体幹トレーニングはマラソンタイムの更新に繋がる?
自分のマラソンタイム更新を狙う中で「体幹トレーニングってマラソンに必要なの?」と疑問に思うランナーも多いのではないでしょうか?
実は体幹(頭、腕、足を除く胴体部分)って、マラソンにおいて手足の動きの起点になっており、体幹が弱いと走るという動作が出来なくなっているのです。
特にマラソンランナーや駅伝選手、陸上長距離選手が体幹を鍛える目的は、「効率の良いランニングフォームを長く維持できるようにするため」です。
もちろん、マラソンだけでなく、全てのスポーツにおいて体幹は、「走る」「跳ぶ」「投げる」といったあらゆる動作の起点となるため重要なポイントになってきます。
各スポーツ業界のトップアスリートも体幹トレーニングは大事にしていますしね!
体幹トレーニングは、大胸筋や上腕二頭筋などといった目立つ部分の筋肉を肥大化させる筋トレとは違い、マラソンランナーに必要な筋肉を鍛えることが出来ます。
特にマラソンランナーが体幹を鍛えると『走るフォームが安定』します。
フルマラソンのレースでは、レース終盤まで自分のフォームをどれだけ長く維持できるのか?いかに効率の良いフォームを維持できるのか?が自己ベスト更新の鍵になっていきます。
フォームが途中で乱れてしまうと、体がブレてしまい、無駄なエネルギーを使ってしまいます。さらに怪我のリスクも高まってしまいます。
それらのリスクを防ぐためにも、ランナーは体幹を鍛えて正しいフォームを長く維持できるようにしましょう!
体幹トレーニングで得られる3つの効果
ランナーが体幹を鍛えることで得られるメリットは3つあります。「怪我の予防」とパフォーマンスの向上です。
体幹トレーニングの効果①ケガを予防できる
体幹を鍛えることでマラソン中の怪我のリスクを抑えることができます。
体幹が弱いとお尻が下がったフォームで走ってしまいがちです。お尻が下がってしまうと、重心の位置が前になってしまいます。
「お尻下がっているよ!」と他のランナーに言われた人もいるのではないでしょうか?
体の中心部よりも前で着地してしまうと、着時の衝撃を前足の股関節、太もも、膝回り、ふくらはぎで吸収するため、足への負担が大きくなってケガをするリスクが高まってしまうのです。
「走っていると膝が痛くなります」「股関節を痛めてしまいます」「ふくらはぎがよくつります」という場合があると思います。
それは体幹の弱さから足への負担が大きい走り方になっている可能性が原因として考えられるかもしれません。
逆に、体幹が強くなって体幹で衝撃を吸収できるようになれば、走行中の足への負担が大きく減って、足を痛めてしまうリスクを軽減することができます。
体幹トレーニングの効果②腰高の理想的なフォームで安定して走れる
体幹が強いと腰高のフォームで安定して走ることができます。
良いフォームを身につけると、体の中心部・重心の真下で自然と着地できるようになります。
下半身ではなく、大きい筋肉の体幹で着地できるようになると、着地時の衝撃を吸収することができます。
体で衝撃を吸収できるようになれば、走行中の足への負担が大きく減って、足を痛めてしまうリスクを軽減することができます。
ポンポン弾むような軽やかな走りができるようになってスイスイ楽に走れるようになり、マラソンタイムの向上も期待できます。
マラソン後半でも疲れない走りをすることが出来るようになるので、大幅にタイム更新を狙えるようになりますよ!
