フルマラソン後半で足が動かない…レース後半の失速を抑える練習法まとめ
「マラソン後半、特に30km以降で足が動かなくなって失速してしまった」フルマラソンに挑戦するランナーであれば誰もが経験したことがあるこの辛さ。
マラソンを走るのであれば「42kmを走る練習を何度もしないといけないのでは?」 と思ったことはありませんか?
「やっぱり、マラソンで走る距離と同じ距離を走れないと、絶対に走り切ることもタイムを縮めることも無理なんじゃないですか?」
と思ってしまいますよね。
「みっちーさんもやっぱり、40km走を何度もされるんですか?」
とメッセージやメールをいただいたことが何度もあります。しかし、僕はあまり40kmという距離を練習で走ることはしません。
マラソン後半に起こる失速防止のためにする40km走は危険+非効率
なぜかというと、怪我のリスク、足が動かなくなるが大きすぎるからです。
それから数日間は40km走の影響で足が動かなくなってしまうからです。
目先の練習で満足するなら僕は40km、50kmと走りこみます。
しかし、常に先を見据えた練習をするのであれば、ケガのリスクを回避して後に引きづるような練習はすべきではありません。
長いスパンでタイムを伸ばすために練習を積むことのできる練習をしていくべきです。
「でも、それだったら、練習量が足りなくなったり、マラソンで通用しないんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが実は、そんなことはありません。
うまく練習することができれば40km以上走らなくてもマラソンの後半にも強くなれ、粘り強い走りをすることも可能にできます。
今回は、本当は公開したくなかった僕のとっておきの練習法をお教えしますね。
マラソン後半(30km以降)で失速してしまう原因について知る
そもそもマラソン後半で失速してしまう原因はなんでしょうか?
「疲労や怪我が残っている、栄養補給が足りなくてガス欠が起きている、前半に飛ばしすぎている、メンタルが折れている、様々な原因が考えられますが1番の原因は「30km近くのランに慣れていない」ことが原因として考えられます。
実際に「30km以降の壁」に悩まされたランナーに話を聞くと、「トレーニングでは10~20kmのランしかしていなかった」と口にする人が多かったです。
どれだけ週に練習を積み重ねていたとしても、本番同様のトレーニングをしていないランナーは、マラソン後半に失速する傾向が見られました。
スポーツ心理学から見る「30kmの壁」の正体について書いた記事もあるので、そちらも参考にしてみてください!
フルマラソン後半の失速に強くなる練習メニュー(30km以上走らなくてもいい)
僕は一回でガンガン走る距離はだいたい30kmです。
ウォーミングアップやクーリングダウンを含める30km以上走っていることになりますが、一つの練習として考えると30kmを超える練習はしません。
この練習法を否定していただいても構いません。
ですが、僕は少しでも怪我のリスクを少なくしてマラソンタイムを縮めたいと考えている方のためにこの記事を書いていきますね。
怪我のリスクを抑えながらもマラソン後半に強いランナーになれ、スタミナをつけていくことができます。
ガンガン練習をして怪我をしてしまうのではなく、継続して練習できるので、ライバルから遅れをとることもなくなり、
会社のランニング仲間や、ランニングクラブの仲間、それから友人や負けたくないと思っている人に、どんどん差をつけていくことができます。
なぜそのマラソン練習で自己記録更新できちゃうの?
周りのランナーから尊敬されたり、気持ちがいいために、走ることが楽しくなりもっともっと記録が伸びるようになります。
たくさんのメリットがあるんです。
何より、走り込むことでの怪我のリスクが少なく、マラソンで30kmを超えてからの辛さに強くなることができます。
むちゃくちゃに走りこまなくてもレース後半に強くなるなんて、最高ですよね。
でも、この練習方法を実践しなかったり知らずに練習をしてしまうと、「走り込むことこそが、マラソンのタイムを縮める方法だ!」と勘違いを起こしてしまいます。
練習でガンガンに走り込んで、休みの日には40km近くのロング走を行い、足はボロボロ。
レース当日には、「これだけ練習したんだから絶対に走れる!」と思っているのに足は疲労困憊でまったく記録が出ずに、自信をなくしてしまう。
ついには怪我をしてしまって、ランニング仲間からは離されてしまって、おいしいはずのごはんがまずくなり、楽しいはずの家族との時間でさえもつまらなく感じてしまいます。
こういう風になりたくないですよね。
しかし、「走り込むことが最高の方法だ!」と思って、このような状態になっている人を僕はこれまで何人も見てきました。
この記事を読んでくれているあなたには絶対にそうなってほしくないという思いで、今キーボードをカタカタと叩いています。
マラソン後半の失速を抑える練習法とは?
