雨の日に自宅でできる練習メニュー&雨天のマラソンのポイントを紹介!
休日の朝。目が覚めてシャッとカーテンを開けたら土砂降りの雨・・・。
とちょっとテンション下がりますよね。
「仕方ないから今日は休養日にして軽く筋トレするくらいにしておくか」
「待てよ、雨の日にいい練習メニューって何かないのかな?他の人って何やってんだろ?」
と疑問を感じてませんか?
今回は、マラソンでタイムを伸ばすために雨の日に室内でもできる練習メニュー、雨の日に外で練習するメリットや注意点について解説します。
フルマラソンのレースで自己記録を更新するために1日もムダなく効果的に練習していけば、少しずつでも必ずタイムが伸びていくでしょう。
雨の日の練習のメリット
雨の日の練習にもいくつかメリットが存在します。
一見嫌なように見える雨の練習も、考え方次第では良い練習に変化したりします。
雨のレースに慣れ、レース展開をスムーズに行うことが出来る
マラソンは外の競技で、これは他の外競技と同じような扱いを受け少しの小雨なら決行します。
雨の日の練習は中止しても、レース本番の雨は土砂降りじゃない限りは基本的に参加するランナーさんも多いでしょう。
この雨の日の走りに普段から慣れているか、慣れていないかではレース本番の運び方がかなり変わってきます。
雨の日のほうがタイムを更新することが出来たランナーさんも少なくはありません。
せっかく今まで練習してきたトレーニングの成果を活かすためのレース本番も、「雨が降って参加することが出来なかった」となるとすごくもったいないです。
どうしてもマラソンレース当日の天気はコントロール出来ません。
普段からも雨の日の練習に慣れておくことで、レース本番でもスムーズに走りを進めることが出来るようになります。
雨で涼しくなって走りやすい
暑い夏の日でも雨の日であれば気温が下がり、走りやすい気温になる場合があります。
熱中症になる危険性も減ります。
この時の注意点として、雨の日だから水分補給しなくても大丈夫そうという考えは捨て、水分補給は雨でも変わらずに摂取するようにしてください。
雨でも走れば汗をかき、体内の水分が失われていくのでその水分を補給しないといけません。
湿度で呼吸がラクになる
湿度が高い空気を口から肺に入れることで、肺が潤い呼吸がラクになります。
カラッとした猛暑の日の空気は湿気も少なく息も苦しくなり脱水症状を起こす可能性も高くなります。
肺が乾燥することで、肺の機能が低下しているからです。
雨の日の練習は湿気の高い空気を肺にいれることで、呼吸をラクにする働きがあります。
雨の日は負荷がかかりやすい
これはメリットでもありデメリットでもあるのですが、雨の日の練習は負荷がかかりやすいものでもあります。
雨の日に外に出れば濡れたウェアやシューズが重りになったり、身体も冷えやすくなっている状態です。
短時間の練習なら特に問題ではないのですが、マラソンレース本番のように長時間の練習やランになると、重りや体温を奪われ体力の消費が激しくなり後半で失速しやすくなります。
本番はどのような気候になるのか分かりません。当日雨が降って気温が下がった状態でマラソン本番がスタートする場合もあるので、普段の雨の練習から慣れておくのも一つの手ですね!