体幹トレーニングの効果③マラソンのパフォーマンス向上
体幹を鍛えることは、マラソンのパフォーマンスアップにも繋がってきます。
なぜなら、体幹を使って走ることで無駄なエネルギーの消耗を防ぐことができるからです。
体幹が弱いと、太もも、膝周り、ふくらはぎなどの足ばかりを使った足主導の走り方になってしまいます。
そのせいで、足がどんどん疲弊して、足もどんどん動かなくなってレース後半での失速に繋がってしまうのです。
体幹に比べて下半身の筋肉は使われやすいので、足をメインで走っていると長くペースを維持できなくなってしまいます。
一方、体幹は手足の筋肉に比べて、大きく疲れにくいのが特徴です。なぜなら、体幹は手足を動かす起点になるからです。
起点となる体幹部分を鍛えて、体幹をメインにした走り方ができれば、無駄に手足に力を入れて一生懸命走る必要は無くなります。
無駄な力も抜けるので、少ないエネルギーでスイスイ楽に走ることができます。
そのため、体幹を鍛えることは、フルマラソンにおいてもタイムを伸ばすことに非常に効果的になっていきます。
マラソンランナーおすすめ!体幹トレーニングメニュー8選
ここからはマラソンランナーがやるべき、体幹トレーニングのメニューをご紹介します。それぞれのやり方と具体的にどの部位を鍛えることができるのか?を説明しています。
体幹トレーニング①プランク
1-1.左右の両腕と両足のつま先を地面につける
1-2.腕立て伏せの姿勢を取る
1-3.かかとから肩まで一直線の姿勢をキープする
1-4.この姿勢で30秒を3セット
まず紹介するのが、体幹を鍛える筋トレの定番である「プランク」です。プランクは、腹横筋と腹直筋を中心に体幹を鍛えることができます。
腹横筋は腹筋群の中で一番深い内側に存在し、姿勢の安定に欠かせない筋肉です。
このプランクを行なうことで通常の腹筋では鍛えづらい「腹横筋」を効果的に鍛えることができます。
ランナーは腰高フォームを作って走ることが理想です。腰高フォームを作ることで、スムーズが足運びができるのでスイスイと前に進んでいきます。
腰高フォームを維持して走るためには、胴体・体幹の安定感が重要になっていきます。
プランクで腹横筋を鍛えることで、体幹の安定感が増していくので、腰高フォームを長く維持していくことができます。
こちらの動画でもプランクのやり方を解説しているので、動画を見ながら一緒に体幹トレーニングをしてみてください!
体幹トレーニング②サイドプランク
サイドプランクのやり方
8-1.横向きになる
8-2.横向きになったら膝を立てる
8-3.一直線になるような姿勢を10秒キープする
8-4.これを3セット行う
サイドプランクは腹横筋と腹斜筋を鍛えることができる体幹トレーニングです。
腹斜筋は腹部の横にある筋肉で、腹横筋同様に姿勢の維持の働きをする筋肉です。
ランナーは体幹の安定感を高めるために、腹直筋・腹横筋・腹斜筋と腹部の筋肉をバランスよく鍛えていくことが重要になっていきます。
サイドプランクについてはこちらの動画でも解説しているので、参考にしてみてください!
体幹トレーニング③クランチ(腹筋)
8-1.仰向けになる
8-2.仰向けになったら膝を立てる
8-3.息を吐きながら、背中を丸めるようにおへそを見つめ上体を起こす
8-4.息を吸いながらゆっくり戻る
8-5.これを3セット行う
クランチは腹筋を鍛えることができる体幹トレーニングです。
腹斜筋は腹部の横にある筋肉で、腹横筋同様に姿勢の維持の働きをする筋肉です。
おへそを見るようにして起こすと、体の中心部(体幹)に力が入りやすくなるので、筋トレの効果が上がります。
クランチ(腹筋)が難しいという人は体を起こさないトレーニングもあるので、そちらに挑戦してみてください!
体幹トレーニング④背筋
参照 http://takadaseikeigekanaika.com/1945.html
8-1.うつぶせになる
8-2.うつぶせになったら両手両足を床から上げる
8-3.手と足は真っすぐ伸ばす
8-4.これを10秒キープする
背筋を鍛えると体幹部を安定になることによって着地の衝撃を走りの力に変えることができます。
腕もしくは脚だけが極端に上がらないように両方を同じ高さに上げるようにしましょう。
体幹トレーニング⑤スクワット
8-1.肩幅に立つ
8-2.お尻を突き出すように股関節から曲げる
8-3.膝がつま先よりも前に出ないように注意する
8-4.これを10回3セット行う
スクワットは、全身運動のため体幹部位を鍛える効果もあります。
お腹に力を入れながら行い、膝を曲げるときには膝がつま先よりも前に出ないように注意しましょう。
続けていると楽にしようと早くやりがちですので、ゆっくりと行なってください。
スクワットはこちらの記事や動画でも解説しているので、合わせて見てみてください!