このマラソンの後半に強くなる練習法ですが、何か気になりますよね。それはセット練習です。セット練習といきなり言われてもわからないですよね。
セット練習とは、「練習を続けて行う練習」になります。
ここでいう練習とは、「ポイント練習」というペース走、ビルドアップ走、インターバルトレーニングなどのことで、ジョギングを2日続けることではありません。
つまり負荷のかかるトレーニングを2日連続で行うことになります。
なので、もちろん足への負担も大きく少し辛いトレーニングに、なってしまいます。
なぜ、マラソン後半の失速対策としてセット練習が良いのか?
セット練習がなぜレース後半の失速に効果的な練習メニューと言えるのか?その方法を図解します。
なぜ、セット練習でフルマラソンのレース後半の失速を防ぐことができるのか?
簡単に言うとこのようなメカニズムで効果があるからです。
このセット練習を行っていけば、自然とマラソンを走り切るスタミナつき、簡単にあなたの自己記録を更新できるようになります。
どうやってセット練習は組めばいいんですか?セット練習の組み方
「どうやってセット練習を組み立てればいいんですか?」
そんな声が聞こえてきそうですね。セット練習を組み立て方は本当に簡単です。2日連続して、比較的負荷の高い練習を組み込むといいです。
パターン①スピード練習→距離走のセット練習
パターン①
1日目 スピード練習(100mダッシュ×5本)
2日目 距離走(20~30km)
1日目 1000m×5本
2日目 120分LDS
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例えば、このような練習です。これを土曜と日曜として考えましょう。
土曜にスピード練習をして力を出し切るような練習をします。そのうえで日曜にさらに120分のLSDをします。
こうすると、土曜で力をある程度出しているので日曜日は、朝から疲労によって体がきつかったり走ると足が重くなっていると思います。
しかし、この状態はマラソンの後半のような体なのでこの状態で走るとマラソン後半に強くなり、スタミナや粘り強さもつきます。
普段行う120分LSDよりも足が動きにくかったり辛く感じてしまうかもしれません。でも、この状態で走るとマラソンでタイムを出すことのできる練習になるのです。
練習方法についてまとめた記事もあるので、そちらも参考にしながら自分に合ったトレーニングを考えましょう!
パターン②距離走→スピード練習のセット練習
パターン②
1日目 120分LSD
2日目 10km(レースペース)
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2つ目の練習方法は、1つ目とは逆のパターンで、距離走を行なってからスピード練習をします。
土曜日に120分走って重い足を作りましょう。日曜に重い足でレースペース(スピード練習)をすることでかなりマラソン後半と同じような練習をすることができます。
普段10kmのレースペース走をしていたとしても、このセット練習の2日目に行うレースペース走とは練習効果が全く違ってきます。
ガンガンに辛い練習をしなくても、普段している練習を2日連続で行うことでより体に負荷をかけれながらマラソン後半と同じ状態を作り出し効果の高い練習をすることができるんです。
パターン③初心者向けセット練習メニュー
パターン③
1日目 90分ジョグ(または60分ジョグ)
2日目 60分ジョグ
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1つ目と2つ目のセット練習のメニューは比較的力のある人のために書きましたが、初心者であれば、このように2日連続で練習をするだけでもかなり効果はあります。
無理してスピード練習をしなくてもジョギングのペースを落としてでも2日走るようにすると効果は上がります。
インターバルトレーニングができない環境であれば、30分間スピードを上げて走る練習を
1日目にして、2日目にロングジョグをするようにしてもいいです。
いろいろアレンジしておこなっていけるといいですね。
しかし、セット練習を行う際には注意があります。
インターバルトレーニングのペース調整方法についてはこちらの動画でも解説しているので、そちらも参考にしてみてください!