雨の日でも外で練習するときの注意点
サブスリーを目指すランナーや雨のレースでも結果を出すために
「雨の日でもいつも通り外で走ります」
という人もいるでしょう。
雨の日に外で走るメリットとして、レースで悪天候の場合でも対策できるようにあえて天候のコンディションが悪いときに対策して、ぶっつけ本番を避けるということもあります。
雨の日でも外で練習したいときはコレだけ気をつけてください。
足元に注意して走ること
雨の日は地面に水たまりが出来、普段とは違い足元が滑りやすくなっている状態です。
雨の日のレースは転倒するランナーさんも多く、転倒すると体力も奪われ思いもしない怪我をすることもあります。
特に、マンホールの上は特に滑りやすくなっているので通ることを避けたり、水たまりの上を走らないように注意することが大切です。
雨で身体を冷やすような練習はしない
雨の中で走る時にウインドブレイカーや雨合羽を着て練習すると思いますが、防水機能には限界もあります。
厚着で熱がこもり普段より汗をかいたり急激に体温が低下するリスクがあります。
特に冬の冷たい雨の中で長時間走るのはあまりおすすめできません。冷たい中で走ると体が冷えるので練習が終わったらすぐに温かい湯船に入るなど対策をしていきましょう。
雨の日に外で練習するとしても体調を崩さないように無理せず練習メニューを組むことが重要です。
練習後は足のケアを怠らない
春・夏・秋だと雨の日でも比較的練習がしやすかったりします。練習のしやすさとは裏腹に実は足の痛みを強く感じてしまう危険性があります。
走っているだけで足がどんどん張ってしまい、ズキッとアキレス腱や膝を痛めてしまうかもしれません。
「どうしてですか?」というと、雨の日は地面が濡れています。濡れると、濡れていない地面よりも滑ってしまいます。
滑るということはつまり、無意識で地面を蹴って走ることになります。地面を蹴って走ることになるとどうしてもふくらはぎが張ります。
つまり、ひざ下を使ってしまうのでアキレス腱や足首周りの痛みを引き起こしやすくなります。
練習後にふくらはぎを触るとわかりますが、普段は張らない人も、ふくらはぎがいつもより張ります。
だからこそ、雨の日こそ練習後には「足のケア」を必ず入念に行なうようにしてください。
ふくらはぎをアイシングしたりマッサージしてください。雨の日は体も冷えやすいので温かいお風呂に入ってストレッチも行いましょう。
張った分、しっかりケアをすれば痛みは引き起こしにくくなるので、雨の日に走ったら必ずふくらはぎのケアをしてくださいね!
雨の日のオススメ練習メニュー
「雨の日でも距離は踏んでおきたい」そんなランナーさんも多くいると思いますが、雨の日でも外で出来る練習メニューのオススメを解説していきます。
オススメの練習メニューは、「ペース走、ビルドアップ走、インターバル走」です。
これは雨の日の練習の危険性を考え、安全なものからオススメしています。
雨の日は視界も狭くなり集中したいトレーニングであればあるほど、周りに気づかないことも多くなります。
先ほども雨の日に外で練習するときの注意点で説明しましたが、雨の日の練習は負荷もかかりやすく、足元も滑りやすい状態になっています。
インターバル走の負荷のかけるポイントで、足元に思った以上の負荷がかかり怪我や故障を起こしてしまったり、足元が滑ってこけてしまう可能性も高まります。
そんな安全性を考えると、雨の日の外の練習は「ペース走、ビルドアップ走、インターバル走」の順番で行うことをオススメします。
また、ペース走では普段のペースと同じ速度で走るか、それより速く走ることをオススメします。
これは、雨の影響で体温が冷え筋肉がこわばり、怪我や故障をするリスクを抑えるためです。
雨の日の練習、マラソン本番に必要なアイテムたち
雨の日の練習やレースは、普段の状況とは違い様々な対策をしないといけません。
そんな時に活用出来るアイテムたちを紹介していきます。
レインコート、ウィンドブレーカー、ゴミ袋を切り取ったもの
「レインコート、ウィンドブレーカー、ゴミ袋を切り取ったもの」を被り、胴体が濡れ体温が奪われないようにしましょう。
レインコートは蒸れやすく背中に穴を開けたり足元まであるとランの邪魔になるので切ったりすることで調整することが出来ます。
ウインドブレーカーは機能性は高いですが、その分重たくなったりして使いづらい部分も出てきます。
ゴミ袋を切り取ったものは、軽くて自分に合ったものを作ることが出来ますが、雨量が多かった場合は耐えることが出来ないのが問題点です。
雨の状態や自分の状態によって着るものを選んでみてください!
また、この使い分けも練習とレース本番で変わってきます。
練習で着る場合は、必ず目立つ色のものを着るようにしましょう。
雨の日は、視界も悪くなりやすく他者からの発見も遅れたりして、事故を起こしてしまう可能性もあり得るので、上に羽織るものは必ず目立つものを着るようにしましょう。
マラソンレース本番では、ゼッケンが見えやすくなるように半透明のものや透明のものを選ぶようにしてください。
その羽織るものにつけてもいいですが、それだとレース途中で暑くなったりしても脱ぐことが出来ないので注意してください。
グローブ&ビニール手袋
雨の日は指先も冷えるのでグローブをするようにしましょう。
手の冷えはどうしても身体が寒いと認識しやすく、手が寒さでかじかんで補給に時間がかかるとストレスがかかります。
ビニール手袋をグローブの上に重ねるか、下につけてからグローブをすることで熱を逃がしにくくすることが出来ます。
この時、手首を輪ゴムで縛ったりすることでグローブのズレが起こることを防ぎます。
帽子(ツバ付きキャップ)
雨の日は走っていると雨が直接顔や目に入ってきて、どうしても不快感が生まれます。
僕自身も走っていて雨が目に入ってくると前が見づらくなったり、顔に雨が当たるとそれがストレスになるのでツバ付きのキャップを被って雨を防いでいました。
レース後半で天気がよくなってくる場合もあり、その時でも日差しを抑えるものとしてツバ付きのキャップを被って練習することをオススメします!
