「ああ、また失速した…」フルマラソン30km以降の失速、多くのランナーが経験するレースの魔物です。
練習不足や肉体の疲労も関係しますが、体内のエネルギー不足も失速の大きな要因になっています。
マラソンはいかにエネルギーを補給し、節約しながら走りきれるかのスポーツです。42.195kmを走りきるためのエネルギーは、食事から補給するようにしなければいけません。
マラソンのレースの前に、いつ、どこで、何を、どれくらい取ったらエネルギーを補給して後半まで持続できるエネルギーを維持することができるのでしょうか?
今回は体内に溜め込むエネルギー量が増える食事法について話していきます。
いつ、マラソンの何時間前に食事を取るべきか?
まず、マラソンの何時間前に食事を取るべきでしょうか?レース当日の食事は、スタートの3時間前までに済ませておきましょう。
なぜ、3時間前までに食べるのかというと、食べたものが実際にエネルギーとして力を発揮できるようになるためには消化、吸収する時間が必要になります。
例えば、マラソンのレースのスタートは早朝から正午までの間に行なわれることが多いです。スタートが午前中の場合は朝食が最後の食事になり、スタートが午後の場合は昼食が最後の食事になります。
午前中にスタートする場合は、朝食はスタートの3時間くらい前までに終えておくべきでしょう。
ただ、フルマラソンで4時間〜5時間前後のタイムで走るランナーであればスタートの2時間〜2時間前までにメインの食事を終えて、必要によってスタート30分〜60分で捕食として胃に負担にならない程度にカステラやチョコを取るといいでしょう。
何を、食べるべきか?
「3時間前に食べたほうがいいということは分かりました。では、具体的に何を食べるべきなんでしょうか?」
おそらく次に気になるのが「何を食べるべきか?」だと思うのでこちらについて解説していきますね。
レース前の朝食で、フルマラソンを最後まで走りきるための燃料を、しっかり摂取しておきたいものですよね。レース前にはグリコーゲンの材料となる炭水化物(糖質)を多く取るようにしましょう。
糖質は走っている最中に最も使われるエネルギー源です。これが42.195kmの距離を突き動かす燃料、エネルギー源になります。車で言うと、これがガソリンに当たります。
なぜかというと、糖質は筋肉に蓄えられる最もエネルギーになりやすい栄養素だからです。あなたが筋肉を動かす、つまり走ろうと思ったら、まず筋肉に貯められた糖質をエネルギーに変えていきます。
30km地点で糖質は使い果たされれば、あなたの体の中でエネルギーを生み出すスピード、つまり筋肉を動かすスピードが遅くなるわけです。
そうなると、30km地点でのペースダウンにも納得が行くのではないでしょうか?
糖質を多く体に溜め込むことができれば、ペースダウンを抑えることができます。
日々の食事改善によって、筋肉の中の糖質の量を回復させる、そして、レース当日に向けて糖を筋肉に蓄えることができるのです。
マラソン前、どうやって食べるべきか?
「マラソンの3時間前に糖分を含む食事する!」ということは理解できたと思います。
ただ、ここでも注意点があります。それは無理に食事を変え過ぎないということです。
大切なのが食べ慣れたものを食べることです。いつも食べている献立を中心に構成しましょう。
ただし、油物などは避けたほうが無難です。消化の良いものを食べることで効率よくエネルギーへと変換して、体を動かす原動力になります。
上位ランナーほど、食事の質、量、タイミングを重要視している
マラソンで3時間を切るような上位ランナーは、食事や補給の質、量、摂取のタイミングを大切にしています。
レース前に適切なタイミングでしっかりとした食事をとることができれば、フルマラソンを走りきるエネルギーを補給しペースダウンを防ぎ自己ベスト更新に繋げていくことができます。
もちろん、土台としては食事だけでなく普段からのトレーニングで、その時間、そのスピード、その距離を走りきれる身体を作っていくことも重要になります。
日々のトレーニングと食事、両方を大事にしながら練習していくようにしましょう。