体幹トレーニング⑥ダイアゴナル
8-1.四つん這いになる
8-2.左手右足は床からはなす
8-3.床からはなしたら真っすぐ伸ばす
8-4.これを交互に行い30秒の3セット行う
ダイアゴナルは体幹全体を鍛えるとともにバランスを鍛えることが出来るトレーニングです。
ランニングは左右異なる手と足を交互に動かす運動です。
体幹が弱いと手を動かしたり、足を動かす時に体がふらついてしまうことがあります。特に疲れてくるとその傾向がはっきりと出てきます。
ダイアゴナルは対角線上の四肢を動かす際の安定性を高める、バランス感覚を養うトレーニングになっているので、ランナーであれば取り入れたい体幹トレーニングの1つです。
体幹トレーニング⑦バックレッグレイズ
参照 https://vokka.jp/13986
7-1.うつ伏せの姿勢を取る
7-2.両足を真っ直ぐ上にあげる
7-3.上げた状態で姿勢を10秒キープする
7-4.これをセット行う
バックレッグレイズは脊柱起立筋と大臀筋を鍛えることができるトレーニングメニューです。
脊柱起立筋は背中の内側にある筋肉で、マラソンでタイムを伸ばすために安定したフォーム・姿勢を維持する上で欠かせません。
大臀筋は着地時に地面からの衝撃を吸収する役割があります。大臀筋を鍛えることで足への負担を減らすことができます。
体幹トレーニング⑧ヒップリフト
8-1.仰向けになる
8-2.仰向けになったら膝を立てる
8-3.膝を立てたらお尻を上げる
8-4.これを30秒3セット行う
ヒップリフトは、大殿筋とハムストリングなど体の後ろ側の筋肉を鍛えることが出来る体幹トレーニングメニューです。
大殿筋とハムストリングは、走行中の着地の衝撃を吸収し、地面を押し出す際に効果を発揮する筋肉で、推進力を生み出すために欠かせないものです。
ヒップリフトは他にも腹筋、背筋といった体幹も効果的に鍛えることが出来ます。
トレーニング後はストレッチを必ず行なう
忘れてはいけないのが、体幹トレーニング後のストレッチです。体幹トレーニングは筋力トレーニングなので、終わった後は筋肉痛が出ると思います。
筋肉痛を引きずったままだと、せっかく鍛えたとしても疲労がたまったりケガの危険性が出てしまいます。
体幹トレーニングが終わったら、筋肉を伸ばしてあげるのと同時に、ゆっくりと呼吸をしましょう。
ストレッチを行なうだけで精神的にも安定しますし、回復のスピードが上がってコンディションを整える効果もあります。
体幹トレーニング後のストレッチは忘れずに行なうようにしましょう。
ストレッチはこちらの動画も参考にして取り組んでみてください!
どれくらいの頻度で体幹トレーニングをやるべき?
「どれくらいの頻度で体幹トレーニングをやればいいんですか?」「マラソンと体幹トレーニングはどれくらいの割合がいいでしょうか?」という声が聞こえてきそうなので説明しておきます。
スクワットは筋力トレーニングです。筋肉を大きくするためには「回復期間」が必要になります。なので、3日〜4日に1回くらいでペースを行なうといいでしょう。
もし、マラソンの練習とは別に、筋トレだけをやるべきなら1回あたり15〜20回の練習を3セット程度やると効果を期待できるでしょう。
今回8つのトレーニングメニューを紹介しました。色々と試して楽しみながら実践してみてください。
天気が悪くて、なかなか外でのマラソンの練習の時間が取れないときなどは、家で体幹を鍛えるトレーニングをしてみると効率よくタイムを伸ばしていくことができます。
体幹を鍛えてもっとラクにスイスイ走る!
体幹を鍛えることでケガのリスクを抑えるとともに、効率の良いフォームを身につけることができます。
体幹が鍛えられると骨盤が前傾した腰高の理想的なフォームへとレベルアップすることができるのでタイムの向上にも繋がっていくでしょう。
走行中に体のふらつきやブレを感じる、膝・股関節・スネ周りなど下半身の痛みを感じるあなたは、
ラクに走れる安定したフォームを身につけるために、特に体幹を鍛えてみてくださいね!
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