防水スプレー
防水スプレーをシューズやウェアに塗ったりすることで、水を弾きシューズやウェアが水を吸収して重くなるのを避けられ、ランに集中することが出来ます。
防水スプレーは何度もかけることでその効果を強く実感出来るので、ラン開始前などで防水スプレーを使用してみると良いです。
レース本番では、シューズやウェアだけではなく、グローブやキャップにも防水スプレーをかけてください。
貼るカイロ
雨による冷え対策としてカイロをペタペタ身体に貼ることもあります。
お腹、背中、足のつま先、アームカバーに貼るランナーが多いですが、カイロのデメリットとして走っていると剥がれてくるという点があります。
また、カイロは雨を吸収して重くなってしまうので、走っているときの邪魔にも繋がってしまいます。
とはいえレース前に身体を温めておくものとしてはかなり効果的なので、最初の10km地点までは貼って途中のエイドで捨ててもらうようにお願いするのもいいですね!
ワセリン
ドラッグストアなどに売っているワセリンは撥水性があり、塗ることによって雨を弾き体温を保ってくれる保温対策に繋がります。
雨の不快感を避けてくれると共に身体の冷えも抑えることが出来ます。
露出していて雨が当たりやすい手足の部分やお腹などをメインに塗ることをオススメします!
雨の日に家から一歩も出なくてもできる練習メニュー
テンションが下がるくらいなら「休養日にしてしまえ!」と思い切って判断するのもアリです。
雨の中、練習するのは気が引けてしまいますよね。でも大丈夫です。家から一歩も出なくてもできる練習があります。
雨に濡れずにできるトレーニングは「ストレッチ」です。
「ストレッチがタイムを伸ばすのとどう関係あるの?」
と感じるかもしれません。確かに走り込みに行きたくなる気持ちはわかります。
しかし、ストレッチも確実にタイム伸ばすのに役立ちます。
なぜかというと、体が柔らかくなれば関節の可動域を広がり、1つ1つの動きに大きさが出てきます。特に太もも(大腿四頭筋、ハムストリング)から股関節にかけてストレッチを行うことをオススメします。
走るときに、フォームを全く変えなくても体が柔らかいだけで数cmストライドが広がります。
何万歩も走るマラソンで、ストレッチをするだけで何も意識しなくてもストライドが伸びるなら絶対にやるべきですよね。
股関節周りの柔軟性を高めるストレッチを動画でも説明しているので、そちらを見ながら一緒に行ってみてください!
雨の日ストレッチのススメ
あなたは体の柔らかさは、具体的に何の柔らかさだと思いますか?
骨、筋肉、靭帯、関節など考えられますが、答えは「筋肉」です。もし、あなたが座って足を伸ばしグッーと前屈した時に感じる痛みは、筋肉の痛みです。
だから、「雨の日に走るのはいやだ!」という場合は、お風呂に入り、入浴後温まっている筋肉に長座や足を広げてのストレッチ、足の裏を柔らかくするストレッチをしてみてください。
ストレッチを行うと、柔軟性が広がるだけでなく、疲労回復にも役立つのでぜひやってみてください!
雨の日のトレーニングを終え、身体が冷えないようにお風呂に入った後にやってみてほしいストレッチも動画で説明しているので、そちらも参考にしてみてください!
雨の日は筋力トレーニングも有効
雨の日はストレッチをして身体の柔軟性を高めるだけではなく、筋力トレーニングを積み重ねてマラソンを走り切る身体作りをするのも大切になってきます。
雨の日に家で出来る筋トレを3つほどまとめてみました!
身体全体の軸を鍛える体幹(プランク)
雨の日の家の中でもパッと出来て身体を鍛えることが出来るのがこの体幹(プランク)です。
マラソン後半でもランニングフォームを長く維持できるようにするためには、体幹を鍛えるトレーニングが必要不可欠になってきます。
実際の体幹(プランク)のやり方は以下の通りです。
①左右の両肘、つま先を床につけて、腕立て伏せの姿勢になる
②肩からかかとまで一直線になっている姿勢をキープ(お尻が上がらないように)
③お尻をキュッと閉めて、腹筋に力を入れるイメージ
プランクは30秒を3セット行うようにしましょう!