セット練習は毎回すべき?
「効果があることはわかりましたし、やり方もわかりました。じゃあ、毎回セット練習すればいいですか?」
と思われるかもしれませんが、セット練習は負荷が高く疲労も溜まります。
セット練習をする頻度は、週に1度にしてください。
なので、土日にセット練習を行うとしたら、月曜から金曜の間にはセット練習は絶対に行わないでください。
あなたには怪我をしてほしくないので、この約束は守ってください。
それから、セット練習をした後は必ず練習の質を落として疲労回復するようにしてください。
始めは2週間に1度取り入れる、3週間に1度にする。といった感じでいいと思います。無理して怪我をしてしまったり疲労困憊で練習ができなくなってもいけませんからね。
それと、無理して取り入れるのではなくある程度走れている状態で取り入れてくださいね。
マラソン練習の組み込み方や、それぞれのトレーニングのやり方まで解説した記事もあるので、そちらも参考にしてみてください!
マラソン練習を重ねる上で必ず気をつけてほしいポイント
マラソン後半の失速を避けるためのトレーニングを積み重ねる時や、先ほど伝えたセット練習をする際に気をつけてほしいポイントがあります。
練習では本番同様の負荷をかけることが多い分、その反動で身体にも大きなダメージが起こります。
トレーニングを積み重ねるだけではなく、準備やケアの方法もしっかり頭の中に入れておきましょう!
練習でも水分補給を怠らないこと
マラソン本番では当たり前ですが、練習でも水分補給は忘れないようにしましょう!
「練習だから大丈夫」「やばくなったらすぐ止めたらいい」そんな安易な考えが身体に大きなダメージを起こす場合があります。
必ずトレーニングでも水分は持ち歩くようにして、喉が乾いたらすぐに水分補給できる状態にしておくことが大切になってきます。
マラソン練習後のケアは必ず行うこと
過度なマラソン練習を終えた後は必ず身体のケアを行うようにしましょう。
しっかりクールダウンし徐々に身体を落ち着かせた後、ストレッチを行ったり、痛みを抱えたり炎症を起こしている部分はアイシングをするようにします。
本番同様の負荷のかかる練習をこなせることが出来ても、身体が疲れて本番で力を出せなかったり、疲労が積み重なって怪我や故障を起こしても意味がありませんよね?
ケアの時間も考慮して、マラソントレーニングの時間を確保することが大切になってきます。
疲労が残らないようにするストレッチやケア方法について詳しく書いた記事もあるので、そちらも参考にしながら取り組んでみてください!
マラソン練習後は体内(内臓)も疲労している
フルマラソンを走り終わった後に食欲が無くなったり、とにかく身体がダルイといった現象が起きるのは、内臓も疲れて機能が低下しているからです。
「内臓疲労(ダメージ)」と表されることも多く、これはマラソン本番に限ったことではなく、過度なトレーニングを積み重ねても起きます。
これを避けるためには普段の食事はもちろん、過度な練習を終えた後の食事が大切になってきます。
無理して食べることはないですが、適切な食事を摂取することで身体の内側から回復し、疲れを残さずマラソンレース本番に臨むことが出来ます。
内臓疲労(ダメージ)を避けるための食事方法について書いた記事もあるので、そちらも参考にしてみてください!
マラソン後半の失速を抑えるならセット練習!
今すぐ「40km、50kmと走らないとマラソンのタイムを上げる力はつかないんだ」という考えを捨ててください。
確かに40km以上走れば力はつきます。ですが、そこには怪我のリスクやその後の練習に支障をきたしてしまいます。
40km以上走らなくてもマラソン後半に強くなるのに効果的な「セット練習」を取り入れてくださいね。
セット練習でマラソン後半のような状態で走ることができ、レース後半の対策をすることができます。
ただし、セット練習は非常に体に負担がかかるメニューなので、頻度は週1回に抑えることと、練習後は入念にストレッチや疲労回復のケアを行うことを約束してください。
その上であなたの練習メニューに組み込んでレース後半の失速を防ぐ自己ベスト更新に繋げていきましょう。
あなたがもっとマラソンでタイムを出せるように僕にできることがあれば言ってくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!