フルマラソン最初の壁、5時間切り(サブ5)。フルマラソンで立ち止まらずに走りきり、サブ5を達成するためにはどのようなペース配分や練習をしていくべきでしょうか?
今回は、フルマラソンで完走をして、5時間切り(サブ5)を達成するためのペース配分・具体的な練習メニューについて解説していきます。
サブ5とは何か?
サブ5とは、42.195kmのフルマラソンを5時間未満で完走することを言います。多くの大会では完走の制限時間を6時間と決めています
サブ5はフルマラソンに初挑戦する、あるいは完走したことがあるという初心者が目指すべきタイムです。
単純計算では、1kmを7分のペースで走れば、42.195kmを4時間55分22秒で完走できることになります。
フルマラソンでサブ5を達成するためのペース配分のコツ
サブ5を達成するためにレース中に心がけるべきことはどんなことでしょうか?今回の記事では、ペース配分の3つのコツを紹介します。
ペース配分のコツ①立ち止まらずに走りきることを目標にする
フルマラソンで5時間〜6時間近くかかってしまうのは、大抵は立ち止まってしまったり、歩いてしまい時間をロスしてしまうのが、主な原因です。
1km7分というのは、マラソン初心者でも無理なく走ることができるペースです。スマホのランニングアプリなどを使って実際に走ってみると、そのペースを実感できるでしょう。
1km7分は、歩くよりも少し早いくらいの速さなので、レース中はとにかく「立ち止まらない」ということを心がけましょう。
ペース配分のコツ②30kmまではペース配分を一定にして走る
フルマラソンの大きな壁として、30km以降を過ぎたあたりからスタミナが切れて失速(ペースダウン)してしまうということがあります。
理想をいえば、1km7分の一定のペースで最初から最後まで走る方が体に負担がかからないのでラクに走ることができます。
しかし、実際にはスタート直後の混雑、レース後半の失速、給水・給食・トイレなどのロスタイムがあり、1km7分だと5時間を切れない可能性があります。
なので、30kmまでは1km6分30~45秒ペースを保って走ることをオススメします。
6分45分ペースで30km以降を走れば、その時点で3時間22分30秒です。残りの約13kmは7分20秒ペースで、1時間35分20秒、合計4時間57分50秒でサブ5を達成できる計算になります。
「フルマラソンに何度か出場しているが、なかなかサブ5が切れない…」というランナーは、30kmまでは一定のペース配分で走ってみるといいでしょう。
ペース配分のコツ③レース20~25kmの中間地点で対策を立てる
②で30kmまでは一定のペース配分で走ってみましょう!とお伝えしましたが、初心者のうちはやはり一定のペースを維持するのは難しいです。
なので、意識してみて欲しいのが、レースの中間地点(20~25km)あたりで、自己分析をしてみる、ということです。
自己分析というのは、筋肉の疲労がどこに来ているのか?呼吸が乱れていないか?空腹感や脱水感は?体のどこかが炎症を起こしていないか?などの点です。
問題なく走れているのであれば、余裕があるということです。なので、②でお伝えした通り、後半は気持ちを切り替えて、少しペースを上げていってもいいでしょう。
しかし、問題があるようであれば、解決できるように対策を立てましょう。例えば、呼吸が乱れていて息が上がっているようであれば、大きく呼吸をするようにします。
足に疲労が来たら、腕振りを大きくして上半身を使って走る意識を強くする、空腹や脱水している感覚があるなら、水分補給や給食を積極的に取る、などです。
このようにレースの中間地点で分析してみると、具体的にレース後半でも失速を抑えるためにどのように対策すべきか?がわかるので、ペースを維持しやすくなっていきます。
さらに、自分の弱点や今後のマラソンタイムを伸ばすための伸び代もわかってきます。
レース中に、どこで、どんな問題が発生したのか?をしっかり理解しておくだけで、レース後半へのペース配分や走り方への対応、レース後さらなる進化のための課題発見もできるようになっていきます。
サブ5達成!3ヶ月間の練習メニュー
ここでサブ5達成のための練習方法についてお伝えします。練習メニューとしては、まずフルマラソン42.195kmを走りきるための基礎体力をつけることを目標としましょう。
レース本番までの期間を3ヶ月間としたときの練習モデルを紹介します。
サブ5達成!1ヶ月目の練習メニュー
最初の1ヶ月目は、ペースを気にせずに、まずは走る習慣を体に刷り込んでいきましょう。目安としては週3回〜4回程度で、ランニング・ジョギングをしていきます。
時間がある休日などは10km、20kmなどの長い距離を走ることも挑戦しましょう。
ゆっくり長く走るLSD(ロング・スロー・ディスタンス)という走り方で、徐々に走る距離を伸ばしていくことがポイントです。
「なかなか走るのが苦手で…」「すぐにバテてしまいます…」そんな人はウォーキングからスタートしても大丈夫です。
まずは走ることを習慣にしていくこと、少しずつ長い距離を走れるようになっていくということを目指して走ってみてくださいね。
サブ5達成向け:2ヶ月目の練習メニュー
2ヶ月目からは1km6分45秒〜7分程度のペース配分で走れるように走るペースも意識してスタミナアップを図っていきます。
週3回〜4回程度の軽いランニングの他に、週のうちに1回は90分〜120分程度走ってスタミナを養っていきます。
短距離ダッシュも練習に取り入れればさらにスタミナや筋力がついていきます。
できればフルマラソンの大会の前に10km程度のレースにも参加して実践経験を積んでおいたり、練習の腕試しをしておくとレースでのペース配分、走りの感覚を調整にしやすくなるでしょう。
サブ5達成向け:レース本番3週間前〜直前の練習メニュー
レース本番の3週間前になったら残りの期間は調整期間に当てましょう。
レース前に練習量を減らすと「練習しなくて本当に大丈夫ですか?」と不安になりがちです。
しかし、直前で付け焼き刃で挑むよりは、レース本番で力を発揮できるようにベストなコンディションを整えた方が、タイムは伸びやすいです。
本格的なトレーニングを積むのは一旦抑えて、ジョギング程度の走りで、距離も少しずつ減らしていきます。
その他、ストレッチやマッサージを入念に行い、なるべく疲労を溜めないようにコンディションを整えていきましょう。
ただし、運動量が減ると体重が増えてしまいがちになるので、軽めにジョギングを行う、腕立てやスクワットなどの簡単な筋トレをおこなっておくのが良いでしょう。
うまくペースを維持して、サブ5達成!
今回は、サブ5達成のためのペース配分・練習メニューについて解説しました。
サブ5を達成するために1km7分のペースを維持して走れるようにしていきましょう。そのために立ち止まらずに走りきるように心がけましょう。
30kmまで一定のペースでキープし後半でペースアップを狙う、難しければレースの中間あたりで自己分析を行い、レース後半への対策をして極端なペースダウンだけは抑えられるように準備をしましょう。
フルマラソンでサブ5を達成できれば、次の目標が見えてます。「もっと早く走りたい!」「いいタイムを出したい!」ともっとマラソンが楽しくなっていきます。
しっかりとトレーニングを積み、ただし無理はしないよう、まずはサブ5から挑戦してみましょう!