月間200km以上走ってもタイムが伸びない…マラソンの記録更新を阻む魔物とは?
みっちーです。最近、こんな質問を受けました。
月間200km以上走っているんですが、フルマラソンでなかなか自己ベスト更新が達成できません。
先月も月間300km以上走っていますし…。どうすればタイムを伸ばすことができるんでしょうか…?
練習会やメールでマラソンの相談を受けるのですが、相談で一番多いのは「練習メニューの相談」です。
様々な質問を受けるのですが、練習メニュー以上に強く感じるポイントがあります。
走行距離を増やしても記録更新できない理由
このポイントを押さえておかないとどれだけインターバルトレーニングを行なっても、20km、30km走を行なってもトレーニング効果は発揮できなくなってしまいます。
むしろ、練習して走ったら走った分だけタイムに繋がらなくなってしまいます。
「なんで先月より走行距離を100kmを増やしたのに、レースで自己記録が出ないんだ…」と自分に対してイライラしますし、何より頑張って練習しているのに結果が出ない”無駄な努力”になってしまうのは悲しいですよね。
この記事を読んでいるランナーのあなたも、無駄な努力をしたいランナーはいないとお思います。
なので、今回のお伝えする記事の内容をしっかりとあなたに練習に落とし込んでいってください。
そうすることで、練習した分だけあなたのマラソンのタイムはどんどん向上しますし、次のレースで30km以降も失速しない走りを手に入れることもできます。
月間走行距離は重要ではない?!
本当に重要な考え方なのですが、そもそも「月間走行距離は重要なことではない」ということです。
もっと詳しくいうと、「距離を走ろうと思うのではなく、必要な練習をした結果、距離を走っていたな」
この感覚を持つことがタイムを伸ばしていく上でとても重要なことです。どういうことかというと、
サブスリーを切るようなトップランナーは月間300km以上走ってるし…
このような話、よく雑誌や本などで聞きませんか?
とにかく走らないといけない、疲労があっても走り続ける、このような間違った考え方をしてしまうと本当に底なし沼にドップリハマって抜け出せなくなってしまいます。
確かに、サブスリーを切ったり実業団やプロなど記録が早いランナーほど月間走行距離は長く、多くの練習を積んでいます。
しかし、この部分だけ見てしまい無駄に多く走ろうと思ってしまう市民ランナーが非常に多いです。
と少し怒り気味に思うかもしれませんね。
あなたに必要な練習はなんですか?
月間走行距離を200km以上走るよりも重要なことが、「あなたに必要な練習はなんですか?」と自分に問いかけ突き詰めていくことが一番大事になってきます。
その部分について一度考えてみてください。今回は過去に指導したAさん・Bさんのそれぞれの特徴を例を上げてみます。
LDSで1日50km、60kmの走行距離を走ってもタイムが伸びなかったAさん
Aさん
とにかく走ることが好きです。LSDなら誰にも負けないくらい走ってますし距離もかなり走ってます!でも、いつもサブフォーが切れないんです。走り込んでいるのにどうしてでしょうか・・・?
AさんはLDSや走行距離は走っているもののなかなかタイムが伸びていません。Aさんに足りないものは「スピード」ですよね。
サブフォーを達成するために1kmあたり5分40秒で押し切れるだけのスピードです。
ゆっくりなら50kmも60kmも走れるのに、ペースが上がった途端に弱くなる、それではタイムは伸びていきません。
後ほど詳しく聞いていったところ、走ることばかりに気を取られていて、距離を走る=結果だと勘違いしていたようでした。
このように距離にばかり目が行きがちなランナーは、たとえ短い距離であってもペースを上げたペース走をしていくと簡単に記録は向上していくのです。
走っても走っても記録が伸びず迷走したBさん
Bさん
週1回30km走もするし、距離への不安もありません。とにかく走りまくっています。でも、思うように記録が伸びずなぜ走っているのかわからなくなってきてしまいました…。
Bさんは、月間走行距離400km以上を走り続けていました。でも思うように結果が出なかったのは「長く走ることが全て」になっていたからです。
この考えも100%間違いではないのですが、やはりAさんと同様ゆっくり走ることが多く、体は絞れていましたが、タイムはなかなか伸びませんでした。
10kmのペース走やレースペースを意識した15km走の練習を取り入れていったところ、Bさんは軽々とサブスリーを達成しました。
走れば力がつく・走行距離が多ければタイムが伸びるという幻想
上記に上げたAさんとBさんは過去に僕が実際に指導した人たちです。2人に共通することは
「とにかく走れば力がつく」「月間走行距離が多ければタイムが伸びる」と本気で思っていたことでした。
そうではなく、
・今の自分に最も必要な練習はなんなのか?
