人はどうやって体を動かすエネルギーを生み出しているのでしょうか?
マラソンとは、体内のエネルギー源をいかに上手く使いこなし、長い距離をいかに早く移動していくかのスポーツです。
マラソン=エネルギースポーツといっても過言ではないでしょう!
体内のエネルギー源がどのように使われているかを知ることは非常に重要です!
体を動かすエネルギー源
僕たちの筋肉を動かすときに必要なエネルギーをATP(アデノシン三リン酸)と言います。
ATPを生み出す時に使われるエネルギー源が、脂肪と糖です。
筋肉の中にあるミトコンドリアというエネルギー工場に脂肪や糖が血液に乗って運ばれるとエネルギーであるATPに変換され、筋肉を動かしています。
2種類の筋肉
人には大きく分けて、2種類の筋肉があります。
速筋と遅筋です。
速筋は糖をエネルギー源として使い、瞬発的に大きな力を発揮します。
しかし、エネルギーを生み出すのにたくさんの糖を必要とします。
素早く大きな力がでるので、ランのスピードを速めてくれますが、多くの糖を使ってしまいます。
遅筋は糖と脂肪の両方をエネルギー源として使うことができます。
しかし、エネルギーに変換する速度が遅いので、速筋のようにスピードを出すのが苦手です。
エネルギー変換率がいいので少ないエネルギー源から多くのエネルギーを生み出すことができるので、エネルギー源の節約に繋がります。
速筋は糖1個から2個のエネルギーを作れますが、遅筋は糖1個から38個のエネルギーを作れます。
さらに、遅筋は脂肪1個から100以上のエネルギーを作ることができます。
持久力がある遅筋も、スピードを出すために必要な速筋も上手に働いてもらうためには脂肪と糖をバランスよく摂取することが大事です!
ペースとエネルギー源
走るペースが速くなれば、素速く筋肉を動かさなければいけないので速筋を使い糖を大量に消費してしまいます。
ダッシュってずっと続けることってできませんよね?
途中で足が動かなくなってしまいます。
それは糖が枯渇してしまうからなんです。
ゆっくりとしたペースで走れば、筋肉を素早く動かす必要がないので、遅筋で脂肪と糖を使い効率的にエネルギーを生み出せます。
しかし、サブスリーを達成するには、ペースを上げなくてはいけませんよね?
けどペースを上げると、糖が使い果たされ30km以降でエネルギー源が脂肪だけになりペースダウンが始まるのです。
基本的にはランニングのトレーニングによって、速いペースでも遅筋を使えるようになってきます。
ですが、体の中に多くのエネルギー源を溜めることができればそれだけ有利にレースを進めることができます。
そのための秘訣を紹介していくので、ぜひ、じっくり読んでみてください。
エネルギー源の使われ方
運動を開始した段階では、筋肉に貯められた糖と、血中に溶けている遊離脂肪酸という脂肪をエネルギー源として使っています。
糖が足りなくなってくると、肝臓に貯められた糖も使い始めます。
運動が20分以上続くと、体に貯められた脂肪から遊離脂肪酸を取り出し、エネルギー源にしたり、筋肉を溶かして糖を生み出すようになります。
ランナーにとって大事なのは、筋肉にたくさんの糖を溜め込むこと。
脂肪をエネルギー源として使えるように、適切な量を摂取しおくことです!
エネルギー面から見たランニングエコノミー
エネルギー代謝の仕組みから、ランニングエコノミー向上のヒントが得られたと思います。
スピードと持久力のバランスを取るための練習メニューを組んでいくことがとても大切です。
糖と脂肪でエネルギーの使われ方と、生み出されるエネルギーの量が違います。
これらのバランスをうまくとっていくことがランニングエコノミー向上の秘訣です!
どんなメニューをどのくらいすればいいか、何をどのくらい食べればいいか、確かに目安はありますが、完全な正解はありません。
あなた自身が知識を身に着け、自分自身で、もしくはコーチと相談しながらあなたに合った適量を見つけていきましょう!