家でやるときは肘の下にタオルなどを引いて、肘が痛くならないようにするのも大切になってきます。
下記の動画や記事でもプランクのやり方を説明しているので、ぜひ取り組んでみてください!
お尻、ハムストリングを鍛えるスクワット
外を走らなくてもお尻や太ももを鍛えることが出来るのがこのスクワットです。
お尻(大臀筋、中臀筋)、太もも(大腿四頭筋、ハムストリング)といった大きな筋肉から体幹までも鍛えることが出来ます。
スクワットのやり方は以下の通りです。
①足を肩幅に開く
②膝と足の爪先の方向が同じ方向を向くようにする
③太ももが床と並行になるようにゆっくり下ろす
スクワットのコツは、お尻を突き出し腰を下ろすイメージです。この時に上半身の胸も張るように心がけましょう!
より質の高いスクワットを行うことが出来ます。
スクワットは、15~20回を3セットを目安に行うようにしましょう!
下記の記事や動画でもスクワットのやり方をかなり詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください!
ふくらはぎを鍛えるカーフレイズ
ふくらはぎの筋肉を鍛えることで血流を促し、 健康や基礎体力を上げるためのトレーニングです。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、下半身に詰まった血液を心臓に戻すような大きな仕事を抱えた大きな筋肉です。
そんなふくらはぎを鍛えるにはカーフレイズが効果的です。
①足を肩幅に開く
②かかとを出来るだけあげ、つま先立ちになる
(この時、壁などに掴まりながらやりましょう。)
③ゆっくりかかとを下ろす
④トレーニング中はかかとは地面につけない
カーフレイズは30~50回を3セット行うようにしましょう!
家の壁を使って簡単に出来る筋トレになるので、ぜひ取り組んでみてください!
筋力トレーニングを行う際のポイント
というランナーも多いですよね。
体幹トレーニングやトレッドミル、エアロバイクなども、室内でできて雨に濡れずにできる練習メニューです。
ここで1つポイントがあります。
筋トレやジムでのトレーニングで走力を鍛えるときに意識して欲しいのが「自分の体重でゆっくり行う」ということです。
マラソンは他の競技と異なり、筋肉は必要ですが体重はいらない競技です。
つまり、適度な筋肉がつけるだけで抑えて、ボディビルダーのようにムキムキの筋肉になってはいけないということです。
マラソンにおいての適正負荷は「自分の体重」です。自分の体重といっても60kgの人が60kmのウエイトを担ぐというより
何も持たずに、自分の体重だけで筋力トレーニングをすべきということです。つまり自重トレーニングですね。
マラソンは自分の体を早く長く前に進める競技です。自分の体を動かせるだけの筋肉があれば十分です。
もう一つ、大切なことが「ゆっくりトレーニングを行う」ということです。ゆっくりトレーニングすることで筋トレの効果的を高めるフォームが維持できます。
例えば、腹筋をするなら、急いで行うと、上体を持ち上げる時に手の勢いや反動を使ってしまいます。
これではいくら回数をこなしても腹筋は付いてきません。
なので、3秒〜5秒かけて上体をゆっくり起こして、3秒〜5秒かけて下ろすことで反動に頼らずに鍛えたい筋肉の部位だけ鍛えることができます。
まとめますと、あなたがこれから雨の日や休養日に筋肉トレーニングを行う場合は、「何も持たずにゆっくりと行う」ということを心がけてください。
雨の日でも効率よくタイムを伸ばすことは可能です!
今回は、マラソンでタイムを伸ばすために雨の日に室内でもできる練習メニュー、雨の日に外で練習するメリットや注意点について解説しました。
雨の日に室内でもできる練習メニューとしては、ストレッチ、筋トレなどが挙げられます。雨の日こそ走る練習以外のアプローチでタイムを伸ばしていくことに繋げていけるでしょう。
雨の日に練習するというのもいいですが、必ず体を冷やしすぎないようにすること、練習後の疲労回復ケアやストレッチなどを入念に行うようにしましょう。
雨の日もうまくマラソンタイム伸ばす練習を行なって、自己ベスト更新に役立ててみてくださいね!