・サブフォーのペースで走るにはどうしたらいいのか?
・具体的にどんな意識をして練習をすべきか?
これを追求していくことで、たとえ、走行距離が少なかろうが結果がついてタイムは伸びていきます。
つまり、月間走行距離は大事ではなく、必要な練習をすることが重要なんです。
この考え方を今すぐに頭に叩き込んでおいてください。
その結果として、必要な練習を重ね、スタミナやスピードがついて自然と走れる量が増え、月間走行距離も勝手に伸びた、というのが1番の理想です。
この考え方を持っていれば、マラソンの記録を向上し、長年切れなかった自己ベストもあっさり更新でき驚いてしまうことでしょう。
全力で追い込まない80%の練習>月間走行距離200km
「必要な練習をすべき」というのは少し伝わったのではないかなと思います。
では、練習をする際に走行距離よりも、どんなことを意識して走ればいいのでしょうか?それは
「全力で追い込まず、全力の8割ほどしか追い込まないようにする」ことだけ意識してみてください。
ポイントは、「全力で追い込まない」ということです。
全力で追い込んではいけないワケ
皇居や代々木公園などで市民ランナーの方の練習を見ていても、全力で追い込んでいるであろうランナーをよく見かけます。
フォームがブレになって、どうにか気持ちで体を前に進めています。その気持ちは素晴らしいと思います。
ですが、全力で追い込むことはせず、1000mのインターバルトレーニングであれば、
というくらいのキツさに押さえて練習を終えるようにしてください。
つまり、80%ほどの負荷で、あなたの普段の練習をこなしてほしいのです。
なぜ、80%の追い込み練習をすべきか?
なぜかというと、僕が一番大事だと考えていることは、「練習を継続させること」だと思っています。
80%の負荷で練習を行うと、「まだまだいけそう…」という気持ちが残るのでその余裕を次の日に持ち越せるようになります。
すると、継続して、負荷をかけ続けることができますし、そもそも走ることも楽しくなり長期的なリターンが大きいのです。
一方で、全力で走ってしまうと疲労の残り方も大きく、フォームも崩れやすくなるので足で蹴って走ってしまい、ふくらはぎなどが張りやすくなってしまいます。
そうすると、慢性的に疲労が残り続け、「身体がだるい…練習しているのに疲れやすくなっている気がする…全然走れない…」という最悪の結果に繋がってしまうのです。
なので、ポイント練習を行う時なども、全力で追い込まずに80%ほどの負荷をかけて練習するようにしてください。
練習で全力で追い込まないと不安なんですが…
「でも、みっちーさん。練習で全力で追い込んでおかないとレースになった時に不安になるんですが…」
そういう気持ちもすごくわかります。
そう思うランナーは、練習でも10kmのレースなどでもいいので、月に一回だけ全力で走ることをオススメします。
月1回だけ全力で走って、その他のポイント練習は80%しか追い込まない。
このポイントに沿って練習するだけで、月間走行距離に関係なくタイムが伸びていきます。
このブログを読んでくれているあなたも、80%の負荷をかけるポイント練習を行なって、練習を継続させていってくださいね!
月間走行距離よりも練習の目的・意図を重要視しよう
今回が月間走行距離200km以上走っているにもかからず、なかなか自己ベストの記録更新ができていないランナーに向けて記事を書きました。
月間走行距離は大事ではなく、必要な練習をすることが重要なんです。
・今の自分に最も必要な練習はなんなのか?
・サブフォーのペースで走るにはどうしたらいいのか?
・具体的にどんな意識をして練習をすべきか?
その結果として、必要な練習を重ね、スタミナやスピードがついて自然と走れる量が増え、月間走行距離も勝手に伸びた、というのが1番の理想です。
これを追求していくことで、たとえ、走行距離が少なかろうが結果がついてタイムは伸びていきます。
ぜひ、今回の記事を内容を参考に、普段の練習や練習量を見直してみるきっかけに役立ててみてくださいね。