無理に走り抜けるのは辞めましょう。
スタート時の混雑への対処法は、バラけるまでペースを上げずに我慢することです。
余裕を持って、「スタート時はとにかく落ち着いて走ろう」という心構えで走るといいでしょう。
②スタート直後、オーバーペースになる
集団を抜けランナーがばらけ出したらようやくレース本番…と思ったらここでもペースを崩す原因が待ち構えているのです。
次に考えられるのがスタート直後でのペース配分の失敗です。
スタートの段階では体力が有り余っていますし、レース本番となると今までの練習の成果を発揮しようとテンションも上がります。
その結果、アドレナリンが出て「いつもより体が軽い!」「体も動くしいつもよりタイムが出るかも…」とつい期待してしまいます。
そのせいで「今回は行けるかも!」と思って、前半からペースアップ、結果的に早くに限界が来て肉体的にも精神的にもキツくなって、後半で失速してしまうというパターンに陥ってしまうのです。
ここでも、どんなに調子が良くても、事前に決めたレースのペースを維持して走ることを心がけてください。
あなたが何のためにフルマラソンのレースに出ているのかはわかりませんが、目的はおそらく、目標タイムで走りきること、自己ベストを更新すること、ですよね。
どんなに行けそうだ!と思っても「今自分は、何のために走っているのか?」と考え、原点回帰をして落ち着いて、決めたペースで淡々と走っていけるようにしましょう。
③周りのランナーに影響されオーバーペースになる
人間は周りの環境に左右されやすい生き物です。
マラソンにおいても同じで「落ち着いて自分のペースを維持しよう」と思っても自分の周りを走っている他のランナー達のスピードにつられて、つい自分のペースが早くなってしまうものです。
ここでも、どうしても周りのランナーにつられそうになったら「なぜ走っているのか?」という目的に立ち返りましょう。
あなたがレースで自己記録を出すために走っているのであれば、周りのランナーは関係ないはずです。
確かに、「ライバルや友人のランナーよりも早く走りたい!」というモチベーションでマラソンを頑張っている人もいるかもしれません。
しかし、マラソンは自分の限界への挑戦という側面が強いはずです。あなたも自己記録更新を目指して走っているんじゃないですか?
周りのランナーよりも早く走って勝つことよりも、自分が結果を出すことにフォーカスして落ち着きを取り戻しましょう。
周りに乱されずに、自分のペースを早く掴んで、早い段階でペースを修正しましょう。
④コースの状況によってでオーバーペースになる
オーバーペースになってしまう要因には、コースも関係してきます。
全ての大会が平坦なコースであるとは限りません。急な上り坂や下り坂もあれば、キツイアップダウンを繰り返すような過酷なコースもあります。
折り返しがあるコースの大会では、前半か後半どっちかが向かい風になり体力を奪われる・ペースが崩されるという状況もよくあります。
参加するマラソン大会のコースを事前に調べて、ペース配分を決める時の情報として役立たせるといいでしょう。
ペース感覚を養う方法
『ペース感覚をつける方法』についてお話しします。ペース感覚を磨くにはどうしたらいいのか、『周回コースを走ること』です。
もっと言ってしまえば、『できるだけ距離の少ない周回コース』で一番は陸上競技場がいいです。
1周400mなので、すぐにタイムを確認することができますし、自分が今どれくらいのペースで走っているのかを確認することができます。
ペース感覚を養っていくためには、「今自分がどんな速さで走っているのか?」を知ることが大事です。
周回コースを走ることでペース感覚が磨かれる
元々陸上競技をしていた人は、 ペース感覚が優れていて、いとも簡単に1km4分ペースを作ったり、そのペースで安定して、10kmも20kmも走り続けてしまいます。
理由は簡単で、彼らは、高校や大学の頃から陸上競技場などの周回コースでタイムを決められて走っていると「これくらいの感覚だと、1km4分だな。」ということを考えることができます。
周回コースを走ることで、1km5分ペースだったらこれくらいなのか、1km4分半だったらこれくらいなのか、ということが把握できるようになっていきます。
僕が高校の頃なんかは、陸上競技場の練習において(ポイント練習)腕時計をつけることを許されず、
400mを72秒から-1秒以内でないと監督から走っている時に鬼のように怒られていました。
72.5秒などでも鬼のように怒られていたことを今でも覚えています。かといって、71秒とか、70秒だとあまりにも速すぎてみんなの練習にならなくなる。
だから、ほぼ72秒でいくことを感覚だけで作っていかないといけませんでした。
それはペース走でも、 ビルドアップでも同じです。
4分~3分までのビルドアップでも、腕時計をつけることを許されないため、感覚でペースを上げていったりとか安定させないといけませんでした。
こういった経験があるからこそ、「この腕ふりの感覚、足の感覚、ペース感覚だと、〇分〇秒ペースだな。」
と感覚だけで判断して実際の数字にしていくことができました。
あなたがペース感覚をつけたいのであれば、できれば周回コースで何度も走って、 周回コースの1kmごと、もしくはGPSにおいて 1kmごとに
「これくらいのペースだとこの感覚なのか。」ということを覚えながら走っていくことが大事です。
何も考えずにはつけることができない力でレースでも人についていかない限りは自分でペースを作れないランナーになってしまいます。
何度も何度もやらないとつけれないし、すごくふわっとした答えかもしれませんが、これがペース感覚を作る方法です。
ぜひやってみてください。
ペース配分&オーバーペースを防ぐコツまとめ
今回の記事では、オーバーペースで走ってしまう失敗パターンに触れながら、具体的にどのようにペース配分・ペース維持をしていけばいいのか紹介しました。
普段ではうまくペースを維持できていても、レースという環境下では緊張や他のランナーや周囲の影響受けてオーバーペースになりがちです。
自分なりの失敗パターンを理解して、対策していくことでオーバーペースを防ぐことができます。
後半の失速を抑えてフルマラソンでのタイムを伸ばしていってくださいね!